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【Display2010】「人に優しい3D」のために − 安全性を確保するガイドラインを作成

公開日 2010/04/19 16:45 ファイル・ウェブ編集部
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4月14日から16日まで開催されたファインテック・ジャパンでは、多数の専門セミナーが行われた。本項ではそのなかから「いよいよ本格到来!3Dディスプレイ技術総論」と題されたセミナーをレポートする。こちらにはパナソニックの川島正裕氏らが出席し、3Dの最新動向についてレクチャーした。

■「40V型以上、4倍速駆動対応、LEDバックライトモデル」が今後の標準か


ふじわらロスチャイルドリミテッド 松本郁夫氏
まずふじわらロスチャイルドリミテッドのエグゼクティブディレクター、松本郁夫氏が3D民生市場の動向と将来について展望。「3Dが普及するには、アプリケーションを核に、コンテンツが潤沢に作られ、広められることがまず必要。2Dとの互換性を持つ機器の存在や、安全性の確保も課題となる」と提言する松本氏。

3D普及のためには互換性や充実したコンテンツ、安全性などが重要と指摘

特に民生用3D機器については、「安全」が核になると説明した

「これまで何度か3Dブームがあったが、普及に至らなかったのはコンテンツ不足が問題だった。しかし今回は『アバター』が大ヒットし、『アリス・イン・ワンダーランド』などの作品が続くので不安はない。機器面でも、1台のテレビで2D/3D両方映すことが可能だ。Blu-ray 3Dの発売や3D放送の開始もアナウンスされている。ハード/ソフト両面から3D化が進められていることは、普及の大きな一歩になると思う。3DはHDの機能のひとつではなく、3Dという新しいプラットフォームを作る、パラダイムシフトと言えるだろう」と語った。

これまで数回あった3Dブームが定着しなかったのは、技術的な問題とコンテンツ不足にあったと説明

また今後の製品展開については、「3Dディスプレイは40V型以上、4倍速駆動対応で、LEDバックライトモデルが標準になっていくのではないか。また3Dは『普及させること』を考えないとならないため、機器などの値崩れが速そうだと予測している」と締めくくった。

■『適切なハード・コンテンツ・視聴方法』を守ることが快適な3Dを実現する方法


パナソニック(株)AVCネットワークス社 川島正裕氏
パナソニック(株)AVCネットワークス社の川島正裕氏は「メガネ式3Dディスプレイの技術動向と今後の展開」について発表。「メガネ式3Dディスプレイは、見る位置にかかわらず安定した立体視が可能だし、裸眼式に比べて高画質を実現できるのが特徴」と語る川島氏。メガネ式立体映像パネルと、メガネを組み合わせての国際標準化を定める動きもあるという。

また3Dの安全性などを検討する部会が発足しており、コンテンツ制作者/ハードメーカー/ユーザーに向けたガイドラインを作成しているという。

両眼の輻輳や視差などを手がかりに、人は立体視を得る

両眼視差を利用した立体視ではピントと輻輳の不一致が起こるが、適切な融合域で表示すれば快適な3D視聴が可能


これらなどを踏まえ、3D映像の安全ガイドライン作成が行われている
例えばコンテンツ作成時には、立体表示するディスプレイのサイズと視距離を年頭に、融合限界を考えながら飛び出し/奥行き量を設計する必要があるという。特に視点が交差するポイントをディスプレイの後方に設定している場合、想定したサイズより大きなディスプレイに表示すると、右目と左目が開散方向になる(「離れ目」になりすぎてしまう)おそれがあり、目の負担が大きくなるということだ。「(川島氏)

3Dコンテンツはディスプレイ上の左右距離で飛び出し量が決まるので、視距離が一定なら表示サイズが大きくなるほど飛び出しが大きくなり、融合限界を超えるおそれが出てくる

特にディスプレイの後方へ視点交差ポイントを設定している場合は、視聴ディスプレイによっては目に負担がかかるおそれがあるという

また子供の3D視聴については、3歳以下の子供には3D映像を見せてはいけない、と考えた方が良いという。川島氏は「視覚が未発達だし、違和感を自己判断できないからだ」と警告した。

最後に同氏は『適切なハード・コンテンツ・視聴方法』を守ることが、快適な3Dを実現する方法だ。ハードメーカーの我々としても、コンテンツメーカーと連携し、ユーザーへ魅力を伝達し3Dを盛り上げていきたい」と抱負を語った。

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