オリンパス、800万画素の動画を撮影・編集できる統合システムを開発
<左>800万画素デジタル動画カメラ「SH-880TM」(奥)とハードディスクレコーダー「SH-880TR」 <右>東京・渋谷、幡ヶ谷事業場に新設された「オリンパス高精細シアター」 |
800万画素は、HDTVの4倍の解像度に相当する。今回のシステムでは入力、編集、出力まで一貫して対応でき、これは世界初となる。
同社は、従来から高精細な大画面表示の研究開発を進めてきた。2002年5月には、800万画素高精細デジタル動画カメラ、レコーダーのフィールド運用可能なレベルでの試作機に、世界で初めて開発した経緯がある。
撮影には800万画素高精細デジタル動画カメラ「SH-880TM」を使用する。屋外ロケにも活用できる小型軽量化とバッテリー駆動を実現した。重さは9kgで、試作機に比べ30%削減した。また、従来同様2/3”のHDマウントを採用しているため、デジタルシネマやTVカメラ用各種交換レンズが使用できる。さらに、カメラとレコーダー間を光接続することで、1km以上の映像伝送を可能にし、機動性が向上した。
動画の記録に用いるハードディスクレコーダー「SH-880TR」も、試作機から大幅に小型・軽量化することに成功した。撮ったその場での即時再生が可能になり、撮影現場での映像確認が手軽に行える。記録時間は800万画素時で約60分。
編集機能についても、レコーダーから編集までのデータのリアルタイム転送などにより大画面、実解像度での確認が可能となり、編集作業時間の短縮を実現した。これまでのシステムに比べ、編集時間が1/4〜1/8程度に削減するという。
また同社では、高精細デジタル動画の撮影から録画、編集、大型スクリーンでの投影まで一括して対応できる専用編集施設「オリンパス高精細シアター」を4月9日に東京・渋谷の同社幡ヶ谷事業場内に開設した。スクリーンは280インチで、多数のプロジェクターを接続し、一つひとつの画像を貼り合わせてつなぎ目のない画像を投影できる自動画像補正装置「Vision Plex(ビジョンプレックス)」が採用されている。
今後同社では、演劇・シネマなどの娯楽映像、イベント・ショールームなどの業務用分野の市場開拓を進めていく。
【問い合わせ先】
オリンパス株式会社 研究開発センター
IS事業プロジェクト 企画グループ
TEL/0426-91-7143
(Phile-web編集部)