今夏はDVDカムコーダーも好調:RWPPIが第32回目の定例会議を開催
RWプロダクツ・プロモーション・イニシアティブ(略称RWPPI)は、パイオニア(株)の目黒本社において第32回目の定例会議を開催した。本日の会議から香港のメディアメーカーであるWalth Fair Investment Ltd.社が新たに加わり、全68企業の参加メンバーとなった。
はじめにRWPPI代表の相澤氏による挨拶が行われた。相澤氏は今年の夏も活気を呈するDVD関連市場に期待感を表しながら、特に昨今のDVDカムコーダー市場の伸びを強調した。相澤氏はDVDカムコーダーの成長について「この頃の商品は低ビットレートでの記録時にも高画質を実現している点に注目したい。デジタル記録メディアとしてのDVDの「使いやすさ」も相まって、DVDカムコーダーは新しいアプリケーションとして今後大きく成長する商材であると感じている」とコメントした。またDVDカムコーダーの市場においてもDVD-RW/DVD-Rがメディアが大きなシェアを獲得している点についても触れ、ますますの発展を期待したいと語った。
相澤氏の挨拶につづいて、同日RWPPIのハード・メディア分科会において議論された、DVD-RWの規格Ver1.1ディスクに関する継続的な供給を取り巻く課題について、事務局から報告が行われた。現在、DVD-RWメディアの進化に伴い、各ハード、メディアメーカーともに規格「Ver1.2」に準拠した記録メディアへの対応が進められている。しかしながら、一方では規格「Ver1.1」準拠のDVD-RWディスクのみに対応するレコーダーが、世界中ですでに400万台以上出荷されているという。このような環境の中でユーザーから「ディスクが入手できない」という声も寄せられており、RWPPIとしては今回、メディアメーカーや販売店に向けてVer1.1のディスクを今後も継続して製造、および販売できるようリクエストしていくとともに、RWPPIからも情報提供を行っていくことが取り決められた。
引き続きパイオニア(株)の青木氏より、欧州における記録メディアに対する著作権「Levy」の動向報告、並びにRWPPIが主催するラウンドロビンテストのチェアマンであるパイオニア(株)の内海氏から最新のテスト経過報告が行われた。
欧州のLevyとは、日本における私的録音録画補償金制度と同様のシステムであり、ここ1年間における欧州全体の課金料率の変化と傾向が青木氏によって指摘された。内海氏からはラウンドロビンテストについて、主に「Test A1レポート」の成果報告と、今期の課題として新たに取り組まれる「Stage 5」のテストプランが紹介された。「Test A1」のレポートについては6月のラウンドロビンテストの全体会議においても報告されている通り、通常のワーキンググループの枠を超えた取り組みによって、「DVD-RWの4倍速・6倍速メディアの互換性検証」に関する充実した検証データを獲得することができたという。また「Stage 5」についても今後のロードマップが内海氏により示され「9月から10月にテストを実施し年内に完成、来年最初の定期ミーティングにて成果報告を行いたい」とされた。
この後、RWPPI事務局より、9月6日にトルコ・イスタンブールでの開催が迫る「CeBIT Bilisim Eurasia 2005」の出展計画が発表された。事務局の森下氏は今回の参加各社とのジョイントプロモーション・イベントについて、RWPPIとして初めて参加する本イベントにて、現地来場者の方々に強いインパクトをもたらす出展を実現したいと意気込みをみせる。プロモーション活動においては、DVD-RW/DVD-Rの「高い利便性、優れた信頼性と互換性という基本コンセプト」を強く訴求するとともに、「イベントの来場者にDVD-RW/DVD-Rの名前を覚えてもらうこと」が目標として掲げられた。
またこの日、RWPPIの事務局から団体のホームページに関連した報告も行われ、9月1日のスタートを目標に中国語のコンテンツを発信することも明らかにされた。内容は主にDVD-RW/DVD-Rの新製品情報やRWPPIの最新活動に関するプレスリリース、催事情報が中国語で掲載される予定であるという。
次にRWPPIに参加するメーカーからの新製品紹介が行われた。はじめにNECエレクトロニクス(株)より民谷氏が登壇し、NECが発表した最新のDVDレコーダー用LSIシステムが紹介された。今回NECからはDVDレコーダーの「高級機」「普及機」それぞれの開発に先進的なソリューションを提供するデバイスが2製品リリースされた。高級機向けとされる「EMMA2RH」では、ハイビジョンデジタル・アナログ放送3番組同時録画を実現した点が大きなポイントとなる。一方、普及機向けの「EMMA2R-FE」では、DVDドライブ駆動機能とバックエンド機能を融合させたことにより、部品点数、基盤面積を従来の60%に削減することが可能になるという。民谷氏は、NECの独自技術が完成させた本製品を採用していただくことにより、各メーカーはアプリケーションの開発効率を高めることが可能になると強調した。
ソニック・ソルーションズ(株)からは山田氏が登壇し、ロキシオとソニックが初めて開発段階からコラボレートし完成させたDVD/CDライティングアプリケーションソフト新製品の特徴がデモを交えて紹介された。製品の特徴としては、「オール・イン・ワン」をコンセプトとした充実したアプリケーションメニュー、DVD-R DLメディアへの対応と優れた操作性を誇るユーザーインターフェイスが挙げられた。山田氏はこの新製品によって、「ソニック・ソリューソンズとして、国内におけるライティングソフトのさらに大きなシェアを獲得したい」と抱負を語った。
続いて野村證券(株)金融経済研究所 経済調査部にてシニアエコノミストとして活躍する木内登英氏により「“人民元の切り上げと日本経済動向”〜ポスト・デフレの個人消費〜」と題した特別講演が行われた。
木内氏は講演の中で、昨今の世界経済におけるキー・トピックスとなる「中国・人民元の切り上げ」を軸に、中国、米国の経済動向と結びつけながら日本経済の足下の状況や、労働市場の状況について見通しを示した。
今後日本の経済状況がデフレからポスト・デフレへ変革の時期を迎えるだろうとする木内氏は、その過程において消費人口の核がより若い世代層に移り変わるだろうと予見する。同時に今後日本の景気の牽引役として「個人消費」が伸びてくると指摘しながら、これに伴う「売れ筋商品」の変化についてもデータとともに説明した。木下氏は、この消費動向の変化はデジタル家電・オーディオ分野の伸びに大きく影響するとしながら、業界各社の事業活動をマクロな視点から分析していった。本定例会議の締め括りとなった木下氏の特別講演には大きな拍手が贈られた。
(Phile-web編集部)
はじめにRWPPI代表の相澤氏による挨拶が行われた。相澤氏は今年の夏も活気を呈するDVD関連市場に期待感を表しながら、特に昨今のDVDカムコーダー市場の伸びを強調した。相澤氏はDVDカムコーダーの成長について「この頃の商品は低ビットレートでの記録時にも高画質を実現している点に注目したい。デジタル記録メディアとしてのDVDの「使いやすさ」も相まって、DVDカムコーダーは新しいアプリケーションとして今後大きく成長する商材であると感じている」とコメントした。またDVDカムコーダーの市場においてもDVD-RW/DVD-Rがメディアが大きなシェアを獲得している点についても触れ、ますますの発展を期待したいと語った。
相澤氏の挨拶につづいて、同日RWPPIのハード・メディア分科会において議論された、DVD-RWの規格Ver1.1ディスクに関する継続的な供給を取り巻く課題について、事務局から報告が行われた。現在、DVD-RWメディアの進化に伴い、各ハード、メディアメーカーともに規格「Ver1.2」に準拠した記録メディアへの対応が進められている。しかしながら、一方では規格「Ver1.1」準拠のDVD-RWディスクのみに対応するレコーダーが、世界中ですでに400万台以上出荷されているという。このような環境の中でユーザーから「ディスクが入手できない」という声も寄せられており、RWPPIとしては今回、メディアメーカーや販売店に向けてVer1.1のディスクを今後も継続して製造、および販売できるようリクエストしていくとともに、RWPPIからも情報提供を行っていくことが取り決められた。
引き続きパイオニア(株)の青木氏より、欧州における記録メディアに対する著作権「Levy」の動向報告、並びにRWPPIが主催するラウンドロビンテストのチェアマンであるパイオニア(株)の内海氏から最新のテスト経過報告が行われた。
欧州のLevyとは、日本における私的録音録画補償金制度と同様のシステムであり、ここ1年間における欧州全体の課金料率の変化と傾向が青木氏によって指摘された。内海氏からはラウンドロビンテストについて、主に「Test A1レポート」の成果報告と、今期の課題として新たに取り組まれる「Stage 5」のテストプランが紹介された。「Test A1」のレポートについては6月のラウンドロビンテストの全体会議においても報告されている通り、通常のワーキンググループの枠を超えた取り組みによって、「DVD-RWの4倍速・6倍速メディアの互換性検証」に関する充実した検証データを獲得することができたという。また「Stage 5」についても今後のロードマップが内海氏により示され「9月から10月にテストを実施し年内に完成、来年最初の定期ミーティングにて成果報告を行いたい」とされた。
この後、RWPPI事務局より、9月6日にトルコ・イスタンブールでの開催が迫る「CeBIT Bilisim Eurasia 2005」の出展計画が発表された。事務局の森下氏は今回の参加各社とのジョイントプロモーション・イベントについて、RWPPIとして初めて参加する本イベントにて、現地来場者の方々に強いインパクトをもたらす出展を実現したいと意気込みをみせる。プロモーション活動においては、DVD-RW/DVD-Rの「高い利便性、優れた信頼性と互換性という基本コンセプト」を強く訴求するとともに、「イベントの来場者にDVD-RW/DVD-Rの名前を覚えてもらうこと」が目標として掲げられた。
またこの日、RWPPIの事務局から団体のホームページに関連した報告も行われ、9月1日のスタートを目標に中国語のコンテンツを発信することも明らかにされた。内容は主にDVD-RW/DVD-Rの新製品情報やRWPPIの最新活動に関するプレスリリース、催事情報が中国語で掲載される予定であるという。
次にRWPPIに参加するメーカーからの新製品紹介が行われた。はじめにNECエレクトロニクス(株)より民谷氏が登壇し、NECが発表した最新のDVDレコーダー用LSIシステムが紹介された。今回NECからはDVDレコーダーの「高級機」「普及機」それぞれの開発に先進的なソリューションを提供するデバイスが2製品リリースされた。高級機向けとされる「EMMA2RH」では、ハイビジョンデジタル・アナログ放送3番組同時録画を実現した点が大きなポイントとなる。一方、普及機向けの「EMMA2R-FE」では、DVDドライブ駆動機能とバックエンド機能を融合させたことにより、部品点数、基盤面積を従来の60%に削減することが可能になるという。民谷氏は、NECの独自技術が完成させた本製品を採用していただくことにより、各メーカーはアプリケーションの開発効率を高めることが可能になると強調した。
ソニック・ソルーションズ(株)からは山田氏が登壇し、ロキシオとソニックが初めて開発段階からコラボレートし完成させたDVD/CDライティングアプリケーションソフト新製品の特徴がデモを交えて紹介された。製品の特徴としては、「オール・イン・ワン」をコンセプトとした充実したアプリケーションメニュー、DVD-R DLメディアへの対応と優れた操作性を誇るユーザーインターフェイスが挙げられた。山田氏はこの新製品によって、「ソニック・ソリューソンズとして、国内におけるライティングソフトのさらに大きなシェアを獲得したい」と抱負を語った。
続いて野村證券(株)金融経済研究所 経済調査部にてシニアエコノミストとして活躍する木内登英氏により「“人民元の切り上げと日本経済動向”〜ポスト・デフレの個人消費〜」と題した特別講演が行われた。
木内氏は講演の中で、昨今の世界経済におけるキー・トピックスとなる「中国・人民元の切り上げ」を軸に、中国、米国の経済動向と結びつけながら日本経済の足下の状況や、労働市場の状況について見通しを示した。
今後日本の経済状況がデフレからポスト・デフレへ変革の時期を迎えるだろうとする木内氏は、その過程において消費人口の核がより若い世代層に移り変わるだろうと予見する。同時に今後日本の景気の牽引役として「個人消費」が伸びてくると指摘しながら、これに伴う「売れ筋商品」の変化についてもデータとともに説明した。木下氏は、この消費動向の変化はデジタル家電・オーディオ分野の伸びに大きく影響するとしながら、業界各社の事業活動をマクロな視点から分析していった。本定例会議の締め括りとなった木下氏の特別講演には大きな拍手が贈られた。
(Phile-web編集部)