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LC3コーデック採用

<CES>Bluetoothの次世代音声規格「LEオーディオ」。SBCより高品位、マルチストリームも

公開日 2020/01/07 12:43 編集部:押野 由宇
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Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、次世代のBluetooth Audioとして、「LEオーディオ」を近日リリースすることを発表した。LEオーディオの詳細が記載されたBluetoothの仕様書は、2020年前半に提供開始される予定。

次世代規格「LEオーディオ」発表

Bluetooth Audioでは2つのオペレーションモードをサポートし、LEオーディオはBluetooth LE Radio、Classic AudioはBluetooth Classic Radioで稼働するものとなる。LEオーディオは、Classic Audioと同種のオーディオ製品やユースケースに対応しながらも、パフォーマンス向上のための様々な新機能を追加している。

より高品質で低消費電力の低複雑性コミュニケーションコーデックとして、Low Complexity Communication Codec(LC3)を採用。低データレートでありながら高い品質を保持するとしており、このLC3によって、開発者はオーディオ品質や消費電力など、製品のスペックをさらに高められると説明されている。

Fraunhofer IIS(集積回路研究所)のAudio for Communications部門長を務めるManfred Lutzky氏は「様々なリスニングテストの結果、LC3のビットレートが50%と低い中で、オーディオ品質においてClassic AudioのSBCコーデックを上回ることが裏付けられました。つまり、開発者はこの省電力性を活用することで、さらにバッテリー寿命の長い、あるいは現在の寿命が十分に長い場合はより小型化されたバッテリーを使用して、フォームファクターを抑えた製品開発が可能となるのです」と述べている。

LC3とSBCの比較グラフ

またLEオーディオでは、スマートフォンなどソース機器から、複数のワイヤレスイヤホンなどへオーディオストリームをマルチ配信したり、独立配信・同期配信などを可能にする「マルチ・ストリーム・オーディオ機能」にも対応している。

これにより、より良い立体音像の実現やシームレスな音声アシスタントサービスの充実、複数台のオーディオデバイスのスムーズな切り替えなど、ワイヤレスイヤホンをはじめとしたデバイスのパフォーマンスをさらに改善できるとしている。

そのほか、補聴器の機能もサポート。欧州補聴器メーカー協会事務総長のStefan Zimmer氏は「LEオーディオは、補聴器や人工内耳を使用している方々にとって、最も重要な技術革新の一つ。数年後には、ほとんどの電話やテレビは、聴覚に障害のある方々も健聴者と同等に楽しめる」とアピールする。

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