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TA-DA3200ESでデジタルラジオの音質をチェック! 佐藤和俊の「W44S」体験記(下)

公開日 2006/12/22 18:22
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地上デジタルラジオケータイ「W44S」試用レポートの後編をお届けする。今回は、ほかの携帯端末との比較や、W44Sをソニーの最新AVアンプで試聴したりなど、様々な実験を行ってみた。

本題に入る前に、筆者おすすめのダウンロード型コンテンツを紹介しておきたい。深夜にダウンロードされ、通勤や帰宅時等、好きなときに再生できるNNN(日テレ)のダイジェストニュースである。地上波のように、ニュースをリアルタイム視聴するのではなく、ケータイのメモリー領域での再生で、天気や着うたの紹介番組、ケータイの使い方などのプロモーションにも活用されている。

このNNNの専門チャンネルをリアルタイムで楽しめるのがモバHO!だが、W44SをモバHO!端末と比べてみると、W44Sのコンパクトさがわかるはず。お手軽にダイジェストで、ということなら、携帯電話での視聴もなかなか楽しめる。付け加えるなら、モバHO!で聴くことのできるFM802も、ぜひ東京のデジタルラジオで聴きたいものだ。

日テレのダイジェストニュースをダウンロード

モバHO!端末と比較するとやはりケータイは小さい

筆者はW44Sが届いてからすぐに、壁紙をLISMOのものに設定したが、朝日新聞のニュースなどがティッカーで表示されるなど、細部まで自分流を演出できる本機のつくり込みに感心した。また、

●プロモーション映像の画質はワンセグに迫るクオリティ

写真は、TOKYO FMが配信している音楽プロモーション番組の画面だが、その画質はワンセグの水準にせまるものだ。

ワンセグをW44SとAQUOSケータイでチェック

現在のワンセグの運用では、H.264フォーマットで256bps程度の番組が多いが、デジタルラジオは少し転送レートが高い感じもする。W44Sしかデジタルラジオのケータイはないので、ワンセグの映像と比較するしかないのだが、3インチの大きさでこの画質であれば、かなりのリアリティーと言って良いだろう。

メモリーカードがメモリースティックなので、1GB程度以上のものを試用すれば、PSP用に収録した音楽やMPEG4の映像も快適に楽しめる。ただし、フォーマットをケータイ向けにアレンジする手間が必要になるが。画面がこれだけ大きいとPSPのライバルとなるかもしれない、と感じる。

●ソニー「TA-DA3200ES」でデジタルラジオを聞く

音質についても検証してみよう。まず、本体スピーカーの音量が大きく、本機だけで驚くほどの迫力の音声が楽しめる。ダイナミックレンジもなかなかのもの。ちなみに、東芝製ハードディスク内蔵のau機種と比べても、その音質のよさは秀でたものがある。

東芝製のauケータイと音質を比較した

TA-DA3200ESと接続して音質をくわしくチェック

もっと詳細に本機のの音質を確かめるべく、購入したばかりのソニー「TA-DA3200ES」にアナログ入力してみた。付属のケーブルからミニジャック-RCAピンケーブルを差込み、その音質をチェック。3200ESのトーン調整で高域を少し落とせば普通に聴く事ができる品位だったのにはちょっと驚いた。


デジタルラジオをMac miniを経由してiPod Shuffleに転送
では、iPod Shuffle にアナログ音声で地ラジを転送するとどんな感じなのだろうか? 苦肉の策でMac miniのアナログ音声入力と本機付属のミニジャックをイヤホンケーブルで結ぶ。そして、Mac上のソフトウエアでAACにエンコードした上で、iTunesに転送してみた。 再生にはJBLのヘッドホン使用した。デジタルラジオをエアチェックしたものだということを説明しなければ、誰もが何の疑問ももたず、ダウンロードした、あるいはCDからリッピングした楽曲だと感じるはず。このあたりは、往年のエアチェックマニアなど、団塊世代にもぜひ挑戦していただきたいテーマだ。

実験を通してデジタルラジオの品位の高さを実感したわけだが、今春からは、TBSラジオがここにクラシック専門のチャンネルをたてる企画もあるという。PCM、いや、TSのままでもいいのでデジタル出力が出せれば言うことはないが、著作権上大変なのかもしれない。ちなみに、アナログ音声にはコピープロテクトはない。また、録音や録画をメモリースティックなどに行うことはできない構造になっている。

●紅白歌合戦の投票がワンセグで行える


紅白歌合戦にワンセグで参加しよう
最後に、ケータイといえば、大晦日・紅白歌合戦では「ワンセグ審査員」もまだ募集している。ワンセグで視聴しながら投票するものだ。メールニュースで毎日、紅白情報をチェックしている筆者だが、テレビ番組やラジオ番組に、新しいコンテンツ表現や楽しみが生まれようとしていることが実感できる。

今後は、車載型のデジタルラジオチューナーも出てくるだろう。VHF波の特性を生かしてアンテナの設置をしたいところだ。では、よいお年をお迎え下さい。

(放送アナリスト・佐藤和俊)

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