ロケーションフリーにMac/Pocket PC対応プレーヤーが登場 − さらなる新展開も示唆
ソニー(株)、加賀電子(株)、(株)ACCESSの3社は、ソニー「ロケーションフリー」の体験会を実施。加賀電子はMac対応のプレーヤーの発売を、ACCESSはPocket PC用プレーヤーの開発をそれぞれ発表した。
●「ロケーションフリーワールドをさらに広げる」
体験会の冒頭、挨拶したソニー(株)テレビ・ビデオ事業本部 LFX事業室 事業室長の前田悟氏は、「ロケーションフリーが昨年NET家電大賞を受賞したことで、最近行ったアンケートでは“ロケーションフリー”の認知度が3割程度となった。3月から4月にかけてNTTがテレビCMを打ったので、直近ではさらに認知度が上がったのではないか。多くの方がこのサービスを知ってくれたことで、さらに大きなマーケットに育つのではないか」と期待を表明した。
また、「テレビはHDTV化や薄型化が進んでいるが、これらはテレビ視聴のスタイルを変えるものではない。テレビのパーソナル化を進めたいというのが私の希望だが、これができれば新しいテレビ視聴のスタイルが実現する」と、ロケーションフリーと既存テレビの方向性の違いを指摘した。
ワンセグについては、「よく聞かれることだが、ロケーションフリーとワンセグは、モバイルという方向性は同じだがまったく別のものだ」とし、二つのサービスは競合しないとの認識を示した。「ロケーションフリーはまさしく放送と通信の融合。いまあるアプリケーションで、これらを融合してプラスαをもたらすものがあるか疑問だ。手前味噌だが、ロケーションフリーはこれまでできなかったことを可能にするものだ」。
前田氏は国内の家電メーカーへ苦言も呈し、「日本の家電メーカーは商品企画を大事にしなければ発展はない。あくまで、ユーザーに提供する価値が『目的』で、『手段』はそれを実現するためのもの。目的あっての手段であり、これを逆転してはならない」と強調した。
ロケーションフリーの今後の展開については、「どこからでも、どんな端末からでも、どんなものでも、ロケーションフリーで見られるというのが理想。それには対応端末をどんどん増やしていく必要があるが、ライセンス提供した方が早く、広く商品群を広げられると判断した」と説明。
さらに、「第1弾はMacとPocketPCへの対応だが、ほかにもライセンスを希望しているメーカーがある。近い将来、もっと多くのパートナーと、すごい商品群を発表できると思う」と、サプライズを水面下で進行させていることを示唆。ロケーションフリーをさらに積極的に展開していく考えだ。
●加賀電子のMac用ロケーションフリープレーヤー
加賀電子は、TAXANブランドからMac対応ロケーションフリープレーヤー「TLF-MAC」を6月初旬に発売する。価格はオープンだが3,000円前後での販売が予想される。
同社は4月にロケーションフリーのライセンス提供を受けることを発表していた。
本ソフトをMacにインストールすることで、インターネットを介してロケーションフリー ベースステーション「LF-PK1」に接続、LF-PK1につないだテレビやビデオ機器の映像を再生することができる。なお、1コピーあたりのライセンスは1台のみ。
LF-PK1にもワイヤレスLAN機能が内蔵されているので、家庭内のワイヤレステレビとしてMacを活用することができる。
対応OSはMac OS X(10.2.8以降)で、QuickTime6.4が必要。PowerPC搭載MacとIntel Macに両対応する。いずれの場合もCPUクロックは867MHzが必要。
GUIはWindows用のものとほとんど変わらない。ウィンドウをドック内に最小表示した場合にも動画像を表示できる。また自動レート設定機能も搭載し、レート設定をAutoにすれば、ネットワーク環境に合わせてビットレートを最適化する。
加賀電子(株)グループ事業戦略室 室長の守口英氏は、「当社はアップルが創業したての頃から周辺機器の販売や開発を手がけてきた。近年、アップルはデジタルハブ構想を掲げているが、テレビ機能がなぜか欠けていた。昨年、ソニーさんとロケーションフリーについてお話しさせて頂いた際、Mac用のプレーヤーを作りたいと申し出たところ、その場で快諾頂いた」と開発に至る経緯を説明した。
●ACCESSがPocket PC用プレーヤーを今夏発売開始
(株)ACCESSは、Pocket PC用のプレーヤー「NetFront ロケーションフリープレーヤー(仮称)Pocket PC用」を開発、今夏よりダウンロード販売を開始する。価格は未定。
加賀電子と同様、ACCESSもソニーからロケーションフリーのライセンス提供を受けることを発表していた。
対応OSはMicrosft Pocket PC 2003以降、Windows Mobile 5.0以降。「W-ZERO 3」でも使用できる。対応画面サイズはQVGA/VGA。接続環境はワイヤレスLANまたはイーサネットを推奨する。
MPEG4/AACデコーダーには(株)テクノ マセマティカル社のものを採用した。設定項目は非常にシンプルで、ビットレートやフレームレートは自由に数値を入力して設定できる。自動レート調整機能は現在の試作段階では装備していない。画面は横向きのみ表示可能で、Pocket PCの場合は本体を横にして視聴することになる。また、GUIの作り込みもまだこれからとのこと。
(株)ACCESS 執行役員 技術戦略企画本部 本部長の植松理昌氏は、今後の展開として、「情報家電や携帯電話機メーカーとも親しくしており、これらの機器向けにもプレーヤーを開発していきたい」と意気込む。動画視聴の多様化に対応し、暇なときに見る「ちょい見」、余裕をもって楽しむ「お楽し見」などのコンセプトを製品に反映していく考えも明らかにした。また、ACCESSからソニー以外の各社へサブライセンスや実装支援を行う計画もあるという。
(Phile-web編集部)
●「ロケーションフリーワールドをさらに広げる」
体験会の冒頭、挨拶したソニー(株)テレビ・ビデオ事業本部 LFX事業室 事業室長の前田悟氏は、「ロケーションフリーが昨年NET家電大賞を受賞したことで、最近行ったアンケートでは“ロケーションフリー”の認知度が3割程度となった。3月から4月にかけてNTTがテレビCMを打ったので、直近ではさらに認知度が上がったのではないか。多くの方がこのサービスを知ってくれたことで、さらに大きなマーケットに育つのではないか」と期待を表明した。
また、「テレビはHDTV化や薄型化が進んでいるが、これらはテレビ視聴のスタイルを変えるものではない。テレビのパーソナル化を進めたいというのが私の希望だが、これができれば新しいテレビ視聴のスタイルが実現する」と、ロケーションフリーと既存テレビの方向性の違いを指摘した。
ワンセグについては、「よく聞かれることだが、ロケーションフリーとワンセグは、モバイルという方向性は同じだがまったく別のものだ」とし、二つのサービスは競合しないとの認識を示した。「ロケーションフリーはまさしく放送と通信の融合。いまあるアプリケーションで、これらを融合してプラスαをもたらすものがあるか疑問だ。手前味噌だが、ロケーションフリーはこれまでできなかったことを可能にするものだ」。
前田氏は国内の家電メーカーへ苦言も呈し、「日本の家電メーカーは商品企画を大事にしなければ発展はない。あくまで、ユーザーに提供する価値が『目的』で、『手段』はそれを実現するためのもの。目的あっての手段であり、これを逆転してはならない」と強調した。
ロケーションフリーの今後の展開については、「どこからでも、どんな端末からでも、どんなものでも、ロケーションフリーで見られるというのが理想。それには対応端末をどんどん増やしていく必要があるが、ライセンス提供した方が早く、広く商品群を広げられると判断した」と説明。
さらに、「第1弾はMacとPocketPCへの対応だが、ほかにもライセンスを希望しているメーカーがある。近い将来、もっと多くのパートナーと、すごい商品群を発表できると思う」と、サプライズを水面下で進行させていることを示唆。ロケーションフリーをさらに積極的に展開していく考えだ。
●加賀電子のMac用ロケーションフリープレーヤー
加賀電子は、TAXANブランドからMac対応ロケーションフリープレーヤー「TLF-MAC」を6月初旬に発売する。価格はオープンだが3,000円前後での販売が予想される。
同社は4月にロケーションフリーのライセンス提供を受けることを発表していた。
本ソフトをMacにインストールすることで、インターネットを介してロケーションフリー ベースステーション「LF-PK1」に接続、LF-PK1につないだテレビやビデオ機器の映像を再生することができる。なお、1コピーあたりのライセンスは1台のみ。
LF-PK1にもワイヤレスLAN機能が内蔵されているので、家庭内のワイヤレステレビとしてMacを活用することができる。
対応OSはMac OS X(10.2.8以降)で、QuickTime6.4が必要。PowerPC搭載MacとIntel Macに両対応する。いずれの場合もCPUクロックは867MHzが必要。
GUIはWindows用のものとほとんど変わらない。ウィンドウをドック内に最小表示した場合にも動画像を表示できる。また自動レート設定機能も搭載し、レート設定をAutoにすれば、ネットワーク環境に合わせてビットレートを最適化する。
加賀電子(株)グループ事業戦略室 室長の守口英氏は、「当社はアップルが創業したての頃から周辺機器の販売や開発を手がけてきた。近年、アップルはデジタルハブ構想を掲げているが、テレビ機能がなぜか欠けていた。昨年、ソニーさんとロケーションフリーについてお話しさせて頂いた際、Mac用のプレーヤーを作りたいと申し出たところ、その場で快諾頂いた」と開発に至る経緯を説明した。
●ACCESSがPocket PC用プレーヤーを今夏発売開始
(株)ACCESSは、Pocket PC用のプレーヤー「NetFront ロケーションフリープレーヤー(仮称)Pocket PC用」を開発、今夏よりダウンロード販売を開始する。価格は未定。
加賀電子と同様、ACCESSもソニーからロケーションフリーのライセンス提供を受けることを発表していた。
対応OSはMicrosft Pocket PC 2003以降、Windows Mobile 5.0以降。「W-ZERO 3」でも使用できる。対応画面サイズはQVGA/VGA。接続環境はワイヤレスLANまたはイーサネットを推奨する。
MPEG4/AACデコーダーには(株)テクノ マセマティカル社のものを採用した。設定項目は非常にシンプルで、ビットレートやフレームレートは自由に数値を入力して設定できる。自動レート調整機能は現在の試作段階では装備していない。画面は横向きのみ表示可能で、Pocket PCの場合は本体を横にして視聴することになる。また、GUIの作り込みもまだこれからとのこと。
(株)ACCESS 執行役員 技術戦略企画本部 本部長の植松理昌氏は、今後の展開として、「情報家電や携帯電話機メーカーとも親しくしており、これらの機器向けにもプレーヤーを開発していきたい」と意気込む。動画視聴の多様化に対応し、暇なときに見る「ちょい見」、余裕をもって楽しむ「お楽し見」などのコンセプトを製品に反映していく考えも明らかにした。また、ACCESSからソニー以外の各社へサブライセンスや実装支援を行う計画もあるという。
(Phile-web編集部)