ビジュアルグランプリ&オーディオ銘機賞2004受賞インタビュー
(左)パイオニア(株)専務取締役 ホームエンタテインメントカンパニー プレジデント 新島 昭氏 (右)TAD スピーカーシリーズ TAD−M1 |
―― オーディオ銘機賞金賞を受賞されたTAD―M1を開発することになったきっかけから伺わせてください。
新島 パイオニアは米国のロサンゼルスにスピーカーの会社を持っていますが、アメリカでは日本の音はダメだということでパイオニアのスピーカーがなかなか売れませんでした。当社はもともとスピーカーからスタートした会社です。何とかしてアメリカで認められるスピーカーを作りたいということが、このプロジェクトを始めるきっかけでした。
―― 世界から認められるスピーカー作りに取り組まれたということですね。
新島 パイオニアとしてあらためてオーディオにしっかり取り組んでいきたいということも今回の商品の開発のきっかけのひとつでした。当時、パイオニアの社内でオーディオの技術者がビジュアルに押されて、何となく脇に追いやられたような雰囲気を感じていたからです。技術はチャンレンジする商品がないと陳腐化してしまいます。ここ数年、スピーカーはコストを追いかけるような商品が中心で、技術者にとって自分が誇れるような商品にチャレンジする場がなかなかありませんでした。これもこのプロジェクトを始めたきっかけのひとつでした。
(中略)
―― 2004年はどのような事業戦略で臨まれますか。
新島 ホームエンタテインメントカンパニーでは、プラズマとレコーダーが売上げの主力になります。2005年にはプラズマとレコーダーでホームエンタテインメントカンパニー全体の売上げの約7割を占めるようになると思います。その一方でオーディオもしっかりやっていきます。オーディオはパイオニアの原点であり生命線です。われわれは単なるテレビメーカーになるつもりはありません。われわれが目指していることは、ディスプレイを中心にしたエンタテインメント分野での総合提案型メーカーです。われわれは感動を売っています。音のない映像を見ても何の感動も覚えませんが、音が良くなることによって映像のリアリティーが高まります。オーディオはパイオニアのアイデンティティーとして、今後も大切にしていきます。
さらにSenka21 1月号では、商品戦略や将来展望について、詳しい内容がご覧いただけます。
購読のお申し込みは下記ページまで。
(Senka21編集部)