IFAベルリンショー成功の理由とは? − メッセ・ベルリン社 ハイテッカー氏独占インタビュー
2006年9月1日から6日まで、ドイツの首都ベルリンで開催された「IFA2006」(日本語サイト)は大盛況の後に幕を閉じた。今回はイベントを成功に導いた立役者の一人である、メッセ・ベルリン社インフォメーション・コミュニケーション 統轄本部長のイエンズ・ハイテッカー氏に独占インタビューの機会をいただいた。
CEATEC JAPAN 2006の視察を兼ねて来日したハイテッカー氏に、IFA2006での成果や、来年開催されるIFA2007の計画についてお話をうかがった。
(インタビュー:Phile-web編集部)
Mr. Jens Heithecker
(イエンズ・ハイテッカー氏)
メッセ・ベルリン社
インフォメーション・コミュニケーション 統轄本部 部長
編集部 今年開催されたIFA2006も世界中から注目を浴びるイベントとなりました。出展社数、または来場者数に関する成果をお聞かせ下さい。
ハイテッカー氏 正確な数字の報告については、現在取りまとめを行っていますので少しお待ち下さい。IFAベルリンショーが毎年開催を決定したのは昨年の11月でした。それからたった7・8ヶ月ほどの準備期間しかなかったのにも関わらず、多くの企業の方々から支持をいただき、過去最大の出展社規模を達成したIFA2005の90%の出展数を達成できました。出展社の内訳を見ると、その国際化が前回よりもさらに進んでいることが特徴としてあげられます。一般来場者についても、昨年同様の賑わいをみせ、イベント期間中大勢の人々に足を運んでいただくことができました。
このような成果を残すことができ、IFAというイベントにより業界の発展に貢献できたことこそが、私たち主催者にとって最も誇らしいことだと考えています。
編集部 今年もイベントを取材させていただいて、ブースの配置や会場レイアウトが前回、前々回のイベントよりもさらに洗練され、各ホールが回りやすく、見やすくなっていたことが強く印象に残っています。
ハイテッカー氏 その点については、私が2001年にIFAベルリンショーの責任者として現職に就任して以来、積極的に改革を推し進めてきたことの一つですので、ご指摘をいただいて大変うれしく思います。IFAをより楽しみやすいイベントにしていくためには、運営に関わる各団体の方々と幾度となく検証を重ねてきました。その成果として、「デジタル革命」「国際性」というIFA2006の2つの大きなコンセプトが、展示手法にも進化をもたらすことによって、的確に伝えられたのではないかと感じています。
IFA2005の開催時には、その前のIFA2003よりも出展社数、来場者数について25%という大きな伸びを記録しました。IFA2006においても同様の成功を収めています。IFAの質が高まったことにより、イベントが業界に新しいトレンドを紹介できる場所として世界から認知され、より高い地位を築きあげられたものと確信しています。
編集部 イベント・キャラクターである「MISS IFA」を使ったポスター等の宣伝についても、IFA2005と比べてより柔らかい印象に変わったように感じましたが、その効果はあったのでしょうか。
ハイテッカー氏 今年はMISS IFAに一層の人間味を持たせることを大切にしました。ポスター等のビジュアルについても、製品を背景にテクノロジーの堅苦しいイメージを押し出すのではなく、デジタル機器が私たちの生活にもたらす楽しさや喜びを見た人々に感じてもらうため、温かみのある赤を全面に使ったものにしました。MISS IFAの表情も前回と比べてより豊かになったはずです。その成果として、コミュニケーション・ツールとしてのデジタル機器が持つ側面を充分にアピールでき、IFAに足を運んでいただいた大勢の方々に伝えられたと思っています。
編集部 IFA2006の出展内容についてお伺いします。今年はHDTVを中心とした、魅力ある製品が数多く展示されましたが、ハイテッカーさんが特にご注目された出展内容を教えて下さい。
ハイテッカー氏 今年は各出展企業が、その内容に「イノベーション」を求められたことが大きな特徴だったと思います。結果として、HDTVを中心に優れた製品・技術が各社から展示されたことは明かですが、製品のレベルが上がったことと同時に、その魅力をいかに上手にコンシューマーに伝えていくか、まさに「マーケティング力」の優劣が問われた展示内容だったと感じています。
マーケティング戦略については昨今、企業の持つブランド力、商品力、技術力といった要素を市場の中でさらに高く位置づけていくための重要な要素となっています。IFA2006においても、このようなマーケティングの力を存分に発揮できた、幾つかのブランドに大きな注目が集まったと感じています。
編集部 IFA2006では、残念ながら幾つかの企業が出展を見合わせる結果となりましたが、その背景にはどのような理由があったと考えていますか。またこの課題を出発点として、来年のIFA2007への準備を現在どのように進めていらっしゃいますか。
ハイテッカー氏 確かに、今回IFA2006が毎年開催を決定した後、実際の開催までの準備時間が限られていたこともあり、企業の皆様には難しい条件をご案内することとなり、最終的にイベントに出展いただけなかったケースもありました。ただ、この状況の中で実に多くの企業に出展いただけたこと、あるいは、IFA2006会場にディーラーとプレス向けのブースを急遽出展していただいたメーカーがあったことにはとても感謝しています。今年は出展できなかったが来年のイベントには必ず参加したいと、早くもお申し込みをいただいている企業も数多くあります。
世界的なコンシューマー・エレクトロニクスショーであるIFAは、出展社の皆様に、そのブランドと製品力を世界にアピールし、その存在感を高めていただける最高の場所だと考えていますし、またそのためにIFAは最大限のサポートを提供いたします。IFAを活用することによって、ブランド力、マーケティング力を高めていただきたいと考えています。
IFA2007への準備については、IFA2006が開幕する以前から、もう既に取り組みを始めています。IFA2006の出展社には次回イベントの出展要項をお配りしています。また各社キーパーソンとのコミュニケーションも既に開始し、それぞれがIFAに対して持っている要望や、抱えている課題など話し合いを進めています。これらを取りまとめ、イベントを成功に導いていくことは私の大事な任務の一つだと考えています。
編集部 IFA2007はどんなイベントにしたいと考えていますか。
ハイテッカー氏 一言で言うならば「大きく、モダンで、インターナショナルなメッセ」にすることが目標です。欧州からのディーラーの参加はある程度の数が見込めますが、次回はさらにインターナショナルなエリアからのバイヤーを積極的に呼び込みたいと考えています。そのためには国際的なメディア戦略にも力を入れ、例えば一般誌でIFAを取り上げてもらえるよう働きかけを強めて行きたいと考えています。
また次回のコンセプトについても早期に確定させ、発表したいと考えています。今年に引き続いて「デジタル革命・HDの進化」というテーマを継承し、今あるものの進化を推し進めながら、今度はデジタル革命の周辺機器についても積極的に紹介していきたいと計画しています。メインに位置づけられる機器や技術を取り巻き、つながっていく周辺機器を適切なかたちで見せていくことで、新しいライフスタイルを創造し、IFAならではの提案を打ち出して行きたいと考えています。そのためにはIFAを運営するパートナーたちとの連携を深め、目標を一つ一つ着実にクリアしたいと思います。
〜〜〜次回のIFA2007は2007年8月31日から9月5日の開催を予定している。Phile-webではIFA日本語公式サイトより、イベントの最新情報をお伝えしていく。〜〜〜
(Phile-web編集部)
CEATEC JAPAN 2006の視察を兼ねて来日したハイテッカー氏に、IFA2006での成果や、来年開催されるIFA2007の計画についてお話をうかがった。
(インタビュー:Phile-web編集部)
(イエンズ・ハイテッカー氏)
メッセ・ベルリン社
インフォメーション・コミュニケーション 統轄本部 部長
編集部 今年開催されたIFA2006も世界中から注目を浴びるイベントとなりました。出展社数、または来場者数に関する成果をお聞かせ下さい。
このような成果を残すことができ、IFAというイベントにより業界の発展に貢献できたことこそが、私たち主催者にとって最も誇らしいことだと考えています。
編集部 今年もイベントを取材させていただいて、ブースの配置や会場レイアウトが前回、前々回のイベントよりもさらに洗練され、各ホールが回りやすく、見やすくなっていたことが強く印象に残っています。
ハイテッカー氏 その点については、私が2001年にIFAベルリンショーの責任者として現職に就任して以来、積極的に改革を推し進めてきたことの一つですので、ご指摘をいただいて大変うれしく思います。IFAをより楽しみやすいイベントにしていくためには、運営に関わる各団体の方々と幾度となく検証を重ねてきました。その成果として、「デジタル革命」「国際性」というIFA2006の2つの大きなコンセプトが、展示手法にも進化をもたらすことによって、的確に伝えられたのではないかと感じています。
IFA2005の開催時には、その前のIFA2003よりも出展社数、来場者数について25%という大きな伸びを記録しました。IFA2006においても同様の成功を収めています。IFAの質が高まったことにより、イベントが業界に新しいトレンドを紹介できる場所として世界から認知され、より高い地位を築きあげられたものと確信しています。
編集部 イベント・キャラクターである「MISS IFA」を使ったポスター等の宣伝についても、IFA2005と比べてより柔らかい印象に変わったように感じましたが、その効果はあったのでしょうか。
編集部 IFA2006の出展内容についてお伺いします。今年はHDTVを中心とした、魅力ある製品が数多く展示されましたが、ハイテッカーさんが特にご注目された出展内容を教えて下さい。
ハイテッカー氏 今年は各出展企業が、その内容に「イノベーション」を求められたことが大きな特徴だったと思います。結果として、HDTVを中心に優れた製品・技術が各社から展示されたことは明かですが、製品のレベルが上がったことと同時に、その魅力をいかに上手にコンシューマーに伝えていくか、まさに「マーケティング力」の優劣が問われた展示内容だったと感じています。
編集部 IFA2006では、残念ながら幾つかの企業が出展を見合わせる結果となりましたが、その背景にはどのような理由があったと考えていますか。またこの課題を出発点として、来年のIFA2007への準備を現在どのように進めていらっしゃいますか。
ハイテッカー氏 確かに、今回IFA2006が毎年開催を決定した後、実際の開催までの準備時間が限られていたこともあり、企業の皆様には難しい条件をご案内することとなり、最終的にイベントに出展いただけなかったケースもありました。ただ、この状況の中で実に多くの企業に出展いただけたこと、あるいは、IFA2006会場にディーラーとプレス向けのブースを急遽出展していただいたメーカーがあったことにはとても感謝しています。今年は出展できなかったが来年のイベントには必ず参加したいと、早くもお申し込みをいただいている企業も数多くあります。
世界的なコンシューマー・エレクトロニクスショーであるIFAは、出展社の皆様に、そのブランドと製品力を世界にアピールし、その存在感を高めていただける最高の場所だと考えていますし、またそのためにIFAは最大限のサポートを提供いたします。IFAを活用することによって、ブランド力、マーケティング力を高めていただきたいと考えています。
IFA2007への準備については、IFA2006が開幕する以前から、もう既に取り組みを始めています。IFA2006の出展社には次回イベントの出展要項をお配りしています。また各社キーパーソンとのコミュニケーションも既に開始し、それぞれがIFAに対して持っている要望や、抱えている課題など話し合いを進めています。これらを取りまとめ、イベントを成功に導いていくことは私の大事な任務の一つだと考えています。
編集部 IFA2007はどんなイベントにしたいと考えていますか。
ハイテッカー氏 一言で言うならば「大きく、モダンで、インターナショナルなメッセ」にすることが目標です。欧州からのディーラーの参加はある程度の数が見込めますが、次回はさらにインターナショナルなエリアからのバイヤーを積極的に呼び込みたいと考えています。そのためには国際的なメディア戦略にも力を入れ、例えば一般誌でIFAを取り上げてもらえるよう働きかけを強めて行きたいと考えています。
また次回のコンセプトについても早期に確定させ、発表したいと考えています。今年に引き続いて「デジタル革命・HDの進化」というテーマを継承し、今あるものの進化を推し進めながら、今度はデジタル革命の周辺機器についても積極的に紹介していきたいと計画しています。メインに位置づけられる機器や技術を取り巻き、つながっていく周辺機器を適切なかたちで見せていくことで、新しいライフスタイルを創造し、IFAならではの提案を打ち出して行きたいと考えています。そのためにはIFAを運営するパートナーたちとの連携を深め、目標を一つ一つ着実にクリアしたいと思います。
〜〜〜次回のIFA2007は2007年8月31日から9月5日の開催を予定している。Phile-webではIFA日本語公式サイトより、イベントの最新情報をお伝えしていく。〜〜〜
(Phile-web編集部)