「ホームシアター分野のシナジーを加速」 − パイオニアPDP発表会レポート
別項でお伝えしたように、パイオニアは本日、世界初の50V型フルHDプラズマモニターなど、プラズマ機器3モデルを発表した。ここでは発表会の模様、質疑応答の全問全答をご紹介する。
発表会では、まず初めに、同社常務執行役員 ホームエンタテインメントビジネスグループ本部長の安田信治氏が登壇。安田氏は冒頭、プラズマテレビの需要予測について説明し、「世界市場については、2005年に680万台が2009年には2,200万台になると予想している。このうち42型以上が1,680万台となり、76%を占めると推定できる」と述べ、世界的にプラズマテレビの大型化が進むことを強調した。
50インチ以上のモデルについても、「2009年には580万台に達し、フルHDモデルはこのうち25%、台数では150万台となる」と見込む。国内に関しては、2009年度に100万台以上に達し、そのうちのほとんどがHD以上の高精細モデルになるという。
また安田常務は、映像ソースの変化についても触れ、「2006年末には地上デジタルが全国展開し、視聴可能世帯は3,850万に達する。また、パッケージメディアもDVDからBlu-rayなど次世代光ディスクに移行し、HDビデオカメラの普及も進む。テレビはますます大画面・高画質化が必要になる」とした。
さらに、同社が行ったユーザー分析についても説明。テレビのユーザーについては、「価格を重視するユーザーと付加価値を重視するユーザーの二極化が進行してきた」と説明し、付加価値重視型のユーザーはレコーダー、アンプ、サラウンド機器など多数の機器をテレビに接続したり、専用のスタンドや家具を使って設置するなどの特徴があるとした。
また、ユーザーに「購入時に重視する点」を尋ねたところ、上位は2005年調査、2006年調査のいずれも「画質のよさ」「画面の大きさ」「地上デジタルチューナー」で変わらなかったが、2006年調査の方が、この3つを重視するユーザーの数が増えたとした。
安田常務は同社のPDP開発の歴史についても言及し、「1997年に世界初の50V型ハイビジョンPDPを開発して以来、ワッフル構造リブやダイレクトカラーフィルター、高純度クリスタル層など、様々な『世界初』を作り続けてきた」と述べ、これらの成果が認められ、国内外の数々の賞を受賞したとアピールした。
同社プラズマ事業の中期商品戦略については、「高精細/高画質/大画面/高音質の『臨場感の4大要素』、『快適操作』、『リビング環境への適合・デザイン』、『環境性能』に注力し、違いが分かるお客様に狙いを絞り、『世界初!の高付加価値商品』で勝負していく」と説明。また、マーケティング分野については、「弊社はプラズマを中心に、レコーダーや次世代光ディスクプレーヤー、AVコンポ、ホームシアターシステム、ラックなど、ホームシアターの主要カテゴリーを網羅できる数少ないメーカー。これらのシナジー効果を最大限発揮できるよう、統一マーケティングを行っていく。すでにそれぞれの分野の商品企画担当者を1ヶ所に集め、シナジーが出る体制を整えた」と述べた。
別項でご紹介したPDP企画部長の佐久間氏による製品の説明に続き、製品の販売戦略については、パイオニアマーケティング(株)取締役社長の校條亮治氏が説明した。校條氏は、実際の販売戦略についても「価格ではなく高付加価値路線を追求していく。販売チャネルもマルチチャネル戦略を進め、新規チャネルを開拓する」と言明。また、CMキャラクターに元ちとせを起用することも明らかにし、平面媒体、テレビCM、ウェブサイト、店頭まですべて連動した全国プロモーション活動を展開するとした。プロモーションについては、「体感型の店頭プロモーションを中心に行う。『見て・聞いて・感じる プラズマ“特等席体感”コーナー』を全国1,000店舗以上で展開する」とした。
以下、質疑応答の全問全答を掲載する。
Q:国内と海外の販売目標を教えて欲しい。
A:国内、海外とも40V型以上のシェアで20%を狙っていきたい。
Q:フルHDモデルを、チューナー内蔵、つまりテレビで展開することは考えているか。
A:まずは最高の画質を提供したいという考えから、今回はモニタータイプで発売したが、2〜3年後にはフルHDモデルが増えると予想している。フルHDのテレビ化も考慮している。
Q:去年までは43V型だったと思うが、今回42V型になったのはなぜか。
A:一昨年、NECのプラズマ事業と統合した。NECは42V型を生産していたので、42Vと43Vが混在する非合理な状態になっていた。これを今回42V型に統一したということだ。
Q:年間消費電力は同クラスの液晶テレビと比べても低いのか?
A:液晶ではぴったり同じサイズのものが無いが、インチあたりの消費電力で比較すると、液晶を含めても一番低いレベルを実現できている。
Q:今回のモニターでデジタル放送を楽しむためには、どうすればよいのか?
A:DVDレコーダーやケーブルテレビのSTBを使用してもらうことを想定している。PDP-5000EXの需要は、国内と海外の比率が1対10程度だが、海外は圧倒的にモニターの需要が高い。
Q:年間の生産台数は?
A:グローバルで年間30,000台以上を出荷する。このうち1/10から1/9が国内向けだ。
Q:今回のワールドカップは薄型テレビ市場にどの程度のインパクトを与えるか?
A:世界中で人気のあるイベントで、大変影響力があると考えている。我々も世界各地でタイアップを仕掛けているところだ。
Q:Blu-ray Discプレーヤーの発売時期について教えて欲しい。
A:北米では今年発売する。ヨーロッパと日本については、現在のところ「検討段階」としか申し上げられない。
(Phile-web編集部)
発表会では、まず初めに、同社常務執行役員 ホームエンタテインメントビジネスグループ本部長の安田信治氏が登壇。安田氏は冒頭、プラズマテレビの需要予測について説明し、「世界市場については、2005年に680万台が2009年には2,200万台になると予想している。このうち42型以上が1,680万台となり、76%を占めると推定できる」と述べ、世界的にプラズマテレビの大型化が進むことを強調した。
50インチ以上のモデルについても、「2009年には580万台に達し、フルHDモデルはこのうち25%、台数では150万台となる」と見込む。国内に関しては、2009年度に100万台以上に達し、そのうちのほとんどがHD以上の高精細モデルになるという。
また安田常務は、映像ソースの変化についても触れ、「2006年末には地上デジタルが全国展開し、視聴可能世帯は3,850万に達する。また、パッケージメディアもDVDからBlu-rayなど次世代光ディスクに移行し、HDビデオカメラの普及も進む。テレビはますます大画面・高画質化が必要になる」とした。
さらに、同社が行ったユーザー分析についても説明。テレビのユーザーについては、「価格を重視するユーザーと付加価値を重視するユーザーの二極化が進行してきた」と説明し、付加価値重視型のユーザーはレコーダー、アンプ、サラウンド機器など多数の機器をテレビに接続したり、専用のスタンドや家具を使って設置するなどの特徴があるとした。
また、ユーザーに「購入時に重視する点」を尋ねたところ、上位は2005年調査、2006年調査のいずれも「画質のよさ」「画面の大きさ」「地上デジタルチューナー」で変わらなかったが、2006年調査の方が、この3つを重視するユーザーの数が増えたとした。
安田常務は同社のPDP開発の歴史についても言及し、「1997年に世界初の50V型ハイビジョンPDPを開発して以来、ワッフル構造リブやダイレクトカラーフィルター、高純度クリスタル層など、様々な『世界初』を作り続けてきた」と述べ、これらの成果が認められ、国内外の数々の賞を受賞したとアピールした。
同社プラズマ事業の中期商品戦略については、「高精細/高画質/大画面/高音質の『臨場感の4大要素』、『快適操作』、『リビング環境への適合・デザイン』、『環境性能』に注力し、違いが分かるお客様に狙いを絞り、『世界初!の高付加価値商品』で勝負していく」と説明。また、マーケティング分野については、「弊社はプラズマを中心に、レコーダーや次世代光ディスクプレーヤー、AVコンポ、ホームシアターシステム、ラックなど、ホームシアターの主要カテゴリーを網羅できる数少ないメーカー。これらのシナジー効果を最大限発揮できるよう、統一マーケティングを行っていく。すでにそれぞれの分野の商品企画担当者を1ヶ所に集め、シナジーが出る体制を整えた」と述べた。
別項でご紹介したPDP企画部長の佐久間氏による製品の説明に続き、製品の販売戦略については、パイオニアマーケティング(株)取締役社長の校條亮治氏が説明した。校條氏は、実際の販売戦略についても「価格ではなく高付加価値路線を追求していく。販売チャネルもマルチチャネル戦略を進め、新規チャネルを開拓する」と言明。また、CMキャラクターに元ちとせを起用することも明らかにし、平面媒体、テレビCM、ウェブサイト、店頭まですべて連動した全国プロモーション活動を展開するとした。プロモーションについては、「体感型の店頭プロモーションを中心に行う。『見て・聞いて・感じる プラズマ“特等席体感”コーナー』を全国1,000店舗以上で展開する」とした。
以下、質疑応答の全問全答を掲載する。
Q:国内と海外の販売目標を教えて欲しい。
A:国内、海外とも40V型以上のシェアで20%を狙っていきたい。
Q:フルHDモデルを、チューナー内蔵、つまりテレビで展開することは考えているか。
A:まずは最高の画質を提供したいという考えから、今回はモニタータイプで発売したが、2〜3年後にはフルHDモデルが増えると予想している。フルHDのテレビ化も考慮している。
Q:去年までは43V型だったと思うが、今回42V型になったのはなぜか。
A:一昨年、NECのプラズマ事業と統合した。NECは42V型を生産していたので、42Vと43Vが混在する非合理な状態になっていた。これを今回42V型に統一したということだ。
Q:年間消費電力は同クラスの液晶テレビと比べても低いのか?
A:液晶ではぴったり同じサイズのものが無いが、インチあたりの消費電力で比較すると、液晶を含めても一番低いレベルを実現できている。
Q:今回のモニターでデジタル放送を楽しむためには、どうすればよいのか?
A:DVDレコーダーやケーブルテレビのSTBを使用してもらうことを想定している。PDP-5000EXの需要は、国内と海外の比率が1対10程度だが、海外は圧倒的にモニターの需要が高い。
Q:年間の生産台数は?
A:グローバルで年間30,000台以上を出荷する。このうち1/10から1/9が国内向けだ。
Q:今回のワールドカップは薄型テレビ市場にどの程度のインパクトを与えるか?
A:世界中で人気のあるイベントで、大変影響力があると考えている。我々も世界各地でタイアップを仕掛けているところだ。
Q:Blu-ray Discプレーヤーの発売時期について教えて欲しい。
A:北米では今年発売する。ヨーロッパと日本については、現在のところ「検討段階」としか申し上げられない。
(Phile-web編集部)