パナソニック、ミラーレスで超小型化を実現した新型LUMIX「DMC-G1」を発売
松下電器産業(株)は、デジタル一眼レフカメラシステムの新規格「マイクロフォーサーズシステム」に準拠したミラーレスのデジタル一眼カメラ“LUMIX”「DMC-G1」を10月31日より発売する。ボディー単体と2種類のレンズキットが同時発売され、価格は下記の通り。
・ボディ単体:DMC-G1(コンフォートブラック) ¥OPEN(予想実売価格8万円前後)
・レンズキット:DMC-G1K(コンフォートブラック/コンフォートレッド/コンフォートブルー) ¥OPEN(予想実売価格9万円前後)
・ダブルズームレンズキット:DMC-G1W(コンフォートブラック/コンフォートレッド/コンフォートブルー) ¥OPEN(予想実売価格9万5千円前後)
「マイクロフォーサーズシステム規格」は、同社とオリンパスイメージング(株)とが共同で開発したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの専用規格。ボディサイズやレンズの大幅な小型化を実現できるというもので、8月5日に発表が行われていた(関連ニュース)。
「DMC-G1」は、同規格に準拠した新世代のデジタル一眼カメラ。従来の一眼レフで小型化の障壁となっていたミラーを取り払ったことにより、ペットボトル飲料よりも軽い385g(※ボディ単体)という軽さと小ささを実現した。また、デジタル一眼としては初めてボディー色に「コンフォートブルー」と「コンフォートレッド」というカラーバリエーションを投入。ただし、ボディー単体では「コンフォートブラック」のみの販売となる。
本日開催された発表会には、同社代表取締役副社長の牛丸俊三氏と、パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニット ビジネスユニット長の松本時和氏が出席。本機についての説明を行った。
■「デジカメ業界には新しい波が必要」
最初に登壇した牛丸氏は、デジタルカメラ市場全体と同社の取り組みついてコメント。フィルムカメラとデジタルカメラの市場が2001年に逆転したこと、そしてそれを境に市場が大きく変わったことに言及し「最後発である我が社は他社に追従しても勝てない。デジカメに興味を示さなかった層の取り込みのために様々な機種を投入してきた」と、他社と違ったアプローチで戦ってきたことを説明した。
牛丸氏は席上で、動く被写体を追いかけて焦点を合わせる「追っかけフォーカス」など新機能を次々と投入して市場拡大に貢献してきたことや、コンパクト機「DMC-FX35」が25週連続シェアNo.1を獲得したことなど、同社の功績をアピール。しかし、買い換えや買い増しが70%以上となっている市場動向に触れ「このままでは市場が頭打ちになる」と危機感を持っていることも表明した。
続いて牛丸氏は「特に、デジタル一眼は男性ユーザーが中心の市場。だが、これまでのデジタル一眼は単純にフィルムカメラをデジタル化してきたに過ぎなかった。大型で重く、操作も難しいため、普及も頭打ちで男性中心の市場から踏み出せなかった。一方、コンパクト機のユーザーの中には物足りなさを感じている方も増えている。そこでパナソニックでは、デジタル一眼の新しい市場を創造する新世代のデジタル一眼を提案する」とコメント。「業界全体を引き上げるためにも新しい波が必要だ」と力強く語り、新製品をお披露目した。
■ファインダーと液晶モニターによる「ダブルビューファインダー」
「DMC-G1」の技術的な特徴については、主に松本氏が解説。「“新世代一眼を創造する”を合い言葉に開発に当たってきた」とコメントした後に細かな特徴について言及した。
「DMC-G1」の最大の特徴は、なんといってもその小ささ。マイクロフォーサーズ規格準拠のミラーレス構造を採用したことにより、124W×83.6H×45.2Dmmという、レンズ交換式デジタルカメラとして世界最小クラスのサイズを実現した。なお、従来のミラーボックスで担っていた測光・測距は、撮像センサーで受けた情報をダイレクトで読み取ることで行い、AFはコントラストAF方式を採用している。また、撮像素子のサイズはそのままにフランジバックを約20mmへと大幅に短縮。レンズの小型化にも貢献している。
ファインダーにはプロユースレベルの144万ドット相当の「ライブビューファインダー」を搭載。ファインダーには、カラーフィルターを用いずRGB3原色を180Hzで駆動する「フィールドシーケンシャル方式」を採用。これにより高い解像度と広い色再現域に加え、快適なフレーミングを実現した。
また、3.0V型(アスペクト比3対2)、46万ドットの広視野角液晶を搭載。可動式の液晶を確認しながらの撮影も可能だ。さらに、アイセンサーを搭載しているため、ファインダーをのぞき込むだけで液晶からファインダーへと切り替わる。ファインダーと液晶モニター双方で視野率約100%を実現している点もポイントだ。
松本氏は「我々が最もこだわったのがこのダブルライブビューだ」とコメント。「コンパクト機からステップアップするユーザーにとっては、液晶モニターを使っての撮影も大きなポイントとなる。本機ではライブビューによってコンパクト機とシームレスな操作性を実現した」と、より広い層を狙って開発された製品であることも強調した。
さらに、ライブビューにはモニターを見ながら色の調整が可能な「マイカラーモード」、撮影したい写真のイメージに合わせて個性の異なるフィルムを使い分ける銀塩カメラのような感覚で撮影できる9種類のフィルムモード、そして微調整の可能な2軸ホワイトバランス設定機能を搭載。初心者やフィルムカメラユーザーなど様々なユーザーのニーズに対応している。
撮像部には、新開発の4/3型1210万画素「Live MOSセンサー」を搭載。同センサーは、広いダイナミックレンジと豊かな階調性というCCDの特徴と、CMOSの低消費電力性能を併せ持つもの。低ノイズプロセスの開発や、ノイズ低減回路の導入、そして基板表面に発生するノイズの影響を受けにくい構造を採用したことなどにより、鮮明でクリアな撮影を可能にしたという。
画像処理LSIには「ヴィーナスエンジンHD」を採用。色ノイズと輝度ノイズを別々に検知し、画質上特に問題となる色ノイズを選択的に減少させるノイズリダクション回路を新開発したこと、そして原色CCDのレッドやブルーからも輝度信号を生成処理して斜め方向の解像度を向上させたことなどにより高画質を実現した。また、被写体の動きと明るさに応じて最適なISO感度とシャッタースピードを自動的に設定する「インテリジェントISO感度コントール」も実現させている。
ゴミやホコリへの対策として「スーパーソニックウェーブフィルター」を新たに開発。毎秒5万回の超音波振動によりホコリなどを瞬時に取り払う。
HDMI出力端子を搭載しているのも特徴のひとつ。ビエラリンクにも対応しており、テレビの大画面で高画質なスライドショーが楽しめる。
■交換レンズのラインナップは順次拡大予定
レンズキットには、同社の光学技術に基づいて開発された「LUMIX Gレンズ」を本体に同梱。標準レンズの「LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA OIS.」と、望遠ズームレンズの「LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA OIS.」共に光学式手ブレ補正機構を搭載。35mm判換算での焦点距離は標準レンズが28mm〜90mm、望遠ズームレンズが90mm〜400mmとなる。
また、松本氏は交換レンズについて「レンズ交換はシステムカメラの最大の楽しみといっても過言ではない。しかし、昨今のエントリー一眼ではその楽しみが薄れているのではないか」とコメント。そうした状況を改善するため、2009年中に特性の異なる3本の交換レンズを発売することや、その後も順次ラインナップを拡大させていくことを明かした。
最後に、松本氏は「型番の“G”は新世代を表す“ジェネレーション”を意味している。今後も新世代という言葉にふさわしい製品を開発していく」と意気込みを述べ会見を締めくくった。
■宣伝キャラクターに樋口可南子さんら「女流一眼隊」を起用
会見では、同製品の宣伝キャラクターに女優の樋口可南子さんを始めとした「女流一眼隊」を起用することも発表された。メンバーは樋口さんのほかに女優の鳥居かほりさん、ソプラノ歌手の鈴木慶江さん、モデルの高橋まりのさんと森本美和さんの4人。同社では、「DMC-G1」のターゲットをコンパクト機からのステップアップを考えている女性に設定しており、そのために20代から40代まで幅広い年齢層で「女流一眼隊」を結成したのだという。
会見で本機について第一印象を尋ねられた樋口さんは「持ちやすいし、軽くてとてもカワイイので持ち歩いても嬉しくなる」とコメント。10月から放送予定のCMについても「コミカルかつキレイなコマーシャルにできあがっている」と説明した後、「写真を撮影する女性の方が多くいらっしゃるので、特に女性の方にこのカメラを使ってもらいたい」と製品をアピールした。
(Phile-web編集部)
・ボディ単体:DMC-G1(コンフォートブラック) ¥OPEN(予想実売価格8万円前後)
・レンズキット:DMC-G1K(コンフォートブラック/コンフォートレッド/コンフォートブルー) ¥OPEN(予想実売価格9万円前後)
・ダブルズームレンズキット:DMC-G1W(コンフォートブラック/コンフォートレッド/コンフォートブルー) ¥OPEN(予想実売価格9万5千円前後)
「マイクロフォーサーズシステム規格」は、同社とオリンパスイメージング(株)とが共同で開発したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラシステムの専用規格。ボディサイズやレンズの大幅な小型化を実現できるというもので、8月5日に発表が行われていた(関連ニュース)。
「DMC-G1」は、同規格に準拠した新世代のデジタル一眼カメラ。従来の一眼レフで小型化の障壁となっていたミラーを取り払ったことにより、ペットボトル飲料よりも軽い385g(※ボディ単体)という軽さと小ささを実現した。また、デジタル一眼としては初めてボディー色に「コンフォートブルー」と「コンフォートレッド」というカラーバリエーションを投入。ただし、ボディー単体では「コンフォートブラック」のみの販売となる。
本日開催された発表会には、同社代表取締役副社長の牛丸俊三氏と、パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニット ビジネスユニット長の松本時和氏が出席。本機についての説明を行った。
■「デジカメ業界には新しい波が必要」
最初に登壇した牛丸氏は、デジタルカメラ市場全体と同社の取り組みついてコメント。フィルムカメラとデジタルカメラの市場が2001年に逆転したこと、そしてそれを境に市場が大きく変わったことに言及し「最後発である我が社は他社に追従しても勝てない。デジカメに興味を示さなかった層の取り込みのために様々な機種を投入してきた」と、他社と違ったアプローチで戦ってきたことを説明した。
牛丸氏は席上で、動く被写体を追いかけて焦点を合わせる「追っかけフォーカス」など新機能を次々と投入して市場拡大に貢献してきたことや、コンパクト機「DMC-FX35」が25週連続シェアNo.1を獲得したことなど、同社の功績をアピール。しかし、買い換えや買い増しが70%以上となっている市場動向に触れ「このままでは市場が頭打ちになる」と危機感を持っていることも表明した。
続いて牛丸氏は「特に、デジタル一眼は男性ユーザーが中心の市場。だが、これまでのデジタル一眼は単純にフィルムカメラをデジタル化してきたに過ぎなかった。大型で重く、操作も難しいため、普及も頭打ちで男性中心の市場から踏み出せなかった。一方、コンパクト機のユーザーの中には物足りなさを感じている方も増えている。そこでパナソニックでは、デジタル一眼の新しい市場を創造する新世代のデジタル一眼を提案する」とコメント。「業界全体を引き上げるためにも新しい波が必要だ」と力強く語り、新製品をお披露目した。
■ファインダーと液晶モニターによる「ダブルビューファインダー」
「DMC-G1」の技術的な特徴については、主に松本氏が解説。「“新世代一眼を創造する”を合い言葉に開発に当たってきた」とコメントした後に細かな特徴について言及した。
「DMC-G1」の最大の特徴は、なんといってもその小ささ。マイクロフォーサーズ規格準拠のミラーレス構造を採用したことにより、124W×83.6H×45.2Dmmという、レンズ交換式デジタルカメラとして世界最小クラスのサイズを実現した。なお、従来のミラーボックスで担っていた測光・測距は、撮像センサーで受けた情報をダイレクトで読み取ることで行い、AFはコントラストAF方式を採用している。また、撮像素子のサイズはそのままにフランジバックを約20mmへと大幅に短縮。レンズの小型化にも貢献している。
ファインダーにはプロユースレベルの144万ドット相当の「ライブビューファインダー」を搭載。ファインダーには、カラーフィルターを用いずRGB3原色を180Hzで駆動する「フィールドシーケンシャル方式」を採用。これにより高い解像度と広い色再現域に加え、快適なフレーミングを実現した。
また、3.0V型(アスペクト比3対2)、46万ドットの広視野角液晶を搭載。可動式の液晶を確認しながらの撮影も可能だ。さらに、アイセンサーを搭載しているため、ファインダーをのぞき込むだけで液晶からファインダーへと切り替わる。ファインダーと液晶モニター双方で視野率約100%を実現している点もポイントだ。
松本氏は「我々が最もこだわったのがこのダブルライブビューだ」とコメント。「コンパクト機からステップアップするユーザーにとっては、液晶モニターを使っての撮影も大きなポイントとなる。本機ではライブビューによってコンパクト機とシームレスな操作性を実現した」と、より広い層を狙って開発された製品であることも強調した。
さらに、ライブビューにはモニターを見ながら色の調整が可能な「マイカラーモード」、撮影したい写真のイメージに合わせて個性の異なるフィルムを使い分ける銀塩カメラのような感覚で撮影できる9種類のフィルムモード、そして微調整の可能な2軸ホワイトバランス設定機能を搭載。初心者やフィルムカメラユーザーなど様々なユーザーのニーズに対応している。
撮像部には、新開発の4/3型1210万画素「Live MOSセンサー」を搭載。同センサーは、広いダイナミックレンジと豊かな階調性というCCDの特徴と、CMOSの低消費電力性能を併せ持つもの。低ノイズプロセスの開発や、ノイズ低減回路の導入、そして基板表面に発生するノイズの影響を受けにくい構造を採用したことなどにより、鮮明でクリアな撮影を可能にしたという。
画像処理LSIには「ヴィーナスエンジンHD」を採用。色ノイズと輝度ノイズを別々に検知し、画質上特に問題となる色ノイズを選択的に減少させるノイズリダクション回路を新開発したこと、そして原色CCDのレッドやブルーからも輝度信号を生成処理して斜め方向の解像度を向上させたことなどにより高画質を実現した。また、被写体の動きと明るさに応じて最適なISO感度とシャッタースピードを自動的に設定する「インテリジェントISO感度コントール」も実現させている。
ゴミやホコリへの対策として「スーパーソニックウェーブフィルター」を新たに開発。毎秒5万回の超音波振動によりホコリなどを瞬時に取り払う。
HDMI出力端子を搭載しているのも特徴のひとつ。ビエラリンクにも対応しており、テレビの大画面で高画質なスライドショーが楽しめる。
■交換レンズのラインナップは順次拡大予定
レンズキットには、同社の光学技術に基づいて開発された「LUMIX Gレンズ」を本体に同梱。標準レンズの「LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA OIS.」と、望遠ズームレンズの「LUMIX G VARIO 45-200mm/F4.0-5.6 ASPH./MEGA OIS.」共に光学式手ブレ補正機構を搭載。35mm判換算での焦点距離は標準レンズが28mm〜90mm、望遠ズームレンズが90mm〜400mmとなる。
また、松本氏は交換レンズについて「レンズ交換はシステムカメラの最大の楽しみといっても過言ではない。しかし、昨今のエントリー一眼ではその楽しみが薄れているのではないか」とコメント。そうした状況を改善するため、2009年中に特性の異なる3本の交換レンズを発売することや、その後も順次ラインナップを拡大させていくことを明かした。
最後に、松本氏は「型番の“G”は新世代を表す“ジェネレーション”を意味している。今後も新世代という言葉にふさわしい製品を開発していく」と意気込みを述べ会見を締めくくった。
■宣伝キャラクターに樋口可南子さんら「女流一眼隊」を起用
会見では、同製品の宣伝キャラクターに女優の樋口可南子さんを始めとした「女流一眼隊」を起用することも発表された。メンバーは樋口さんのほかに女優の鳥居かほりさん、ソプラノ歌手の鈴木慶江さん、モデルの高橋まりのさんと森本美和さんの4人。同社では、「DMC-G1」のターゲットをコンパクト機からのステップアップを考えている女性に設定しており、そのために20代から40代まで幅広い年齢層で「女流一眼隊」を結成したのだという。
会見で本機について第一印象を尋ねられた樋口さんは「持ちやすいし、軽くてとてもカワイイので持ち歩いても嬉しくなる」とコメント。10月から放送予定のCMについても「コミカルかつキレイなコマーシャルにできあがっている」と説明した後、「写真を撮影する女性の方が多くいらっしゃるので、特に女性の方にこのカメラを使ってもらいたい」と製品をアピールした。
(Phile-web編集部)
関連リンク
- ブランドPANASONIC
- 型番DMC-G1
- 発売日2008年10月31日
- 価格¥OPEN(予想実売価格80,000円)
【SPEC】●カメラ有効画素数:1210万画素 ●レンズマウント:マイクロフォーサーズマウント ●撮像素子:4/3型 総画素数 1306万画素 Live MOS センサー ●記録メディア:SDHCメモリーカード/SDメモリーカード/マルチメディアカード ●外形寸法:124W×83.6H×45.2Dmm(突起部を除く) ●質量:約385g(本体)