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海外CMが面白い! 薄型テレビ編 − 国内CMとの比較で浮き彫りになるイメージ戦略の違い

公開日 2006/12/26 09:50
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この秋冬、薄型テレビ各社のテレビCM攻勢は目覚ましいものがあった。国内ではタレントを前面に打ち出し、そのイメージを媒介にして商品の魅力を伝えるものが多いが、YouTubeで世界の薄型テレビCMを調べてみたら、やはりと言うべきか、抽象的な表現でブランドイメージをアーティスティックに表現しているものが目立つ。

色彩表現をダイナミックに表現するもの、ありえない設定で商品の際立った能力を表現するものなど、各社のアプローチの仕方は様々で、日本のテレビCMに慣れた目にはかなり新鮮に映る。また、商品自体の露出時間を極めて短くしてストーリーを前面に打ち出し、イメージ優先の構成としている点も特徴的だ。

代表的なものをいくつかご紹介しよう。

●ソニー BRAVIA


国内では「感動には色がある」をテーマにCM展開を図っているソニー。海外でも色を強調するのは同様だが、ソニーヨーロッパが制作したCMは、そのコンセプトをさらにダイナミックに表現している。様々な色の噴水がビルや地面から立ち昇り、町中を色で染め上げていく。最後にはビルから爆発するようにペンキがまき散らされる。派手な映像だからか、この動画の人気はかなり高く、数万件のビューを記録している。また、このCMはCGではなく実写で制作したようで、YouTubeにはメイキング動画も公開されている。途中までBRAVIAの文字は一切出ず、終盤で「Colour」とだけ表示されるキャッチコピーも印象的。なお、公式サイトには、ペンキをぶつけるゲームも用意されている。

●日立 Wooo


日立製作所のCMは、ソニーとは打って変わって、黒、白、赤だけを使ったシンプルな色づかい。スタイリッシュなイメージを強調している。ホワイトパンサー(?)に引っ張られる、赤いドレスを着た貴婦人。そのリードは宝石で装飾されている。最後にはパンサーと宝石が薄型テレビから飛び出してくる、という内容。パンサーと貴婦人という取り合わせはナゾだが、全体的に同社製プラズマのプレミアム感をうまく表現している。

●シャープ AQUOS


AQUOSは、同社製品の解像力の高さ、臨場感をコメディタッチで表現。はじめにゴルフ番組らしき映像が表示される。打ち損じたボールがラフの間に紛れてしまい、プレーヤーがそれを探して右往左往している。それを見ているリビングや街頭の人々が、「ここにある」とばかりにテレビに駆け寄り、ボールの在りかを指で示しながらテレビに語りかける。テレビが高性能だから現実との垣根が曖昧になってしまう、というメッセージをダイレクトに表現していて好感が持てる。

●パナソニック VIERA


最もストーリー性を感じさせるのがこのVIERAのCM。ゆったりした時間が流れる中南米の町。中年の男性や仕事帰りと思われる若い女性、午睡にまどろむテンガロンハットの男、物思いにふける老女、自転車に乗る少年など、様々な人物が短いカット割りで紹介される。と、少年の手にひとひらの白い物体が舞い降りる。それが雪であることに気づいた人々は大騒ぎになり、冒頭に登場した登場人物の堅い表情はほどけ、町中が歓喜の表情に満たされる…。最後に「You're never seen anything like that.」というコピーで締めくくられる。ありえない設定を使って、うまく商品の能力を表現した作品だ。

(Phile-web編集部)

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