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ケーブルレスシアター実現へ前進−NECが新たな無線ハイビジョン伝送システムを開発

公開日 2005/04/01 17:49
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本システムのトランシーバー

受信用のトランシーバーは左右に2つ装備し、送信機から2つの信号伝送経路を確保する
NECは、オフィスや家庭向けに、ミリ波を用いた無線の映像伝送技術と、小型ミリ波トランシーバを開発した。

今回開発した技術により、AV機器と壁掛けテレビとの間の映像・音声信号ケーブル配線が不要となり、ハイビジョン映像を非圧縮で無線伝送できるケーブルレスのTVや壁掛けディスプレイが実現できる。「無線によりハイビジョン映像が楽しめるホームシアターの設置も容易に実現できるようになる」(同社)。

同社では、家庭での壁掛けテレビについて「映像・音声用のケーブル配線が利便性や美観を損なうことが導入の妨げになっていた」と分析。ハイビジョンが伝送できる無線技術には、無線LANやUWBなどがあるが、電波干渉下での映像品質保証が困難で、データ伝送速度に限界があり、機器により複数規格が並立していることなどから普及が進んでいなかった。

同社が今回採用したミリ波は光に近い電波で、波長が短く、直進性が高い。トランシーバーのあいだに障害物があると伝送に障害が出やすいが、本システムでは受信機を2台使用することで送信機から2つの信号伝送経路を確保する。

伝送速度は非常に高く、1Gbps超の速度が出せる。ハイビジョン映像等を非圧縮で伝送することができる。

信号を伝送するトランシーバーは非常に小型で、名刺よりも小さい。映像信号とステレオ音声信号を約1Gbpsのデジタル信号に変換し、ASK変調方式を用いて60GHz帯で伝送する。

同社では「今後は個別の映像伝送装置としてだけでなく、伝送データの大容量化が進む次世代ホームネットワークへの展開も可能」としており、今後普及を図っていく考えだ。

(Phile-web編集部)

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