HOME > ニュース > 日本TI、最高性能を誇るデジタルアンプ向けプロセッサーを発表

日本TI、最高性能を誇るデジタルアンプ向けプロセッサーを発表

公開日 2004/10/12 18:14
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
●日本テキサス・インスツルメンツ(株)(以下:日本TI)は本日、TIの「PurePath Digital」オーディオ技術を駆使し最高の性能を獲得したデジタルオーディオプロセッサー新製品「TAS5518」を発表し、その概要をマスコミ向け記者会見を開催し明らかにした。


日本テキサス・インスツルメンツ(株)望月和人氏
本日の新製品発表会では同社DCESカンパニーからデジタル・オーディオ事業部デジタル・アンプ製品部グループ長である望月和人氏から製品の特徴が紹介された。

「TAS5518」PWM(パルス幅変調)プロセッサーは、同社が2000年にデンマークのトッカータ社を買収以降、開発を進めてきたフルデジタルアンプ用のデバイス「TI PurePath Digital」の思想と技術を受け継ぐ最新のデバイスである。


「PurePath Digital」デジタルAVアンプの構成と特長
TI社の「PurePath Digital」とは、“純粋なデジタル信号経路で構成されるアンプ”を実現させたものであり、オーディオ信号を入口から出口まで完全にデジタル処理することで、録音スタジオのデジタルソースの音を鮮度を保ったままに増幅させることに成功した技術である。TI社では世界で初めてこのICの量産を実現し、高い電力効率と優れたEMI特性で「小さな筐体に最高の音」を実現する製品の開発に強力なソリューションを提供している。


左から「TAS5518」「TAS5121DKD」「TAS5112DFD」各チップ
新製品「TAS5518」は高性能の32bit8チャンネルPWMプロセッサーに48ビットDSPを内蔵し、ワンチップ化した。PWMプロセッサーでは8チャンネルすべてに110dBのダイナミックレンジを実現し、新技術のPSVC電源電圧可変ボリューム・コントロール機能によって24dBのノイズフロアの低減を可能にしている。これにより最大出力から最小ボリューム位置のノイズフロアは134dBのダイナミックレンジを実現しているという。


TI社の「PurePath Digital」製品ラインナップ
「今回の新製品は、多くの民生オーディオ機器へのソリューションを提供できるTIが、最高級のPWMモジュレーターとして世に送り出すものです」と望月氏は語り、会場において行われた「TAS5518」とパワーステージ「TAS5182」を組み合わせた評価ボードによるサウンドデモンストレーションにおいてその実力を大いに証明してみせた。

「TAS5518」と「TAS5121」を組み合わせたデモユニットの構造図

評価ボードによる2ch/マルチchのデモをそれぞれ披露

中央に「TAS5518」が配されている

本日の記者会見では、DCESカンパニーデジタルオーディオ事業部長の杉木雄三氏からも、DCESカンパニーの事業戦略が紹介された。


日本テキサス・インスツルメンツ(株)杉木雄三氏
日本TIはデジタル家電向けのトータルソリューションを強化するため、2002年2月に専門組織としてのDCES(デジタル・コンシューマー・エレクトロニクス・ソリューションズ)カンパニーを設立。日本国内のメーカーに向けて、デジタル家電の製品化に必要なあらゆるTI社のソリューションをいち早く提供するための拠点としての活動を行っている。現在は高性能DSP、デジタルアンプ、オーディオコンバーターなど幅広いデジタルオーディオソリューションを、AVアンプ、ホームシアターシステムやフラットパネルTV用スピーカー等のメーカー向けて提供している。

杉木氏はカンパニーの事業方針を「“音の匠のこだわり”を大切にする日本のメーカーへ向けて、各社のこだわりとブラックボックスの最大化による差別化を実現できるソリューションを提供していくことが私たちの使命」であると語り、今回発表した新製品が市場の発展に大きく貢献できるものであると期待のコメントを寄せた。

今後「TAS5518」は64ピンTQFPパッケージで市場に供給される。1,000個受注時の単価は7.95ドルに設定され、サンプルはすでに一部メーカーに出荷されている。

【問い合わせ先】
日本テキサス・インスツルメンツ(株)
プロダクト・インフォメーションセンター
FAX/0120-81-0036

(Phile-web編集部 山本)

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE