CEO・de Vries氏インタビュー
TP Vision、フィリップスのスマートTV強化を宣言 ー 4Kは「IFAでプランを発表」
IFAグローバルプレスカンファレンスの2日目に開催されたプロダクトセミナーに、フィリップス・ブランドのテレビのデザインや製造、販売、マーケティングを、ワールドワイドで展開するTP Vision社のCEO、Maarten de Vries氏が登壇した。
スマートテレビはデザイン・機能の両面から強化を図る
同社は昨年4月に、オランダのフィリップスと台湾のTPV Technology社との間による合弁会社として設立し、フィリップスからテレビ事業の移管を受けて、液晶を中心としたテレビ製品について、エントリーからハイエンドまで、小型から大型まで、そしてB2CからB2Bまで多彩なフィリップス・ブランドの商品を、世界93カ国で展開してきた。
2013年には新シリーズとなる「Design Line」を発表。de Vries氏が「マテリアルとスタイルの両方からレベルの高い製品を追求してきた」と語る、フィリップスの新しいフラグシップモデルとなるテレビだ。
今後の市場予測についてde Vries氏はは「2015年までには、ワールドワイドで3億5,000万台のスマートテレビが出荷され、西ヨーロッパではテレビ商品の50%がスマートテレビになるだろう」としながら、「デザイン面での進化を図りながら、46〜48インチの商品セグメントをメインストリームとして充実させていくことの重要性が高まるだろう」との見解を示す。
フィリップス・ブランドのテレビ製品については、2013年モデルのラインナップのうち「80%」がスマートテレビで構成される。同社は昨年6月にLG電子とともにスマートTVアライアンスを立ち上げ(関連ニュース)、スマートテレビ向けアプリの開発環境の整備にも注力してきた。現在アライアンスメンバーによるスマートテレビ商品の市場シェアは43%に上るという。
スマートテレビに関するユーザーの利用傾向について、同社が独自に行った調査によれば、2102年は76%のユーザーが「25回/月」の頻度でアプリを利用したと回答している。うち、43%のアプリがテレビ番組のIP再送信サービスである「Catch up TV」の利用に関連するものだという。de Vries氏は「VODを楽しむユーザーも増えており、利用時間も延びつつある」と説明する。
今後のスマートテレビの付加価値戦略について、de Vries氏は「WiFi機能を標準化し、Miracast対応などスマートフォンとの連携を進める。フィリップス独自のアプリも充実させ、テレビで受信したコンテンツをホームネットワーク経由でiOSデバイスとシェアできる機能や、ペイTVのコンテンツもシェアできる環境を整えていく。またクラウドやホームネットワークと連携した、家庭内での複数台のテレビによるマルチルームシェア機能も充実化を図っていく」と語った。
デザイン面では先述の「Design Line」シリーズをはじめ、フラグシップモデルを中心に、さらなるレベルアップを図る。
本体の外周に配置されたランプの色と明るさを調節し、映像のコントラストを高める独自の「Ambilight」システム、はフィリップスのフラットテレビ独自の機能だが、これについてもさらに強化していく。de Vries氏は同社の調査により「フィリップス製品のユーザーのうち、85%がAmbilightで映像体験が向上したと答えており、さらに80%がこの次にテレビを買い換えるならAmbilight搭載機が良いとしている」という結果が出ていることを紹介。「今年はAmbilightの機能をさらに進化させ、より大型・薄型のテレビでも“映像が宙に浮いている”ような体験を提供していきたい」と語った。
「4KはIFA2013でプランを発表したい」 − de Vries氏インタビュー
プロダクトセミナーの終了後、de Vries氏にTP Vision社のテレビ事業に関する今後の展開についてインタビューする機会を得た。
2012年4月の設立後、フィリップス社とTPV Technology社によるパートナーシップは順調に形が整ってきたという。「研究開発から製造まで全ての段階で両社のシナジーをうまく活かすことができている」とde Vries氏は語る。TP Vision社としてフィリップス・ブランドのテレビを展開して以後も、フィリップスが元々持っていたブランド力が大きな資産となったことで、同社のテレビ事業は順調に成果を達成することができたのだという。de Vries氏は「フィリップスのテレビは、また新たな変革の時を迎えている」とコメントした。
同社の研究開発拠点はオランダのアイントホーフェン、ベルギーのブリュージュ、シンガポールにおかれており、ソフトウェアの開発拠点はインドのバンガロールに展開する。製造はハンガリー、ブラジル、アルゼンチンの各国で行う。新しい「Design Line」シリーズのデザインは、オランダ・アムステルダムの開発チームが関わってきた。同シリーズについてde Vries氏は「3月にDesign Lineを発売し、55・46インチの2サイズで展開している。スタンダードモデルのフラグシップである“8000シリーズ”がベースになっているシリーズで、スマートテレビの全ての機能を楽しんでいただける。またフィリップスのテレビにとってDNAとも言える“Ambilight”も搭載されており、リッチな映像体験も実現した」と、その完成度の高さに自信を見せた。
現在フィリップス・ブランドの商品は世界93カ国で展開されており、アジア地域についてはシンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、香港を中心にTP Visionが販売を行い、中国本土についてはフィリップス本社が受け持つかたちを採っている。de Vries氏は「日本については今後も検討していきたい」と述べた。
有機ELや4Kテレビへの取り組みについて、de Vries氏は「次のステップとして取り組み始めている。有機ELは技術的な完成度を高めるためにも、もう少し準備期間が必要と考えているが、4Kテレビについては今年のIFA2013の場で、当社としてのプランを発表したいと考えている」と延べ、意欲を示した。
スマートテレビはデザイン・機能の両面から強化を図る
同社は昨年4月に、オランダのフィリップスと台湾のTPV Technology社との間による合弁会社として設立し、フィリップスからテレビ事業の移管を受けて、液晶を中心としたテレビ製品について、エントリーからハイエンドまで、小型から大型まで、そしてB2CからB2Bまで多彩なフィリップス・ブランドの商品を、世界93カ国で展開してきた。
2013年には新シリーズとなる「Design Line」を発表。de Vries氏が「マテリアルとスタイルの両方からレベルの高い製品を追求してきた」と語る、フィリップスの新しいフラグシップモデルとなるテレビだ。
今後の市場予測についてde Vries氏はは「2015年までには、ワールドワイドで3億5,000万台のスマートテレビが出荷され、西ヨーロッパではテレビ商品の50%がスマートテレビになるだろう」としながら、「デザイン面での進化を図りながら、46〜48インチの商品セグメントをメインストリームとして充実させていくことの重要性が高まるだろう」との見解を示す。
フィリップス・ブランドのテレビ製品については、2013年モデルのラインナップのうち「80%」がスマートテレビで構成される。同社は昨年6月にLG電子とともにスマートTVアライアンスを立ち上げ(関連ニュース)、スマートテレビ向けアプリの開発環境の整備にも注力してきた。現在アライアンスメンバーによるスマートテレビ商品の市場シェアは43%に上るという。
スマートテレビに関するユーザーの利用傾向について、同社が独自に行った調査によれば、2102年は76%のユーザーが「25回/月」の頻度でアプリを利用したと回答している。うち、43%のアプリがテレビ番組のIP再送信サービスである「Catch up TV」の利用に関連するものだという。de Vries氏は「VODを楽しむユーザーも増えており、利用時間も延びつつある」と説明する。
今後のスマートテレビの付加価値戦略について、de Vries氏は「WiFi機能を標準化し、Miracast対応などスマートフォンとの連携を進める。フィリップス独自のアプリも充実させ、テレビで受信したコンテンツをホームネットワーク経由でiOSデバイスとシェアできる機能や、ペイTVのコンテンツもシェアできる環境を整えていく。またクラウドやホームネットワークと連携した、家庭内での複数台のテレビによるマルチルームシェア機能も充実化を図っていく」と語った。
デザイン面では先述の「Design Line」シリーズをはじめ、フラグシップモデルを中心に、さらなるレベルアップを図る。
本体の外周に配置されたランプの色と明るさを調節し、映像のコントラストを高める独自の「Ambilight」システム、はフィリップスのフラットテレビ独自の機能だが、これについてもさらに強化していく。de Vries氏は同社の調査により「フィリップス製品のユーザーのうち、85%がAmbilightで映像体験が向上したと答えており、さらに80%がこの次にテレビを買い換えるならAmbilight搭載機が良いとしている」という結果が出ていることを紹介。「今年はAmbilightの機能をさらに進化させ、より大型・薄型のテレビでも“映像が宙に浮いている”ような体験を提供していきたい」と語った。
「4KはIFA2013でプランを発表したい」 − de Vries氏インタビュー
プロダクトセミナーの終了後、de Vries氏にTP Vision社のテレビ事業に関する今後の展開についてインタビューする機会を得た。
2012年4月の設立後、フィリップス社とTPV Technology社によるパートナーシップは順調に形が整ってきたという。「研究開発から製造まで全ての段階で両社のシナジーをうまく活かすことができている」とde Vries氏は語る。TP Vision社としてフィリップス・ブランドのテレビを展開して以後も、フィリップスが元々持っていたブランド力が大きな資産となったことで、同社のテレビ事業は順調に成果を達成することができたのだという。de Vries氏は「フィリップスのテレビは、また新たな変革の時を迎えている」とコメントした。
同社の研究開発拠点はオランダのアイントホーフェン、ベルギーのブリュージュ、シンガポールにおかれており、ソフトウェアの開発拠点はインドのバンガロールに展開する。製造はハンガリー、ブラジル、アルゼンチンの各国で行う。新しい「Design Line」シリーズのデザインは、オランダ・アムステルダムの開発チームが関わってきた。同シリーズについてde Vries氏は「3月にDesign Lineを発売し、55・46インチの2サイズで展開している。スタンダードモデルのフラグシップである“8000シリーズ”がベースになっているシリーズで、スマートテレビの全ての機能を楽しんでいただける。またフィリップスのテレビにとってDNAとも言える“Ambilight”も搭載されており、リッチな映像体験も実現した」と、その完成度の高さに自信を見せた。
現在フィリップス・ブランドの商品は世界93カ国で展開されており、アジア地域についてはシンガポール、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシア、香港を中心にTP Visionが販売を行い、中国本土についてはフィリップス本社が受け持つかたちを採っている。de Vries氏は「日本については今後も検討していきたい」と述べた。
有機ELや4Kテレビへの取り組みについて、de Vries氏は「次のステップとして取り組み始めている。有機ELは技術的な完成度を高めるためにも、もう少し準備期間が必要と考えているが、4Kテレビについては今年のIFA2013の場で、当社としてのプランを発表したいと考えている」と延べ、意欲を示した。