パイオニア、iPhone操作/3D対応の新AVアンプ「VSA-1020」など3機種を発売

パイオニア（株）は、HDMI 1.4a端子を搭載し、iPhoneなどでの操作にも対応したAVアンプ新モデル3機種を6月中旬より発売する。

■VSA-1020　￥108,000（税込）
■VSA-920　￥84,000（税込）
■VSX-820　￥49,800（税込）

同社は今回発表する新製品を、テレビやBDプレーヤーだけでなく、PCやゲーム、携帯電話やDAPなど多彩なコンテンツをつないで楽しむ"エンターテイメントのコア"として位置付けている。画質・音質はもちろん、さまざまな注目機能を搭載した。

まず上位・中位機種となるVSA-1020とVSA-920からレポートしたい。

VSA-1020は定格出力105W/各chの7.1chAVアンプ。VSA-1019Hの後継機となる。ver.1.4aのHDMI端子を6入力1出力搭載し、3Dにも対応する。10BASE-T/100BASE-TX対応のLAN端子も備えている。ドルビーTrueHD/DTS-HD MAのデコーダーを搭載。新たにドルビープロロジックIIzにも対応した。そのほか独自のジッターレス伝送技術「PQLS 2ch」にも対応している。

VSA-920は定格出力105W/各chの7.1ch対応AVアンプ。こちらはVSA-919AHの後継機となる。ver.1.4aのHDMI端子を4入力1出力搭載し、こちらも3Dに対応。10BASE-T/100BASE-TX対応のLAN端子も備えている。VSA-1020と同じくドルビーTrueHD/DTS-HD MA、ドルビープロロジックIIzにも対応。「PQLS 2ch」にも対応している。

■iPhone/iPod touchを使って直感的に操作できる「iControlAV」

今回の新製品は、同社が開発したiPhone/iPod touchアプリ「iControlAV」で音量調節や入力切り替え、PQLSのオン／オフやスピーカーバランスを操作できるのが大きな特徴。「iPhone/iPod touchならではの操作感を生かした」（同社説明員）というとおり、iPhoneを傾けて音のスイートスポットを設定できたりするなど、直感的な操作を可能にした。



■iPhone/iPod touchのデジタル接続に対応

これまでの同社製AVアンプに引き続き、iPhone/iPod touchのデジタル接続に対応。フロント部に備えられたUSB端子に、付属の「USB with Video」ケーブルでiPodをダイレクトにつなげば、高品位な音を楽しめる。この付属ケーブルにはビデオ出力端子がついているため、音だけでなく動画もAVアンプ経由で視聴することが可能だ。

またVSA-1020/920には新機能「Cover List」を搭載。複数のアルバムアートを同時にGUI表示できるようになったため、iPhone/iPod内の曲をアルバムアートで一覧表示し、目当ての曲を簡単に見つけることもできる。

■Bluetoothの音を良くする「Sound Retriever AIR」機能

別売のBluetoothアダプター「AS-BT100」を接続し、Bluetoothの利用も可能。Bluetoothは伝送時に信号を圧縮するが、新機能「Sound Retriever AIR」によって圧縮時に失われた音を補正。イントネーション感やボリューム感を復元する。また伝送時に発生するノイズを低減。S/N比を10dB以上改善するという。

■インターネットラジオも楽しめる

インターネット上で配信されているインターネットラジオを楽しむことも可能。24局がプリセットされており、届いた日からインターネットラジオを聴取できる。なおプリセットは手動でも設定でき、自分のお気に入りの局をセットしておくことができる。なおUIは日本語表示に対応している。

■フロントワイドを利用した新サラウンドモード「ワイドサラウンド」

前述のとおりドルビープロロジックIIzに対応したVSA-1020/920だが、フロントハイトスピーカーを使用しなくても高さ方向の音場を再現できる「バーチャルハイト」モードと、サラウンドバックスピーカーなしでも背面の音場を再現できる「バーチャルサラウンドバック」モードを搭載した。

また、フロントワイドスピーカーを使用した新サラウンドモードも2つ搭載した。ひとつは「ワイドサラウンド Movie」で、フロントの「動き感」を楽しめるモード。もうひとつは「ワイドサラウンド Music」で、フロントの「広がり感」を楽しむことができるという。

■HDMIからの信号も1080pにアップスケーリング可能に

これまでのモデルでは1080iや720pの映像を1080pにアップスケーリングすることができなかったが、新製品では1080iはI/Pコンバージョンで、720pはアップスケーリングで1080pへ変換可能。

さらに、前モデルではアナログ入力信号のみだったアップスケーリングが、HDMIからの入力信号にも対応した。1080pは1080i/720p/480pにダウンスケーリングすることもできる。

■内部構造見直しでさらに音質を向上

エネルギーロスと相互感想を極小化される独自のアンプデザイン「ダイレクトエナジーデザイン」を進化させた「アドバンスドダイレクトエナジーデザイン」を採用。各回路の電源の伝送経路や配線パターンを大幅に見直し、信号ロスやノイズの極小化、制振対策を施した。またデザインを変更することで冷却ファンをなくしたため、静音性も高いという。


■基本機能を押さえたエントリー機「VSX-820」

定格出力95W/chの5.1chAVアンプ。VSX-819Hの後継機となる。ver.1.4のHDMI端子を入力4系統、出力1系統備えている。VSA-1020/920と同じくドルビーTrueHD/DTS-HD MA、ドルビープロロジックIIzにも対応。ただし「ワイドサラウンド」機能やバーチャルハイト/バーチャルサラウンド機能は搭載しない。また、1080iのアップスケーリング機能や、HDMI信号のアップスケーリングには非対応。

フロントに備えたUSB経由でiPodのデジタル接続が可能。Bluetoothアダプターも使用可能だが、「Sound Retriever AIR」には非対応となる。LAN端子を備えないためインターネットラジオの聴取はできない。またPQLS 2chには非対応となる。

操作面では「iControlAV」非対応で、リモコンを用いての操作のみとなる。