新社長鈴村文徳氏が語る新中期戦略
プロジェクターでコンパクトモデルも投入予告。モノからコト訴求にシフト、エプソン販売の新たな取り組み
2019年4月よりエプソン販売(株)新社長に就任した鈴村文徳氏が、2019年度以降同社の中期戦略について発表を行った。
エプソングループの本体であるセイコーエプソン(株)では、よりよい社会の実現のためになくてはならない会社であることを標榜し、長期ビジョン「EPSON25」を掲げ、インクジェット、ビジュアル、ウェアラブル、ロボティクスの4つの領域でのイノベーションの実現を目指す。2016年度〜2018年度の第1期を終え、2019年度から2021年度までの第2期を迎えた。
セイコーエプソンでの第1期活動を振り返り、鈴村氏は「スマート、環境、パフォーマンスをキーワードに掲げ、インクジェットプリンターや紙を再生するペーパーラボでのスマートなオフィス環境の提供実現、プロジェクターでの空間演出提案の活動といった取り組みで商品ラインナップは次々に投入したものの、克服すべき課題がある」と警鐘を鳴らす。
特に問題視されるのは販売面。「新しい商品が出たにも関わらず、第1期売上げはほぼ横ばい。8%を目指したROSは6%の実績」。グループの第1期総括として「環境の変化に対し、描いた中期シナリオが当てはまりにくい。高速ラインインクジェットプリンター、商業産業系商品、ロボットといった新しいカテゴリーでは、既存の販売ルートやノウハウとは違う内容で取り組まなくては。販売の基盤ができておらず、B to Bに対する経験やノウハウが不足し、商品はいいが売り方がそれに見合っていない」と指摘した。
そこで第2期以降は販売を強化。4つの領域のイノベーションは継続し、「営業機能を国内のみならず海外も強化、販売に対してセイコーエプソングループとしてもっと力を入れていく」と語った。エプソン販売の前社長である佐伯直幸氏は現在セイコーエプソンの営業本部長に就任しており、グローバル営業を束ねる立場として世界の販売を強化するという。
そしてエプソン販売の第1期総括では、「売上げはこの3年間ほぼ横ばい。新しいカテゴリーに参入できたが、家庭用インクジェットプリンターの売上げのダウントレンドが大きい。レーザープリンター領域のインクジェット化もマイナス。これらが成長領域を相殺した」とし、「第2期は何としても成長へもっていく。商品は出そろいネタはある。新参入したマーケットも国内だけで1兆数千億円と規模も大きい。あとはここでシェアを伸ばすだけ」と力を込めた。
第2期の取り組みとしては、「エプソンは商品力が強く、モノの価値を伝える訴求をしてきたが、お客様には届ききらなかった反省がある。そこでモノではなくコトの価値を伝える。モノで勝負する会社だからこそ、そこにコトの価値を加味してお客様にアピールし、ゲームチェンジを起こす」という。
具体的には「デジタルトランスフォーメーション。デジタル化のトレンドをあらためてしっかり捕まえ、我々の商品、サービスをお客様にしっかりお伝えする。独創的な商品にコトの価値を付加してお届けしていく」とする。「デジタルトランスフォーメーションをあらゆる方向に起こし、お客様、社内、販売パートナーに対して情報をリアルタイムにお届けする。モノの価値をコトの価値に翻訳する際にデジタルが早道。ビジネスモデルをサブスクリプション型に変える」。さらにコトの価値に変換しての強みの訴求として、エプソン販売の新宿の本社を舞台にエコなオフィスを自ら実現するという(2019年度夏頃稼働予定)。
スマートチャージのコピー機ビジネスについては「非常に競争が厳しい分野にエプソンは最後発として出た。商品はいいがお客様の心になかなか響かない」として、モノを売るよりも利用してもらうことに価値を置いた展開としていく。個人向けプリンターのビジネスモデルも変換し、写真の趣味をより楽しみ、プリントを気兼ねなく楽しむ方向を推進する。
ビジネスプロジェクターでは、空間演出による新たなコト体験の価値訴求を拡大する。家庭用プロジェクターは、「しっかりと取り組みたい」とし、市場がなかなか広がらない日本の状況に対して中国市場の過熱ぶりを指摘。「ディスプレイを買うのは古臭いイメージとなり、皆で写真や動画を楽しむ方向で若い人を中心にプロジェクターが受け入れられている。我々も今一度仕切り直して、体験をお客様に伝えられるようなアクションをとりたい」として、「近々新しい、今までにないコンパクトなモデルを投入する」と予告した。
最後に鈴村氏は「コトの価値をしっかり伝えられるよう、プロモーションや販売のやり方、ビジネスモデルの作り方を変えてお客様にお届けする。ひと工夫してお届けするのが、新しいエプソンのバリューチェーン。しっかりやりきっていく」と締めくくった。
エプソングループの本体であるセイコーエプソン(株)では、よりよい社会の実現のためになくてはならない会社であることを標榜し、長期ビジョン「EPSON25」を掲げ、インクジェット、ビジュアル、ウェアラブル、ロボティクスの4つの領域でのイノベーションの実現を目指す。2016年度〜2018年度の第1期を終え、2019年度から2021年度までの第2期を迎えた。
セイコーエプソンでの第1期活動を振り返り、鈴村氏は「スマート、環境、パフォーマンスをキーワードに掲げ、インクジェットプリンターや紙を再生するペーパーラボでのスマートなオフィス環境の提供実現、プロジェクターでの空間演出提案の活動といった取り組みで商品ラインナップは次々に投入したものの、克服すべき課題がある」と警鐘を鳴らす。
特に問題視されるのは販売面。「新しい商品が出たにも関わらず、第1期売上げはほぼ横ばい。8%を目指したROSは6%の実績」。グループの第1期総括として「環境の変化に対し、描いた中期シナリオが当てはまりにくい。高速ラインインクジェットプリンター、商業産業系商品、ロボットといった新しいカテゴリーでは、既存の販売ルートやノウハウとは違う内容で取り組まなくては。販売の基盤ができておらず、B to Bに対する経験やノウハウが不足し、商品はいいが売り方がそれに見合っていない」と指摘した。
そこで第2期以降は販売を強化。4つの領域のイノベーションは継続し、「営業機能を国内のみならず海外も強化、販売に対してセイコーエプソングループとしてもっと力を入れていく」と語った。エプソン販売の前社長である佐伯直幸氏は現在セイコーエプソンの営業本部長に就任しており、グローバル営業を束ねる立場として世界の販売を強化するという。
そしてエプソン販売の第1期総括では、「売上げはこの3年間ほぼ横ばい。新しいカテゴリーに参入できたが、家庭用インクジェットプリンターの売上げのダウントレンドが大きい。レーザープリンター領域のインクジェット化もマイナス。これらが成長領域を相殺した」とし、「第2期は何としても成長へもっていく。商品は出そろいネタはある。新参入したマーケットも国内だけで1兆数千億円と規模も大きい。あとはここでシェアを伸ばすだけ」と力を込めた。
第2期の取り組みとしては、「エプソンは商品力が強く、モノの価値を伝える訴求をしてきたが、お客様には届ききらなかった反省がある。そこでモノではなくコトの価値を伝える。モノで勝負する会社だからこそ、そこにコトの価値を加味してお客様にアピールし、ゲームチェンジを起こす」という。
具体的には「デジタルトランスフォーメーション。デジタル化のトレンドをあらためてしっかり捕まえ、我々の商品、サービスをお客様にしっかりお伝えする。独創的な商品にコトの価値を付加してお届けしていく」とする。「デジタルトランスフォーメーションをあらゆる方向に起こし、お客様、社内、販売パートナーに対して情報をリアルタイムにお届けする。モノの価値をコトの価値に翻訳する際にデジタルが早道。ビジネスモデルをサブスクリプション型に変える」。さらにコトの価値に変換しての強みの訴求として、エプソン販売の新宿の本社を舞台にエコなオフィスを自ら実現するという(2019年度夏頃稼働予定)。
スマートチャージのコピー機ビジネスについては「非常に競争が厳しい分野にエプソンは最後発として出た。商品はいいがお客様の心になかなか響かない」として、モノを売るよりも利用してもらうことに価値を置いた展開としていく。個人向けプリンターのビジネスモデルも変換し、写真の趣味をより楽しみ、プリントを気兼ねなく楽しむ方向を推進する。
ビジネスプロジェクターでは、空間演出による新たなコト体験の価値訴求を拡大する。家庭用プロジェクターは、「しっかりと取り組みたい」とし、市場がなかなか広がらない日本の状況に対して中国市場の過熱ぶりを指摘。「ディスプレイを買うのは古臭いイメージとなり、皆で写真や動画を楽しむ方向で若い人を中心にプロジェクターが受け入れられている。我々も今一度仕切り直して、体験をお客様に伝えられるようなアクションをとりたい」として、「近々新しい、今までにないコンパクトなモデルを投入する」と予告した。
最後に鈴村氏は「コトの価値をしっかり伝えられるよう、プロモーションや販売のやり方、ビジネスモデルの作り方を変えてお客様にお届けする。ひと工夫してお届けするのが、新しいエプソンのバリューチェーン。しっかりやりきっていく」と締めくくった。