放送分野以外でも8K活用
シャープ、8Kで実現する新たな可能性を提案。「8K Labクリエイティブスタジオ」オープン
シャープは、 法人向け8Kソリューションを創出する核となる商談スペース「8K Labクリエイティブスタジオ」を、東京ビルにオープン。本日、そのメディア向け説明会が実施された。
「8K+5Gエコシステム」をテーマとする専用の商談室を開設するのは、業界で初のこと。本スタジオの特徴は、ショールームではなく商談室として開設されていることにある。8K Labのエグゼクティブ・ディレクター 吉田茂人氏は「業界外からの『カメラも見たことがない、8Kとはどういったものかも知らない』といった方にも、まず体験してもらって、8Kの新たな展開をディスカッションしてもらえる場とする。それが一番のメインストリームと考えています」とコメントする。
スタジオ内には、 商談スペースの他に、8Kの映像制作を簡単に体験できる「8Kカメラの撮影エリア」や、8K映像データを公衆インターネット回線経由で伝送させる「8K映像のIP伝送エリア」、 8K映像の簡易編集を可能にする「8K映像の編集エリア」を常設。これらをベースに、顧客の要望に応じた最適なソリューションを探していくことになる。
8K Labはシャープの8K技術開発、 8Kビジネスの関連組織からなる組織横断型プロジェクトとして発足されており、メンバーは現時点10名強。対象となる事業分野は「インフラ保守」「セキュリティサービス」「スマート会議」「ゲーム・エンターテイメント」「遠隔医療・手術支援」「運転サポート」「教育支援」「スマートホーム」の8つが挙げられているが、これらはあくまでスタート時のものであり、これからさらなる展開を見込む。
シャープの強みは、上述のように同社の8Kに関連した多方面での動きが取れるメンバーで構成されること、そして8Kの特徴要素技術を多く持つことだ。つまり、映像のアップ・ダウンコンバート技術や伝送技術を中心として、VRや空間計測など、直接の関係はなくとも8Kを活かせる技術を保有。それをただ開発するのではなく、どう実装していくか、顧客のニーズをキャッチアップしながら展開することが可能となる。
多くのノウハウからビジネス提案することで、8Kで何ができるようになるのか、という具体的なイメージを顧客と共有できるわけだ。 8K Lab 吉田育弘工学博士は「例えば放送業界で、8Kに全社をあげて取り組むという会社には、放送分野では勝てない。その一方で、8Kを実生活に役立てる、インフラやセキュリティなどの分野で実装する、そういった取り組みにはシャープならではの強みが活かせる」と同社の展開方針を説明する。
また8K Labの目的は「社外のパートナー企業と密接に連携しながら、顧客企業と共創して専用の8Kソリューションをいち早く開発し、社会に普及させていくこと」とされている。こうして8Kの活用事例が増えていくことが「8Kが持つ “テレビが8Kでキレイ” 以上の価値が広まる」ことにつながるのではと同氏は述べた。
先に行われたプレオープンの段階で業種の異なる14社が参加し、7月に入っての予約も埋まってきているとのことで、すでにビジネスが動き始めていることから具体的な事例内容については語られなかったが、一般的な例としてやはり医療分野からの引き合いは大きいという。またゲームやセキュリティ分野からもスタジオに関心が寄せられており、「これまで以上に8Kへの需要が高まっていることを肌で感じる」と実感しているそうだ。
スタジオでは撮影、伝送、編集の各エリアにて、8Kシステムを体感することができる。伝送エリアでは同社の堺事業所に設置されたクラウドサーバーと接続し、8K映像を公衆インターネット回線経由でストリーミング伝送するデモが実施されるが、8Kの伝送には5G環境の構築が重要となる。
実際、「5Gと8Kの親和性は高い」ということで、NTTドコモは京都の渡月橋にて8K映像を用いた5G実証実験を行っている。また5Gで平均100Mbpsの通信が行えるとされているが、いざスタートすれば様々な要因からそのスペックが確保できなくなることも予想される。それを踏まえ、8Kを伝送できるプランを用意するといった話し合いをキャリアとも行っているという。
ほか、シャープ独自のAPI(8K関連映像処理機能)がクラウドにアップされており、これを利用して、例えば配信業者は4K映像のみを配信し、視聴者にはシャープクラウドを介して4Kネイティブ映像/8Kにアップコンバート/2Kにダウンコンバートの3パターンが届けられる、といったクラウドサービスも提供される。
8K Labクリエイティブスタジオは、ただ8K機材や技術スタッフをレンタルする、といったものではなく、ソリューションを顧客と協創し、事業開拓を行っていくものだ。8Kだからできること、できるようになることが様々な分野で生み出され、発展していく可能性に期待したい。
「8K+5Gエコシステム」をテーマとする専用の商談室を開設するのは、業界で初のこと。本スタジオの特徴は、ショールームではなく商談室として開設されていることにある。8K Labのエグゼクティブ・ディレクター 吉田茂人氏は「業界外からの『カメラも見たことがない、8Kとはどういったものかも知らない』といった方にも、まず体験してもらって、8Kの新たな展開をディスカッションしてもらえる場とする。それが一番のメインストリームと考えています」とコメントする。
スタジオ内には、 商談スペースの他に、8Kの映像制作を簡単に体験できる「8Kカメラの撮影エリア」や、8K映像データを公衆インターネット回線経由で伝送させる「8K映像のIP伝送エリア」、 8K映像の簡易編集を可能にする「8K映像の編集エリア」を常設。これらをベースに、顧客の要望に応じた最適なソリューションを探していくことになる。
8K Labはシャープの8K技術開発、 8Kビジネスの関連組織からなる組織横断型プロジェクトとして発足されており、メンバーは現時点10名強。対象となる事業分野は「インフラ保守」「セキュリティサービス」「スマート会議」「ゲーム・エンターテイメント」「遠隔医療・手術支援」「運転サポート」「教育支援」「スマートホーム」の8つが挙げられているが、これらはあくまでスタート時のものであり、これからさらなる展開を見込む。
シャープの強みは、上述のように同社の8Kに関連した多方面での動きが取れるメンバーで構成されること、そして8Kの特徴要素技術を多く持つことだ。つまり、映像のアップ・ダウンコンバート技術や伝送技術を中心として、VRや空間計測など、直接の関係はなくとも8Kを活かせる技術を保有。それをただ開発するのではなく、どう実装していくか、顧客のニーズをキャッチアップしながら展開することが可能となる。
多くのノウハウからビジネス提案することで、8Kで何ができるようになるのか、という具体的なイメージを顧客と共有できるわけだ。 8K Lab 吉田育弘工学博士は「例えば放送業界で、8Kに全社をあげて取り組むという会社には、放送分野では勝てない。その一方で、8Kを実生活に役立てる、インフラやセキュリティなどの分野で実装する、そういった取り組みにはシャープならではの強みが活かせる」と同社の展開方針を説明する。
また8K Labの目的は「社外のパートナー企業と密接に連携しながら、顧客企業と共創して専用の8Kソリューションをいち早く開発し、社会に普及させていくこと」とされている。こうして8Kの活用事例が増えていくことが「8Kが持つ “テレビが8Kでキレイ” 以上の価値が広まる」ことにつながるのではと同氏は述べた。
先に行われたプレオープンの段階で業種の異なる14社が参加し、7月に入っての予約も埋まってきているとのことで、すでにビジネスが動き始めていることから具体的な事例内容については語られなかったが、一般的な例としてやはり医療分野からの引き合いは大きいという。またゲームやセキュリティ分野からもスタジオに関心が寄せられており、「これまで以上に8Kへの需要が高まっていることを肌で感じる」と実感しているそうだ。
スタジオでは撮影、伝送、編集の各エリアにて、8Kシステムを体感することができる。伝送エリアでは同社の堺事業所に設置されたクラウドサーバーと接続し、8K映像を公衆インターネット回線経由でストリーミング伝送するデモが実施されるが、8Kの伝送には5G環境の構築が重要となる。
実際、「5Gと8Kの親和性は高い」ということで、NTTドコモは京都の渡月橋にて8K映像を用いた5G実証実験を行っている。また5Gで平均100Mbpsの通信が行えるとされているが、いざスタートすれば様々な要因からそのスペックが確保できなくなることも予想される。それを踏まえ、8Kを伝送できるプランを用意するといった話し合いをキャリアとも行っているという。
ほか、シャープ独自のAPI(8K関連映像処理機能)がクラウドにアップされており、これを利用して、例えば配信業者は4K映像のみを配信し、視聴者にはシャープクラウドを介して4Kネイティブ映像/8Kにアップコンバート/2Kにダウンコンバートの3パターンが届けられる、といったクラウドサービスも提供される。
8K Labクリエイティブスタジオは、ただ8K機材や技術スタッフをレンタルする、といったものではなく、ソリューションを顧客と協創し、事業開拓を行っていくものだ。8Kだからできること、できるようになることが様々な分野で生み出され、発展していく可能性に期待したい。