新エンジンの機能も解説
東芝、次世代8Kレグザエンジン搭載テレビの試作機を展示。88型8K有機EL採用
東芝映像ソリューション(株)は、現在鋭意開発中という、8Kレグザエンジン搭載テレビの試作展示を行った。画面サイズは88型で、有機ELパネルを採用している。発売時期は未定。なお、8Kチューナーを内蔵した8Kテレビの開発も進めているとのことだが、こちらの販売時期も未定で、「市場性など、様々な観点から検討している」とのことだ。
試作機には、新エンジン「8K REGZA ENGINE PROFESSIONAL」を搭載。2回の再構成処理によって、8K映像のフォーカス感を精細に復元する機能を搭載しているほか、8K補間フレームを生成して倍速表示を行い、表示ぼやけも抑制するという。
また新エンジンは、クラウドにも接続することが可能。番組ごとの映像解析情報をクラウド上に構築し、それぞれの番組に適した映像パラメーターを試用する「クラウド高画質テクノロジー」も搭載する。なお映像パラメーターは、個別の番組ごとに用意することを想定しているという。
タイムラプス/ハイパーラプス クリエーターである清水大輔氏の個展「そこにある光」が11月14日からはじまり、その展示に8Kレグザエンジン搭載テレビの試作機が使われている。なお清水氏の個展は11月17日まで、東京・渋谷のTokyo Arts Galleryにて行われている。
本日同会場にて、8Kレグザエンジン搭載テレビのメディア向け説明会が開催された。
東芝映像ソリューション R&Dセンター オーディオビジュアル技術開発部 部長の山内日美生氏が、8Kエンジンの技術的な部分の説明を行った。
まず山内氏は、今回のエンジンについて「今回の8K時代を見据え、8K有機ELや8K液晶など、様々な8Kデバイスに対応させた」ものと紹介。複数デバイスに対応させたエンジンをいち早く開発したことを強調した。
開発にあたってのキーポイントは「フォーカス感」と山内氏は紹介。「良い8K映像になると復元する余地は少ないと思えるが、実はよく見ていくと、高画質なコンテンツであっても圧縮や動画ぼやけが発生している。特にアプコンした映像は顕著だ。それらの映像の奥行き感、立体感、実物感を復元するため、『8Kフォーカス復元』を開発した」という。
なお8Kフォーカス復元では、同社が得意とする再構成処理を2回行っているとのこと。「なぜ2回も行うのかというと、そうすることで8Kのナチュラルさを損なわずに復元できるから」と山内氏は説明する。
そして、「せっかく良い信号を作れても、表示する段階でぼやけては意味がない」という考えから、120fpsの倍速表示機能にも対応させたのだという。
さらに山内氏は、「REGZAの今後の高画質の方向性」として、先述した、クラウドから番組に最適な調整情報を取得する新機能を紹介した。
「東芝ではこれまでもAIを使ったりして、視聴環境や視覚特性、映像解析結果に応じて自動画質調整を進化させてきた」と山内氏は述べ、「クラウドを使うことで、さらに踏み込んだ画質調整ができる。もっともっと自由に、REGZAエンジンが進化することをねらっている」と続けた。
なお、このクラウドを使った高画質化技術について、同社 取締役上級副社長の安木成次郎氏は「次のイノベーションとなりうる技術」と紹介。「20年間に渡って、映像エンジンを内製化してきたのが我々のDNA。深層学習もかなり進展してきたが、クラウドによってさらに画質は上げられる。さらに我々はこの次の、いわゆる『次々世代』エンジンの開発にも着手している。今後も高画質を追求していきたい」と表明した。
■8K有機EL REGZAは「クリエーター泣かせの画質」
続いてメディア向け説明会では、タイムラプス/ハイパーラプス クリエーターの清水大輔氏と、東芝の本村裕史氏によるトークセッションが行われた。
二人は、REGZAの店頭用デモコンテンツを作る際、本村氏が清水氏の作品を見初めたことから出会ったのだという。
本村氏は、「店頭用コンテンツというのは非常に大事で、我々も毎回、こだわりを持って作っている。カメラもレンズも最高のものを使っている。ただし尺が足りないことも起き、そういうときは外部から素材というかたちで納品を頂くこともある。そんなとき、たまたま見つけた作品が清水さんのもので。こりゃすごいぞ、と(同社映像技術担当の)住吉と盛り上がった」と出会ったきっかけを紹介。その後実際に会い、これまで何度か仕事を一緒にしてきたのだという。
そして今回、清水さんが個展を開くということで、REGZAがディスプレイなどを提供したという流れになる。
清水氏は、日本初のタイムラプス/ハイパーラプス専門クリエーター。「この仕事をはじめて7年目。タイムラプスやハイパーラプスというのは、動画ではなく、静止画の集合体。動く写真展というのがあってもよいのではないか、と考えた」と今回の個展について紹介した。
一言でタイムラプス/ハイパーラプスと言っても、その撮影は困難を極めることも多いという。時には一眼レフを手持ちで連続撮影し続けることも。そんなときは「気合いと根性で乗り切る」のだとか。
清水氏は「これまで何回も。4K有機REGZAを見させて頂いていますが、色味、コントラスト、立体感など、自分の想像したものを超えて表現されるのはREGZAしかない」と同社の画作りを絶賛した。
その上で「しかも今回は8Kなので、さらに表現力が高まっています。ただし、撮影時のアラも顕著に出てしまう、クリエーター泣かせの画質ですね(笑)。とはいえ、ともかくこの映像は素晴らしいと思いました」と語った。
試作機には、新エンジン「8K REGZA ENGINE PROFESSIONAL」を搭載。2回の再構成処理によって、8K映像のフォーカス感を精細に復元する機能を搭載しているほか、8K補間フレームを生成して倍速表示を行い、表示ぼやけも抑制するという。
また新エンジンは、クラウドにも接続することが可能。番組ごとの映像解析情報をクラウド上に構築し、それぞれの番組に適した映像パラメーターを試用する「クラウド高画質テクノロジー」も搭載する。なお映像パラメーターは、個別の番組ごとに用意することを想定しているという。
タイムラプス/ハイパーラプス クリエーターである清水大輔氏の個展「そこにある光」が11月14日からはじまり、その展示に8Kレグザエンジン搭載テレビの試作機が使われている。なお清水氏の個展は11月17日まで、東京・渋谷のTokyo Arts Galleryにて行われている。
本日同会場にて、8Kレグザエンジン搭載テレビのメディア向け説明会が開催された。
東芝映像ソリューション R&Dセンター オーディオビジュアル技術開発部 部長の山内日美生氏が、8Kエンジンの技術的な部分の説明を行った。
まず山内氏は、今回のエンジンについて「今回の8K時代を見据え、8K有機ELや8K液晶など、様々な8Kデバイスに対応させた」ものと紹介。複数デバイスに対応させたエンジンをいち早く開発したことを強調した。
開発にあたってのキーポイントは「フォーカス感」と山内氏は紹介。「良い8K映像になると復元する余地は少ないと思えるが、実はよく見ていくと、高画質なコンテンツであっても圧縮や動画ぼやけが発生している。特にアプコンした映像は顕著だ。それらの映像の奥行き感、立体感、実物感を復元するため、『8Kフォーカス復元』を開発した」という。
なお8Kフォーカス復元では、同社が得意とする再構成処理を2回行っているとのこと。「なぜ2回も行うのかというと、そうすることで8Kのナチュラルさを損なわずに復元できるから」と山内氏は説明する。
そして、「せっかく良い信号を作れても、表示する段階でぼやけては意味がない」という考えから、120fpsの倍速表示機能にも対応させたのだという。
さらに山内氏は、「REGZAの今後の高画質の方向性」として、先述した、クラウドから番組に最適な調整情報を取得する新機能を紹介した。
「東芝ではこれまでもAIを使ったりして、視聴環境や視覚特性、映像解析結果に応じて自動画質調整を進化させてきた」と山内氏は述べ、「クラウドを使うことで、さらに踏み込んだ画質調整ができる。もっともっと自由に、REGZAエンジンが進化することをねらっている」と続けた。
なお、このクラウドを使った高画質化技術について、同社 取締役上級副社長の安木成次郎氏は「次のイノベーションとなりうる技術」と紹介。「20年間に渡って、映像エンジンを内製化してきたのが我々のDNA。深層学習もかなり進展してきたが、クラウドによってさらに画質は上げられる。さらに我々はこの次の、いわゆる『次々世代』エンジンの開発にも着手している。今後も高画質を追求していきたい」と表明した。
■8K有機EL REGZAは「クリエーター泣かせの画質」
続いてメディア向け説明会では、タイムラプス/ハイパーラプス クリエーターの清水大輔氏と、東芝の本村裕史氏によるトークセッションが行われた。
二人は、REGZAの店頭用デモコンテンツを作る際、本村氏が清水氏の作品を見初めたことから出会ったのだという。
本村氏は、「店頭用コンテンツというのは非常に大事で、我々も毎回、こだわりを持って作っている。カメラもレンズも最高のものを使っている。ただし尺が足りないことも起き、そういうときは外部から素材というかたちで納品を頂くこともある。そんなとき、たまたま見つけた作品が清水さんのもので。こりゃすごいぞ、と(同社映像技術担当の)住吉と盛り上がった」と出会ったきっかけを紹介。その後実際に会い、これまで何度か仕事を一緒にしてきたのだという。
そして今回、清水さんが個展を開くということで、REGZAがディスプレイなどを提供したという流れになる。
清水氏は、日本初のタイムラプス/ハイパーラプス専門クリエーター。「この仕事をはじめて7年目。タイムラプスやハイパーラプスというのは、動画ではなく、静止画の集合体。動く写真展というのがあってもよいのではないか、と考えた」と今回の個展について紹介した。
一言でタイムラプス/ハイパーラプスと言っても、その撮影は困難を極めることも多いという。時には一眼レフを手持ちで連続撮影し続けることも。そんなときは「気合いと根性で乗り切る」のだとか。
清水氏は「これまで何回も。4K有機REGZAを見させて頂いていますが、色味、コントラスト、立体感など、自分の想像したものを超えて表現されるのはREGZAしかない」と同社の画作りを絶賛した。
その上で「しかも今回は8Kなので、さらに表現力が高まっています。ただし、撮影時のアラも顕著に出てしまう、クリエーター泣かせの画質ですね(笑)。とはいえ、ともかくこの映像は素晴らしいと思いました」と語った。