NEC、天文や医療の分野に向けた“スーパー超高感度カメラ”を発売
従来の高感度カメラでは、暗闇で撮影する際、長時間露光により光を蓄積することで感度を上げていたため、動きを伴う被写体は残像が発生し、スムーズな動作を撮影することが困難だった。
本機は、電子増倍機能を持つ撮像素子(Electron Multiplying CCD:EM-CCD)をR・G・Bの3枚搭載することで、シャープな分光特性と、最低被写体照度0.0003ルクス(動画撮影時)を実現。従来のように、蓄積機能を用いることなく暗闇での撮影が出来るため、自然環境下で特有の色や動きを持つオーロラなどの被写体も、鮮明な撮影が可能だ。
また、測光エリア指定機能を搭載。これにより露出のズレが適正化され、狙った被写体の露出をピンポイントで合わせることが出来る。
さらに、多彩な映像調整を可能にしたペインティング機能(ペデスタルレベル、ゲインレベル、ガンマ補正カーブ、彩度のそれぞれを調整する機能)を搭載。リモート制御することもでき、自然観測や天体観測など、カメラが遠隔地に設置されている場合でも利用することが可能だ。
その他、撮影条件に応じて色バランスを自動調整する自動追従ホワイトバランス機能(FAW)や、被写体の明るさに応じて感度を自動調整する自動感度調整機能(ASC)を搭載。動いている被写体を撮影する際の残像を軽減させる、新開発の高性能デジタルノイズリダクション機能や、撮影条件をカメラに記憶しておくシーンファイル機能などもある。また、近赤外線領域の波長帯まで感度を持っているため、医療やバイオなど幅広い分野で使用可能だという。
本機の特長を活かし、「天体・天文系市場」「バイオテクノロジー・医療系市場」、「放送市場」「生態観測系市場」などで積極的に販売展開していくという。
また、NECは、(有)遊造と共同で本機を使用してのオーロラ撮影に成功。遊造は今秋より、本機を使って撮影したオーロラの映像をプラネタリウム、携帯電話、PCなどにリアルタイム配信するサービスを開始する。
(Phile-web編集部)