高剛性筐体と信号処理で画質・音質向上
パイオニア、最上位BDプレーヤー「BDP-LX88」ー 278,000円の“集大成”モデル
パイオニアは、BDプレーヤーのフラグシップモデル「BDP-LX88」を11月下旬に発売する。価格は278,000円(税抜)。
同社では7月9日に、BDプレーヤーの新モデルのティザーサイト http://pioneer-bdlx.com を公開。「パイオニア、胎動。」というコピーのもと、BDプレーヤーの上位機を近日中に発表することを示唆していた。また同サイトの中では、1986年発売のレーザーディスクプレーヤー「LD-S1」から始まり、1989年の「LD-X1」、1995年の「HLD-X0」、1997年の「DV-S9」、そしてBDプレーヤーについては2008年の「BDP-LX91」など歴代の名機を紹介するなど、並々ならぬ意欲を示していた。今回、ついに実際の製品が発表された格好だ。なお、同時に希望小売価格98,000円の「BDP-LX58」も発表されており、こちらについては別項で紹介している。
同社として久しぶりのBDプレーヤー最上位機となるが、本機の企画を担当したパイオニアの山田喜行氏は、「世にあるコンテンツを最良のクオリティで再生することはAVメーカーの使命」とし、「画質と音声を最良の状態で保存・再生しうるメディアは、依然としてBlu-rayだ」と続け、今回、パイオニアのノウハウをすべて導入し、BDプレーヤーの集大成を導入することになった経緯を説明する。
また、同じく商品企画部の川出善崇部長は「今年はHDMI2.0やDolby Atmosなどが登場した例年にない革新的な年。この年にフラグシップ機を確信を持って送り出したいという思いで開発を行ってきた。非常に好評を博し、後継機の要望も多かった『BDP-LX91』(2008年発売)を手掛けた技術者たちが現在要職に就いており、本機にも携わった。飽くなき映像と音へのこだわりは、一見してお分かりいただけるはずだ」と語った。
HDMI 2.0に対応し、4Kにアップスケーリングした映像を出力可能なBDプレーヤー。HDMI出力を2系統装備している。Blu-ray、DVDビデオ、DVDオーディオ、SACD、USBメモリー内のコンテンツが再生できるほか、DLNA 1.5にも対応しており、DTCP-IPにも準拠。またDLNAを使ったネットワークオーディオ再生では、最高192kHz/24bitのFLAC/WAV/ALAC/AIFFや、DSD(2.8MHzまで)をネイティブのまま再生できる。なおUSB-DAC機能は非搭載。
また出力端子として、デジタル音声は同軸デジタルと光デジタル端子を備えているほか、USB端子(Aタイプ)も前面と背面に1系統ずつ装備している。さらにアナログオーディオ出力は、RCAアンバランス端子とXLRバランス端子を備えた。バランス出力は位相切り替え機能も備えている。ほかにコントロール用のRS-232端子も装備する。
山田氏は、LX88が、最高の画質と音質を実現するポイントとして「高剛性筐体」「高精度ドライブメカ」「音質チューニングのノウハウ」「映像チューニングのノウハウ」「大容量高レスポンス電源」の5つの要素を挙げ、それぞれについてくわしく説明した。以下、くわしく紹介していこう。
■高音質再生を下支えする高剛性筐体とドライブメカ
まず高剛性筐体については、「高音質再生を下支えする」ものとして重視。様々な対策を施した結果、質量は14.2kgと重量級モデルになった。
底面は、1.6mm厚の鋼板と3.0mm厚の鋼板をレイヤードで使用。また側面は1mm厚の鋼板ベースとアルミパネルで構成。前面とトップパネルは1mm厚の鋼板を使用した。
また内部の構造も3分割構造として、上からみたとき、向かって左に電源基板と電源トランスを配置。それぞれシールドケースで外部からのノイズや振動の影響を抑制している。中央はメイン基板があり、これもシールドケースで保護した。
ドライブは「リジッド&クワイエットドライブ」で、ドライブは鉄板のシールドケースで保護し、さらに黒色制振塗装を施した。また、ドライブをシャーシへ強固に固定する鋼板ドライブベースを採用。さらにドライブとドライブベース間は、振動を伝えないフローティング構造を採用している。またトレイローディングを安定させるトレイシャフトも備えているほか、トレイ部にも制振塗装を行っている。
さらに細かなところでは、トレイカバー部とベース部をセパレートし、スプリングで接続する構造を採用。BDドライブ内で発生する振動がトレイ部を経由して筐体に伝わることを防ぐ効果がある。
向かって右側はアナログオーディオ基板を配置。ここには音質を高めるための高品位パーツをふんだんに盛り込んだ。なお前面から背面ヘは高剛性な梁を渡し、ここでも剛性対策を徹底している。
またインシュレーターも専用開発のもので、亜鉛ダイキャストを採用している。
■DACはESS 9018を4chパラで使用
オーディオDACには、ESSの9018を使用。もともと8chのDACだが、これを4chパラで使用することでさらに音質を高めている。
また、同社製AVアンプと連動させる「PQLS」機能も搭載。HDMI接続時に、アンプ側のクロックを使用することでジッターの影響を低減する機能だ。Blu-rayだけでなくDVDやDVDオーディオ、SACD、またFLAC/WAV/ALAC/AIFFなどファイル音楽再生にも対応している。
さらに、単体でも高音質な再生が行えるよう、音声DAC専用のマスタークロックを搭載することでジッターを抑制。これにより高品位なアナログ出力を可能とした。
なお、アナログオーディオ再生時の音質をさらに高める機能として、「ダイレクト機能」を搭載。リモコンの「ダイレクト」ボタンを一押しすることで、デジタルオーディオ系回路やビデオ系回路をオフにする機能となる。
■高精度な4Kアップスケーリングと多彩な画質調整項目
映像処理については、HDのコンテンツデータを「Precise Pixel Driver」でHDのまま高画質処理し、その後「4K Reference Converter」で4Kアップスケーリング処理し、出力することができる。
「Precise Pixel Driver」では、ディテール・エンハンス処理を実行。映像からテクスチャー部を抽出し、適正な補正を行うことで、細部の質感を向上させる。また同ドライバーにおいては、YNR/CNR、ブロックNR、モスキートNRの3つのノイズリダクション処理も行う。
「4K Reference Converter」はいわゆる超解像を伴うアップスケーリング処理で、画像解析による特徴抽出を行うことで、自然でなめらかな映像を実現するというもの。テクスチャーは帯域や輝度に応じて適切な画像処理を行い、さらにエッジ処理については、周辺画素を解析することで緻密な補正とシュートの抑制を行う。これにより最高で4K/60p、4:4:4、36ビットの映像を出力することができる。
画質調整項目が多彩な点も特徴で、13種類の設定項目を用意。超解像処理の適用度もオフ/1/2/3から選択することができる。
画質のプリセットモードは、最新のデジタルシネマシステムで製作された映像コンテンツを想定し、最適化。プロジェクター系が3つ、フラットパネルディスプレイ系が3つのプリセットモードを用意。また映像信号処理を抑えた設定「リファレンス」も選択できる。さらに、ユーザーが行った画質設定をお好みで調整できるメモリーモードも3つまで設定できる。
■画質と音質をともに高める「Zero Signal」端子
なお、画質と音質をともに高める端子として、「Zero Signal」を用意。音声や映像、制御信号などを通さず、GNDのみを接続する専用端子となる。この端子を、アンプなど入力機器側の使用していない映像や音声端子と接続することで、機器間のGNDレベルを一致させ、より正確な信号伝送が可能になる。
リモコンは使いやすさを追求した新しいもの。白いボタンは自照式でオレンジに光るため、ホームシアターなど暗い場所での視聴時にも快適に操作ができる。またグループごとに明確にボタンが区分けされているため、操作を行いやすい。重量感にもこだわり、180gと「持ったときにしっくりする重さ」としたという。重心も中央付近にするなど、細かなところまでこだわった。
【問い合わせ先】
カスタマーサポートセンター
TEL/0120-944-222
同社では7月9日に、BDプレーヤーの新モデルのティザーサイト http://pioneer-bdlx.com を公開。「パイオニア、胎動。」というコピーのもと、BDプレーヤーの上位機を近日中に発表することを示唆していた。また同サイトの中では、1986年発売のレーザーディスクプレーヤー「LD-S1」から始まり、1989年の「LD-X1」、1995年の「HLD-X0」、1997年の「DV-S9」、そしてBDプレーヤーについては2008年の「BDP-LX91」など歴代の名機を紹介するなど、並々ならぬ意欲を示していた。今回、ついに実際の製品が発表された格好だ。なお、同時に希望小売価格98,000円の「BDP-LX58」も発表されており、こちらについては別項で紹介している。
同社として久しぶりのBDプレーヤー最上位機となるが、本機の企画を担当したパイオニアの山田喜行氏は、「世にあるコンテンツを最良のクオリティで再生することはAVメーカーの使命」とし、「画質と音声を最良の状態で保存・再生しうるメディアは、依然としてBlu-rayだ」と続け、今回、パイオニアのノウハウをすべて導入し、BDプレーヤーの集大成を導入することになった経緯を説明する。
また、同じく商品企画部の川出善崇部長は「今年はHDMI2.0やDolby Atmosなどが登場した例年にない革新的な年。この年にフラグシップ機を確信を持って送り出したいという思いで開発を行ってきた。非常に好評を博し、後継機の要望も多かった『BDP-LX91』(2008年発売)を手掛けた技術者たちが現在要職に就いており、本機にも携わった。飽くなき映像と音へのこだわりは、一見してお分かりいただけるはずだ」と語った。
HDMI 2.0に対応し、4Kにアップスケーリングした映像を出力可能なBDプレーヤー。HDMI出力を2系統装備している。Blu-ray、DVDビデオ、DVDオーディオ、SACD、USBメモリー内のコンテンツが再生できるほか、DLNA 1.5にも対応しており、DTCP-IPにも準拠。またDLNAを使ったネットワークオーディオ再生では、最高192kHz/24bitのFLAC/WAV/ALAC/AIFFや、DSD(2.8MHzまで)をネイティブのまま再生できる。なおUSB-DAC機能は非搭載。
また出力端子として、デジタル音声は同軸デジタルと光デジタル端子を備えているほか、USB端子(Aタイプ)も前面と背面に1系統ずつ装備している。さらにアナログオーディオ出力は、RCAアンバランス端子とXLRバランス端子を備えた。バランス出力は位相切り替え機能も備えている。ほかにコントロール用のRS-232端子も装備する。
山田氏は、LX88が、最高の画質と音質を実現するポイントとして「高剛性筐体」「高精度ドライブメカ」「音質チューニングのノウハウ」「映像チューニングのノウハウ」「大容量高レスポンス電源」の5つの要素を挙げ、それぞれについてくわしく説明した。以下、くわしく紹介していこう。
■高音質再生を下支えする高剛性筐体とドライブメカ
まず高剛性筐体については、「高音質再生を下支えする」ものとして重視。様々な対策を施した結果、質量は14.2kgと重量級モデルになった。
底面は、1.6mm厚の鋼板と3.0mm厚の鋼板をレイヤードで使用。また側面は1mm厚の鋼板ベースとアルミパネルで構成。前面とトップパネルは1mm厚の鋼板を使用した。
また内部の構造も3分割構造として、上からみたとき、向かって左に電源基板と電源トランスを配置。それぞれシールドケースで外部からのノイズや振動の影響を抑制している。中央はメイン基板があり、これもシールドケースで保護した。
ドライブは「リジッド&クワイエットドライブ」で、ドライブは鉄板のシールドケースで保護し、さらに黒色制振塗装を施した。また、ドライブをシャーシへ強固に固定する鋼板ドライブベースを採用。さらにドライブとドライブベース間は、振動を伝えないフローティング構造を採用している。またトレイローディングを安定させるトレイシャフトも備えているほか、トレイ部にも制振塗装を行っている。
さらに細かなところでは、トレイカバー部とベース部をセパレートし、スプリングで接続する構造を採用。BDドライブ内で発生する振動がトレイ部を経由して筐体に伝わることを防ぐ効果がある。
向かって右側はアナログオーディオ基板を配置。ここには音質を高めるための高品位パーツをふんだんに盛り込んだ。なお前面から背面ヘは高剛性な梁を渡し、ここでも剛性対策を徹底している。
またインシュレーターも専用開発のもので、亜鉛ダイキャストを採用している。
■DACはESS 9018を4chパラで使用
オーディオDACには、ESSの9018を使用。もともと8chのDACだが、これを4chパラで使用することでさらに音質を高めている。
また、同社製AVアンプと連動させる「PQLS」機能も搭載。HDMI接続時に、アンプ側のクロックを使用することでジッターの影響を低減する機能だ。Blu-rayだけでなくDVDやDVDオーディオ、SACD、またFLAC/WAV/ALAC/AIFFなどファイル音楽再生にも対応している。
さらに、単体でも高音質な再生が行えるよう、音声DAC専用のマスタークロックを搭載することでジッターを抑制。これにより高品位なアナログ出力を可能とした。
なお、アナログオーディオ再生時の音質をさらに高める機能として、「ダイレクト機能」を搭載。リモコンの「ダイレクト」ボタンを一押しすることで、デジタルオーディオ系回路やビデオ系回路をオフにする機能となる。
■高精度な4Kアップスケーリングと多彩な画質調整項目
映像処理については、HDのコンテンツデータを「Precise Pixel Driver」でHDのまま高画質処理し、その後「4K Reference Converter」で4Kアップスケーリング処理し、出力することができる。
「Precise Pixel Driver」では、ディテール・エンハンス処理を実行。映像からテクスチャー部を抽出し、適正な補正を行うことで、細部の質感を向上させる。また同ドライバーにおいては、YNR/CNR、ブロックNR、モスキートNRの3つのノイズリダクション処理も行う。
「4K Reference Converter」はいわゆる超解像を伴うアップスケーリング処理で、画像解析による特徴抽出を行うことで、自然でなめらかな映像を実現するというもの。テクスチャーは帯域や輝度に応じて適切な画像処理を行い、さらにエッジ処理については、周辺画素を解析することで緻密な補正とシュートの抑制を行う。これにより最高で4K/60p、4:4:4、36ビットの映像を出力することができる。
画質調整項目が多彩な点も特徴で、13種類の設定項目を用意。超解像処理の適用度もオフ/1/2/3から選択することができる。
画質のプリセットモードは、最新のデジタルシネマシステムで製作された映像コンテンツを想定し、最適化。プロジェクター系が3つ、フラットパネルディスプレイ系が3つのプリセットモードを用意。また映像信号処理を抑えた設定「リファレンス」も選択できる。さらに、ユーザーが行った画質設定をお好みで調整できるメモリーモードも3つまで設定できる。
■画質と音質をともに高める「Zero Signal」端子
なお、画質と音質をともに高める端子として、「Zero Signal」を用意。音声や映像、制御信号などを通さず、GNDのみを接続する専用端子となる。この端子を、アンプなど入力機器側の使用していない映像や音声端子と接続することで、機器間のGNDレベルを一致させ、より正確な信号伝送が可能になる。
リモコンは使いやすさを追求した新しいもの。白いボタンは自照式でオレンジに光るため、ホームシアターなど暗い場所での視聴時にも快適に操作ができる。またグループごとに明確にボタンが区分けされているため、操作を行いやすい。重量感にもこだわり、180gと「持ったときにしっくりする重さ」としたという。重心も中央付近にするなど、細かなところまでこだわった。
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関連リンク
- ジャンルBDプレーヤー
- ブランドPIONEER
- 型番BDP-LX88
- 発売日2014年11月下旬
- 価格¥278,000(税抜)
【SPEC】●周波数特性:4Hz〜88kHz(192kHzサンプリング) ●入出力端子:HDMI出力×2、USB×2、同軸デジタル音声出力×1、光デジタル音声出力×1、アナログ2ch音声出力×2、LAN×1 ●消費電力:40W(待機時0.3W) ●外形寸法:435W×130H×339Dmm ●質量:14.2kg