NTT、切手大の大容量ホログラムメモリ「インフォ・マイカ」を開発〜AVへの利用も視野に
<左>インフォ・マイカ媒体のプロトタイプ <右>試作したインフォ・マイカドライブ |
インフォ・マイカの媒体には一般的なプラスチック樹脂を使用する。情報の記憶は、最初にデジタル情報を二次元符号化し、その符号化された情報をもとに計算機によって合成したホログラムを、媒体のひとつの導波路層内にサブミクロンの凹凸パターンとして形成することにより実現する。
情報の再生は、端面からレーザー光を入射すると、導波路層内の凹凸パターンによって光が散乱する。その散乱した光が重なり合い、レーザー光入射に対して垂直の方向に再生像が結像する。その再生像をCCDで捕らえ、その後二次元復号化を行うことにより、元のデジタル情報を復元する。多層化を進化させることで、10GBの製品や20GBの製品も実現可能という。
インフォ・マイカは、極めて高い記憶密度のほか、ドライブが小型かつ低消費電力、低コストで大量生産が可能、媒体の偽造が困難、媒体のリサイクルが可能、などの優れた特性を持つ。このため、半導体ROMの代替、紙に変わる配布媒体、そしてゲームや音楽・映画・電子出版などのリッチコンテンツ用などに活用が考えられる。同社では、特に消費電力と大きさにシビアな携帯電話や携帯ゲーム機にドライブを組み込むことにより、リッチコンテンツが格段に扱いやすくすることを想定している。また同社では、すでにインフォ・マイカを日米のレコード会社のメンバーに説明し、音楽メディアに用いた場合の意見交換を行った。これらの会社からは、偽造が困難でコピーコントロールの可能な次世代媒体として高評価を得ているという。
今回試作したデータ読み出しドライブのサイズは、88mm(W)×37mm(D)×22mm(H)。手のひらに載せて持ち運びが可能となっている。
同社では、メーカー各社と協力の上、2005年中に切手サイズで記憶容量1ギガバイトの読み出し専用メモリ(ROM:Read Only Memory)として、インフォ・マイカの製品化を目指す。量産時のコストは、ドライブが数千円、媒体が100円〜200円と想定している。
【問い合わせ先】
日本電信電話株式会社
TEL/03-5205-5391
(Phile-web編集部)