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<CES2005レポート余録>ラスベガスの「ゆりかもめ」は680億円強の私財で作られた!

公開日 2005/01/08 15:47
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ラスベガスの新名物「ラスベガス・モノレール」。写真は黄色だが、ホームに入ってくる車体には様々なカラーがあった
●ラスベガスの最新の話題は、昨年12月24日に再開通したばかりのラスベガス・モノレールである。再開通というのは、昨年夏に開通後、安全システムのアップデートのために9月8日に一時休止していたからだ。3年前のCES取材の頃から建設中のレールを見てきたので、完成したその姿は感慨深いものがある。


できたばかりのホームは美しい。自動運転なのでホームゲートがある

車内のルート駅案内図。ラスベガスの有名ホテルのロゴが並ぶ
ラスベガス・モノレールはMGMグランド駅を起点に、サハラ駅までの約6.4kmをつなぐ。経由駅は、ラスベガスの中心であるストリップ沿いの有名リゾートホテル群「バリーズ/パリス駅」「フラミンゴ/シーザーズパレス駅」「ハラーズ/インペリアルパレス駅」を経由し、そして「ラスベガス・コンベンションセンター駅」「ラスベガス・ヒルトン駅」の順に停車する。なんでも建築費に680億円もの私財(ホテルのオーナー?)が投入されたというから、すさまじい。モノレールが経由しないホテルは、投資を渋ったという噂もささやかれる。

車両は4両編成で、9本が自動運転で往復している。レールは地上約6mのところに敷設されており、ラスベガス・コンベンションセンター駅では最高の地上21mに達する。営業時間は朝8時から午前2時まで営業はラスベガスらしいが、最終的には終夜運転も考えられる。

実際に乗ってみた。車内はコンパクトで体の大きなアメリカ人には、おもちゃのように感じる。時速約80kmということだが、直線では速度を上げ、カーブでは極端に遅くなる。振動は大きくカーブは傾き、満員状態だと大丈夫かなと不安になる・・・安全確認の休業のことを思い出したりして。


タッチパネル式の乗車券販売機。ただいま開通記念割引セール中

自動改札。3日乗車券を挿入するとゲートが開き、手前に吐き出される。日本のように向こう側に出ないので取り忘れに注意だ。下車時はチケットはいらない
1回の運賃はすべての区間共通で$3(約315円)である。10回回数券で$25(約2,625円)、1日乗車券は$15(約1,575円)で、ほかに3日乗車券もある。CES会期中は開通記念運賃が設定されていた(くわしくは公式サイトをご参照ください)。お台場・東京ビックサイトへのアクセスで知られる「ゆりかもめ」も高い初乗り運賃で有名だが、初乗りは180円。ラスベガス・モノレールの全長距離である6.4kmに値する乗車区間は「竹芝−台場」で310円だから、ほぼ同じというところか。こういうものは世界共通なのだろうか。


建設中のマッカラン国際空港駅。再来年くらいには空港とストリップ(中心地) がつながるのだろうか?
ちなみに現ルートは第一計画ルートで、最終行程ではマッカラン国際空港からストリップ、ダウンタウン(旧市街)までをつなぐという。タクシーとシャトルバスしか市内移動の手段のなかったラスベガスがたいへん便利になると思ったが、CES開催中はたいへんな混みようで、CES終了時にはホームに入りきれず、駅外まで行列ができる。渋滞解消に一役買ったかどうかは定かではない。いずれにしても急成長を続けるラスベガスの象徴ともいえるインフラの誕生だ。

(AVレビュー編集部 ながい)

[ces2005]

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