<CES2007>ビル・ゲイツが基調講演でVistaとXbox360の未来を語る
CESの開会を前日に控えた7日夜、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏が登壇、基調講演をおこなった。家庭用のWindows Vistaが発売間近ということもあって注目度は極めて高く、開場1時間前からプレス関係者が長蛇の列をつくっていた。
●Windows Vistaの魅力を再認識
冒頭でゲイツ氏はデジタルライフスタイルの現状を解説、「Connected Experience」の重要性を強調した。すっかり普及したデジタルカメラ、高精細の大画面テレビ、オンラインで届くようになったハイビジョンコンテンツや音楽コンテンツ。これらはそれぞれがひとつのエレメントに過ぎず、それを美しくかつ使いやすく統合することではじめて新しいライフスタイルを生み出されるという視点が重要である、というのがその骨子だ。そこであらためて、Windows Vistaがもたらすデジタルエンターテインメントの世界が紹介された。ここでプレゼンターがJustin Hutchinson氏に一時交代。
このデモンストレーションのなかでは、Windows Vistaの新たなフィーチャーがいくつか公開された。
なかでも来場者から喝采がおこったのは、Windows Vista Liveによって実現されるMicrosoft Virtual Earthのデモ。単純に2次元のマップをスクロールして見るというのではなく、ラスベガスの街並みを再現した美しい3D映像を縦横無尽に飛行する感覚で視点を移動させられるうえ、これに地域のお店の情報や渋滞情報がリアルタイムで反映されるようになるという。
また、ユニークな画像補正機能も明らかにされた。集合写真を撮った後、パソコンで画像を整理していたら、せっかくみんながイイ表情なのにひとりだけ目をつぶってしまっている惜しいカットがあった…という体験をされた方は少なくないだろう。これをなんと2枚の写真のそれぞれおいしいところだけを取り出して、1枚の写真にしてしまうという機能が搭載されるというのだ。実際に使用するとどうなるのだろうか? ぜひ試してみたい機能のひとつだ。
そしてデモの終了後、ふたたびビル・ゲイツ氏が登壇。こうした革新的な機能を備えたWindows Vistaがパートナー企業によって、美しく機能的なハードウェアをまとって登場することに感謝の意を述べつつ、そのラインナップの一部を公開した。なかでも初披露となって注目を集めたのがHPとのコラボレーションで生まれたWindows HomeServer。どのようなかたちで導入されるのか、具体的な販売戦略は明らかにされなかったが、本機については引き続き、詳細を探っていきたい。
●マイクロソフトが描く新しいデジタルエンターテインメントの世界
Windows Vistaのデモ後には「Connected Entertainment」の実例として、マイクロソフトのゲーム事業への取り組みが紹介された。ここでプレゼンターは社長のRobbieBach氏に交代。
Xbox 360はこれまでに37ヶ国で1040万セットを販売、160タイトルにおよぶハイビジョン対応のゲームソフトを市場に送り出したとして、あらためて事業の成功を高らかに宣言した。加えて、Xbox 360はHD DVDプレーヤーの機能も備えているので、映画を高画質でもっとたくさん楽しみたい方に最適な選択肢となっていると強調した。
続くデモでは、おもにXbox Liveについて解説がおこなわれた。これはXboxを用いたオンラインサービスで、すでに会員は500万人に達しているという。写真のとおり、映画もお手軽価格とかんたん操作で、気軽にダウンロードして楽しめることや、テレビの見方まで変えてしまうようなGUIデザインの魅力をアピールした。
なお、ゲームファンにお馴染みのアクションゲーム「Halo」シリーズの第三作が2007年にXboxで発売されることも、デモのなかで明らかにされた。
さらに、この後でビル・ゲイツ氏がふたたび登壇。世界的な自動車メーカー、フォードとの技術提携というトピックも発表された。具体的な事業の詳細については触れられなかったが、フォードのMark Fields氏もプレゼンテーションに登場して、この共同技術開発に対する期待を述べた。Fields氏はデジタルミュージックプレーヤーや携帯電話などをクルマと完全に統合させた新しいエンターテインメントシステムが生まれるという構想を披露、カーライフをよりパーソナライズされた快適なものとするために、このコラボレーションが有意義なものであることを強調した。マイクロソフトがカーオーディオの分野にどのように関わってくるのか、2007年は注目しておく必要があるだろう。
そして最後に「Connected Home of Future」と題して、ビル・ゲイツ氏が自らマイクロソフトが描く近未来のデジタルライフスタイルを実演してみせた。「バスの停留所で地域情報を呼び出してレストランの予約をする」という設定、「キッチンの調理台がコンピューターのディスプレイになって料理をサポートしてくれる(操作には音声認識を利用)」という設定、さらには「部屋の壁紙をパソコンの壁紙のようにしてしまう」という設定などを披露。ゲイツ氏の奮闘ぶりに、会場から笑いと拍手が起こった。
かくして盛りだくさんのキーノート・スピーチが終了。1時間半あまりのなかに、内容がぎっしりと詰まった充実の講演だった。
さあ、明日からはいよいよ会場に繰り出そう。
(ホームシアターファイル編集部 平野)
ces2007
●Windows Vistaの魅力を再認識
冒頭でゲイツ氏はデジタルライフスタイルの現状を解説、「Connected Experience」の重要性を強調した。すっかり普及したデジタルカメラ、高精細の大画面テレビ、オンラインで届くようになったハイビジョンコンテンツや音楽コンテンツ。これらはそれぞれがひとつのエレメントに過ぎず、それを美しくかつ使いやすく統合することではじめて新しいライフスタイルを生み出されるという視点が重要である、というのがその骨子だ。そこであらためて、Windows Vistaがもたらすデジタルエンターテインメントの世界が紹介された。ここでプレゼンターがJustin Hutchinson氏に一時交代。
このデモンストレーションのなかでは、Windows Vistaの新たなフィーチャーがいくつか公開された。
なかでも来場者から喝采がおこったのは、Windows Vista Liveによって実現されるMicrosoft Virtual Earthのデモ。単純に2次元のマップをスクロールして見るというのではなく、ラスベガスの街並みを再現した美しい3D映像を縦横無尽に飛行する感覚で視点を移動させられるうえ、これに地域のお店の情報や渋滞情報がリアルタイムで反映されるようになるという。
また、ユニークな画像補正機能も明らかにされた。集合写真を撮った後、パソコンで画像を整理していたら、せっかくみんながイイ表情なのにひとりだけ目をつぶってしまっている惜しいカットがあった…という体験をされた方は少なくないだろう。これをなんと2枚の写真のそれぞれおいしいところだけを取り出して、1枚の写真にしてしまうという機能が搭載されるというのだ。実際に使用するとどうなるのだろうか? ぜひ試してみたい機能のひとつだ。
そしてデモの終了後、ふたたびビル・ゲイツ氏が登壇。こうした革新的な機能を備えたWindows Vistaがパートナー企業によって、美しく機能的なハードウェアをまとって登場することに感謝の意を述べつつ、そのラインナップの一部を公開した。なかでも初披露となって注目を集めたのがHPとのコラボレーションで生まれたWindows HomeServer。どのようなかたちで導入されるのか、具体的な販売戦略は明らかにされなかったが、本機については引き続き、詳細を探っていきたい。
●マイクロソフトが描く新しいデジタルエンターテインメントの世界
Windows Vistaのデモ後には「Connected Entertainment」の実例として、マイクロソフトのゲーム事業への取り組みが紹介された。ここでプレゼンターは社長のRobbieBach氏に交代。
Xbox 360はこれまでに37ヶ国で1040万セットを販売、160タイトルにおよぶハイビジョン対応のゲームソフトを市場に送り出したとして、あらためて事業の成功を高らかに宣言した。加えて、Xbox 360はHD DVDプレーヤーの機能も備えているので、映画を高画質でもっとたくさん楽しみたい方に最適な選択肢となっていると強調した。
続くデモでは、おもにXbox Liveについて解説がおこなわれた。これはXboxを用いたオンラインサービスで、すでに会員は500万人に達しているという。写真のとおり、映画もお手軽価格とかんたん操作で、気軽にダウンロードして楽しめることや、テレビの見方まで変えてしまうようなGUIデザインの魅力をアピールした。
なお、ゲームファンにお馴染みのアクションゲーム「Halo」シリーズの第三作が2007年にXboxで発売されることも、デモのなかで明らかにされた。
さらに、この後でビル・ゲイツ氏がふたたび登壇。世界的な自動車メーカー、フォードとの技術提携というトピックも発表された。具体的な事業の詳細については触れられなかったが、フォードのMark Fields氏もプレゼンテーションに登場して、この共同技術開発に対する期待を述べた。Fields氏はデジタルミュージックプレーヤーや携帯電話などをクルマと完全に統合させた新しいエンターテインメントシステムが生まれるという構想を披露、カーライフをよりパーソナライズされた快適なものとするために、このコラボレーションが有意義なものであることを強調した。マイクロソフトがカーオーディオの分野にどのように関わってくるのか、2007年は注目しておく必要があるだろう。
そして最後に「Connected Home of Future」と題して、ビル・ゲイツ氏が自らマイクロソフトが描く近未来のデジタルライフスタイルを実演してみせた。「バスの停留所で地域情報を呼び出してレストランの予約をする」という設定、「キッチンの調理台がコンピューターのディスプレイになって料理をサポートしてくれる(操作には音声認識を利用)」という設定、さらには「部屋の壁紙をパソコンの壁紙のようにしてしまう」という設定などを披露。ゲイツ氏の奮闘ぶりに、会場から笑いと拍手が起こった。
かくして盛りだくさんのキーノート・スピーチが終了。1時間半あまりのなかに、内容がぎっしりと詰まった充実の講演だった。
さあ、明日からはいよいよ会場に繰り出そう。
(ホームシアターファイル編集部 平野)
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