パナソニックはライフスタイルに合わせた技術提案
<CEATEC>レノボが日本語対応スマートスピーカーを参考出展/ドコモは8K60fpsのオリジナルVRをデモ
IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2017」が明日10月3日(火)から開催される。本日は、メディア向けに一部ブースが事前公開された。本稿では、NTTドコモ、パナソニック、レノボ・ジャパン、NEC、日立製作所の出展内容をレポートする。
■NTTドコモ
NTTドコモのブースでは、本日発表された8K/60fpsのVR映像視聴システムが出展(関連ニュース)。同社ではVRに関する技術課題として、コンテンツの解像度が2K〜4Kであること、フレームレートはカメラの制約により30fpsが主流であること、そしてヘッドマウントディスプレイはハイエンドのものでも片目が1K程度であるとする。そこで再生負荷を軽減した8K相当品質のVR視聴の実現に向けて、高品質パノラマ映像視聴システムを開発したとしている。
全天周8K(7,860×3,840)の高解像度映像を、NTTの映像技術である「パノラマ超エンジン」を用いて分割再生。頭の向きに合わせて映像を高解像度配信し、見ていない部分は低解像度で配信することで配信伝送帯域を削減。8Kデコードから2Kデコード×2に再生負荷を軽減し、パソコンでの再生を可能としているという。
ヘッドマウントディスプレイにはIGZOの2K×2K/1008ppiのディスプレイを採用。また音響にはヤマハの立体音響技術「ViReal(バイリアル)」を用いており、64chワンポイントマイクでの収録から編集、ヘッドホンやマルチchスピーカーなどの環境に応じたレンダリングなど、録音から再生までの立体音響VRをサポートしている(関連ニュース)。
コンテンツは、琴や日本舞踊、バイオリンにクラシックバレエ、サックスにダンス、マリンバ、フラメンコなどがコラボレーションした音楽舞踊VR映像と、沖縄の伝統をテーマに世界遺産の勝連城や浜比嘉島で撮影されたVR映像を用意。
こうした取り組みについて同社の担当者は「8K/60fpsのVR映像が世の中になかったので、どういったものになるのか試してみたかった。5G回線であれば伝送できるようになることも普及におけるポイント。ハイスペック・ハイクオリティなVR映像を体験してもらいたい」とコメントした。
■パナソニック
パナソニックのブースでは、ライフスタイルにIoTやAIなどの最新技術を活かすための技術提案が、多数のシーンに合わせてデモされた。
温度感知や加速度センサー、LEDなどさまざまな機能を持ったパッチを衣服などに縫い付ける「ウェアラブルメーカーパッチ」は、しなやかで曲面や伸縮する布に貼り付けられ、アイロンにも耐えることが可能。色やサイズ、機能などの自由度が高く、後付けも可能という技術だ。
会場では実際に子供服に縫い付けたものが用意され、「子どもの心拍数などを計測して親のスマートフォンに信号を送る、逆に食事の時間に合わせて親が送った信号を受けてブザーを鳴らす、といった使い方ができる。ほかにもクッションにつけて家電を操作する、ライブ会場で曲に合わせてLEDを光らせるといった、色々な活用が行える」と説明。技術としてはほぼ完成しており、どのように実用化されるかは今後検討されていくという。
また、通常のカメラで捉えた人間の表情だけでなく、サーモカメラから得られる皮膚温度や放熱量といった生体情報から、感情、眠気、温冷感といった感情・体調をセンシングするシステムもデモ。2種類のカメラだけで複数の生体情報を高度に可視化し、驚いた顔や笑顔といった表情だけでは認識しづらい感情も高精度に推定することができるという。
活用シーンとして、まずは顧客の好みを分析するといったマーケティングへの利用、ユーザーのストレスなどを可視化してしてより使いやすい製品を開発することなどに用いられるとしている。コミュニケーションロボットなどへの搭載については「得られた情報に対してどのように返答、対応するのか、といった回答技術をより向上させる必要がある」と課題が挙げられた。
■レノボ・ジャパン
レノボ・ジャパンのブースでは、NTTドコモのAIエージェントAPIを搭載したNECパーソナルコンピュータのスマートスピーカー「Smart Speaker with plusbenlly」のプロトタイプが参考出展された。発売時期や価格などは未定。
plusbenllyはNECパーソナルコンピュータとキュレーションズが共同開発するIoTプラットフォーム。このplusbenllyと音声入力の連携により、家電操作や音楽再生、ウェブサービス検索に対応しているという。
NTTドコモのAIエージェントAPIを採用した理由については、まず日本語であること、そして日本語に対応しているAPIがCortana、LINE、NTTドコモなど限られているなかで、技術的に組み込みやすかったということなどが挙げられた。
メインエージェントに「グルメ」や「家電制御」「音楽再生」などについて呼びかけると、それぞれの項目に対応するエージェントが起動、さらに詳細な情報を音声入力していくという対話形式で操作が行える。用意されたプロトタイプではメインエージェントはNTTドコモの「SEBASTIEN(セバスチャン)」となっており、「Alexa」や「OK Google」といったウェイク・ワードは必要ないが、現状ではNTTドコモのAIエージェントAPIの仕様から「お願い」がキーワードになっているとのことだ。
音声認識システムについては、「Smart Information with Voice」としてパソコン用ソフトも提供。上記のスマートスピーカーで可能なことはすべて行えるとしており、デザインなどはさらに開発を進めていくという。こちらも発売時期などは未定となる。
そのほかスマートホームのジャンルとして、体重計などと連携して鏡に映った人物の体調などの情報を提供する「Smart Mirror for Healthcare」、ゴルフのスイングチェックや服装のコーディネートをアドバイスするなどの機能を持った「Smart Mirror for My Room」といった製品も参考展示された。
ARの取り組みでは、スマートフォンと接続して使用する「Lenovo Mirage ARヘッドセット」、ヘッドセットとBluetoothでペアリングすることでコントローラー兼ポインターとなる「ライトセーバー・コントローラー」、プレーヤーの動きを検出する「トラッキング・ビーコン」がセットとなった「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」を展示。こちらは10月中旬より予約開始で、価格は30,800円(税抜)。商品出荷は11月中旬が予定されている。
内容はカイロ・レンやダース・ベイダーとライトセーバーで戦う「ライトセーバー・バトル」、反乱軍を率いて帝国軍と戦う「戦略バトル」、ホログラフィック・エイリアンたちを用いる「ホロチェス」の3つ。ライトセーバー・コントローラーはシーンに合わせて振動する仕様で、それぞれ3分程度楽しめるという。
■NEC
NECは、音声認識やヒアラブルデバイスに向けたAPIなどを紹介した。同社の音声認識技術では、ロボットやスマートスピーカーなど音声操作に対応する機器において、ユーザーの声を登録させることで、騒がしい場所でも声を聞き分ける、テレビなどの音声に反応して勝手に買い物を行ってしまうといったトラブルに対処できる、といった利点があるという。
この音声認識技術については、パソコンのソフトと合わせて利用するかたちのデモが用意。フリーテキストで長くとも10秒程度の言葉を話せば、個人の声の登録が完了する。また声の登録件数も数千規模まで可能で、この汎用性の高さから、例えばコールセンターなどでの認証なども容易になるほか、入退室管理や犯罪捜査などにも利用できるという。またスマートスピーカーでの利用でも、クラウドを活用することでフリーテキストによる対応機能を持たせることができるとしている。
ヒアラブルデバイスでは、顔の向きに関係なく音源を任意の位置で固定する音響AR技術を実現。装着者の位置・体勢を測位して、生活空間上に音を配置することで、AR/MRサービスにさらにリアリティを持たせることができる世界初の技術としている。
同技術をVRデバイスへと応用することも可能とのこと。その実用化に向けては「イヤホンなどのハードを開発するメーカーと共同で進めていくことができれば」と担当者より語られた。
■日立製作所
日立製作所のブースでは、少子高齢化や長時間労働などの社会課題に対し、同社のソリューションを活用した近未来の生活コンセプトがシーン別に紹介された。なかでもシニア向けコミュニケーションロボットとしては、「表情をつけることで高齢者が話しかけやすいようにした」というコンセプト製品が参考展示された。
内蔵のカメラにより使用者の表情を読み取り、それにあった表情を返すという仕様で、スマートスピーカーなどと同様に音声認識で買い物などを行うことも想定しているという。また会場のデモ映像では高齢者が1日に何度も同じものを買うことを認識して認知症の可能性を早期に読み取る、といったシーンが流されており、「スマートスピーカーの先にある存在として開発を進めている」という生活に溶け込むロボットの存在がアピールされた。
また、2018年度中のサービスインを目指しているという支援ロボット「EMIEW3(エミュー3)」も展示。実際に羽田空港や東京駅などで実証実験が進められているという。スタンドアローンだった「EMIEW2」に対して、こちらはクラウド上のロボットIT基盤で知能処理を行う点に大きな変更があり、複数ロボットのデータ共有やシームレスな連携が行えるという。導入は受付案内などが想定され、用途によってプログラムを行っていくとしている。
■NTTドコモ
NTTドコモのブースでは、本日発表された8K/60fpsのVR映像視聴システムが出展(関連ニュース)。同社ではVRに関する技術課題として、コンテンツの解像度が2K〜4Kであること、フレームレートはカメラの制約により30fpsが主流であること、そしてヘッドマウントディスプレイはハイエンドのものでも片目が1K程度であるとする。そこで再生負荷を軽減した8K相当品質のVR視聴の実現に向けて、高品質パノラマ映像視聴システムを開発したとしている。
全天周8K(7,860×3,840)の高解像度映像を、NTTの映像技術である「パノラマ超エンジン」を用いて分割再生。頭の向きに合わせて映像を高解像度配信し、見ていない部分は低解像度で配信することで配信伝送帯域を削減。8Kデコードから2Kデコード×2に再生負荷を軽減し、パソコンでの再生を可能としているという。
ヘッドマウントディスプレイにはIGZOの2K×2K/1008ppiのディスプレイを採用。また音響にはヤマハの立体音響技術「ViReal(バイリアル)」を用いており、64chワンポイントマイクでの収録から編集、ヘッドホンやマルチchスピーカーなどの環境に応じたレンダリングなど、録音から再生までの立体音響VRをサポートしている(関連ニュース)。
コンテンツは、琴や日本舞踊、バイオリンにクラシックバレエ、サックスにダンス、マリンバ、フラメンコなどがコラボレーションした音楽舞踊VR映像と、沖縄の伝統をテーマに世界遺産の勝連城や浜比嘉島で撮影されたVR映像を用意。
こうした取り組みについて同社の担当者は「8K/60fpsのVR映像が世の中になかったので、どういったものになるのか試してみたかった。5G回線であれば伝送できるようになることも普及におけるポイント。ハイスペック・ハイクオリティなVR映像を体験してもらいたい」とコメントした。
■パナソニック
パナソニックのブースでは、ライフスタイルにIoTやAIなどの最新技術を活かすための技術提案が、多数のシーンに合わせてデモされた。
温度感知や加速度センサー、LEDなどさまざまな機能を持ったパッチを衣服などに縫い付ける「ウェアラブルメーカーパッチ」は、しなやかで曲面や伸縮する布に貼り付けられ、アイロンにも耐えることが可能。色やサイズ、機能などの自由度が高く、後付けも可能という技術だ。
会場では実際に子供服に縫い付けたものが用意され、「子どもの心拍数などを計測して親のスマートフォンに信号を送る、逆に食事の時間に合わせて親が送った信号を受けてブザーを鳴らす、といった使い方ができる。ほかにもクッションにつけて家電を操作する、ライブ会場で曲に合わせてLEDを光らせるといった、色々な活用が行える」と説明。技術としてはほぼ完成しており、どのように実用化されるかは今後検討されていくという。
また、通常のカメラで捉えた人間の表情だけでなく、サーモカメラから得られる皮膚温度や放熱量といった生体情報から、感情、眠気、温冷感といった感情・体調をセンシングするシステムもデモ。2種類のカメラだけで複数の生体情報を高度に可視化し、驚いた顔や笑顔といった表情だけでは認識しづらい感情も高精度に推定することができるという。
活用シーンとして、まずは顧客の好みを分析するといったマーケティングへの利用、ユーザーのストレスなどを可視化してしてより使いやすい製品を開発することなどに用いられるとしている。コミュニケーションロボットなどへの搭載については「得られた情報に対してどのように返答、対応するのか、といった回答技術をより向上させる必要がある」と課題が挙げられた。
■レノボ・ジャパン
レノボ・ジャパンのブースでは、NTTドコモのAIエージェントAPIを搭載したNECパーソナルコンピュータのスマートスピーカー「Smart Speaker with plusbenlly」のプロトタイプが参考出展された。発売時期や価格などは未定。
plusbenllyはNECパーソナルコンピュータとキュレーションズが共同開発するIoTプラットフォーム。このplusbenllyと音声入力の連携により、家電操作や音楽再生、ウェブサービス検索に対応しているという。
NTTドコモのAIエージェントAPIを採用した理由については、まず日本語であること、そして日本語に対応しているAPIがCortana、LINE、NTTドコモなど限られているなかで、技術的に組み込みやすかったということなどが挙げられた。
メインエージェントに「グルメ」や「家電制御」「音楽再生」などについて呼びかけると、それぞれの項目に対応するエージェントが起動、さらに詳細な情報を音声入力していくという対話形式で操作が行える。用意されたプロトタイプではメインエージェントはNTTドコモの「SEBASTIEN(セバスチャン)」となっており、「Alexa」や「OK Google」といったウェイク・ワードは必要ないが、現状ではNTTドコモのAIエージェントAPIの仕様から「お願い」がキーワードになっているとのことだ。
音声認識システムについては、「Smart Information with Voice」としてパソコン用ソフトも提供。上記のスマートスピーカーで可能なことはすべて行えるとしており、デザインなどはさらに開発を進めていくという。こちらも発売時期などは未定となる。
そのほかスマートホームのジャンルとして、体重計などと連携して鏡に映った人物の体調などの情報を提供する「Smart Mirror for Healthcare」、ゴルフのスイングチェックや服装のコーディネートをアドバイスするなどの機能を持った「Smart Mirror for My Room」といった製品も参考展示された。
ARの取り組みでは、スマートフォンと接続して使用する「Lenovo Mirage ARヘッドセット」、ヘッドセットとBluetoothでペアリングすることでコントローラー兼ポインターとなる「ライトセーバー・コントローラー」、プレーヤーの動きを検出する「トラッキング・ビーコン」がセットとなった「Star Wars/ジェダイ・チャレンジ」を展示。こちらは10月中旬より予約開始で、価格は30,800円(税抜)。商品出荷は11月中旬が予定されている。
内容はカイロ・レンやダース・ベイダーとライトセーバーで戦う「ライトセーバー・バトル」、反乱軍を率いて帝国軍と戦う「戦略バトル」、ホログラフィック・エイリアンたちを用いる「ホロチェス」の3つ。ライトセーバー・コントローラーはシーンに合わせて振動する仕様で、それぞれ3分程度楽しめるという。
■NEC
NECは、音声認識やヒアラブルデバイスに向けたAPIなどを紹介した。同社の音声認識技術では、ロボットやスマートスピーカーなど音声操作に対応する機器において、ユーザーの声を登録させることで、騒がしい場所でも声を聞き分ける、テレビなどの音声に反応して勝手に買い物を行ってしまうといったトラブルに対処できる、といった利点があるという。
この音声認識技術については、パソコンのソフトと合わせて利用するかたちのデモが用意。フリーテキストで長くとも10秒程度の言葉を話せば、個人の声の登録が完了する。また声の登録件数も数千規模まで可能で、この汎用性の高さから、例えばコールセンターなどでの認証なども容易になるほか、入退室管理や犯罪捜査などにも利用できるという。またスマートスピーカーでの利用でも、クラウドを活用することでフリーテキストによる対応機能を持たせることができるとしている。
ヒアラブルデバイスでは、顔の向きに関係なく音源を任意の位置で固定する音響AR技術を実現。装着者の位置・体勢を測位して、生活空間上に音を配置することで、AR/MRサービスにさらにリアリティを持たせることができる世界初の技術としている。
同技術をVRデバイスへと応用することも可能とのこと。その実用化に向けては「イヤホンなどのハードを開発するメーカーと共同で進めていくことができれば」と担当者より語られた。
■日立製作所
日立製作所のブースでは、少子高齢化や長時間労働などの社会課題に対し、同社のソリューションを活用した近未来の生活コンセプトがシーン別に紹介された。なかでもシニア向けコミュニケーションロボットとしては、「表情をつけることで高齢者が話しかけやすいようにした」というコンセプト製品が参考展示された。
内蔵のカメラにより使用者の表情を読み取り、それにあった表情を返すという仕様で、スマートスピーカーなどと同様に音声認識で買い物などを行うことも想定しているという。また会場のデモ映像では高齢者が1日に何度も同じものを買うことを認識して認知症の可能性を早期に読み取る、といったシーンが流されており、「スマートスピーカーの先にある存在として開発を進めている」という生活に溶け込むロボットの存在がアピールされた。
また、2018年度中のサービスインを目指しているという支援ロボット「EMIEW3(エミュー3)」も展示。実際に羽田空港や東京駅などで実証実験が進められているという。スタンドアローンだった「EMIEW2」に対して、こちらはクラウド上のロボットIT基盤で知能処理を行う点に大きな変更があり、複数ロボットのデータ共有やシームレスな連携が行えるという。導入は受付案内などが想定され、用途によってプログラムを行っていくとしている。