FHPのPDP新工場詳報 最大80インチを生産可能
<左>左から秋草会長、森本社長、庄山執行役社長 <右>FHPの森本社長 |
記者会見には、FHPの社長である森本洋一氏のほか、FHPの株主である富士通(株)の秋草直之会長、(株)日立製作所の庄山悦彦執行役社長が出席した。
会見の冒頭、秋草会長が登壇し、「富士通は30年以上に渡りプラズマディスプレイの開発に携わってきた。薄型テレビの隆盛により、独自技術が市場に受け入れられていることを誇りに思う。03年度からFHPも事業が軌道に乗ったが、今後は韓国勢が追い上げてくることが予想される。これに対抗するため、新工場で飛躍をねらう」と挨拶した。
また庄山執行役社長は、「今回の投資は、世界最高のサプライヤーとしての能力を維持するためのものだと思う。パネル供給を受けるセットメーカーとしても、また株主としても喜ばしいことだ。ユビキタス化が進み、キーコンポーネントの重要性がますます高まってくるが、FHPは高い技術が高シェアを支えている。日立としても、プラズマを重点事業としてますます発展させていきたい」と語った。
新工場についてくわしく説明したFHPの森本社長は、「03年は世界シェア33%でトップを達成した。今後もPDPは国内生産にこだわっていきたい」と語り、PDPの需要動向については「06〜07年に飛躍的に伸張する」と予想。さらに、04年を「競争激化の年」と位置づけ、「韓国勢が生産能力を増強するほか、LCD、リアプロとの争いも激化する」との認識を示した。
森本氏は、リアプロとの競争については「もちろんリアプロの安さに惹かれる方もいるだろうが、プラズマはリアプロに比べ格段に画質が良い。十分に対抗できる」とコメント。韓国勢の台頭に関しても「ALIS方式、TERES方式をさらに進化させることで画質面での優位を保てる」とした。
新工場で生産するPDPのサイズについて森本氏は、「新工場では最大80インチの製造が行える予定だ。ただし、カンパニーフラッグとして70〜80インチを作るつもりはない。あくまで需要次第だ」と述べた。
また、「多くのメーカーが、セットメーカーがパネルを開発することでシナジー効果を実現できると説明しているが、パネル専業で生き残れるのか」という質問に対して、森本氏は「すべてのメーカーがシナジー効果を実現できているわけではない。見渡してみれば、自社パネルに自信を持っていないセットメーカーはいくつもある。垂直統合ではむしろコンフリクトが起こるのではないか」と一蹴した。
【問い合わせ先】
富士通日立プラズマディスプレイ(株)
TEL/044-850-2211(代表)
(Phile-web編集部)