費用抑制図りつつ今後を見据えた準備も整える
エプソン、'20年1Q決算発表。新型コロナウィルスがマイナス影響も在宅需要でプリンター健闘
セイコーエプソン(株)は2020年度第一四半期の決算説明会をオンラインにて開催。代表取締役社長の小川恭範氏が説明を行った。
2020年度1Qの決算内容は以下のとおり。売上収益は新型コロナウィルス影響の拡大による世界各地の経済活動後退、プリンター、プロジェクターなどの工場で稼働停止した影響もあり前年同期比564億円減収の1,932億円。一方事業利益は対前年同期1億円減益となる 43億円。プリンター事業で在宅学習・勤務の印刷需要拡大でインク売上収益増加が継続した。さらに事業活動の低下で徹底した費用の抑制や削減を実施。プロジェクターや商業産業IJP、ウォッチでは需要が急激に低下し在庫増加があった。
新型コロナウィルスの影響は1Qで拡大、各地で経済活動停滞、大部分の事業や商品で需要が大きく落ち込んだ。生産への制約も発生し、供給が滞る局面も発生。一方では、SOHO ホーム向けプリンターなどで在宅需要が継続拡大、インクの売上収益は前年度から大きく増加した。売上収益合計では530億円程度の大きなマイナス影響を受けた。
事業セグメント別、プリンティングソリューションズでは減収減益。売上収益はSIDMプリンターが大幅減収、インクジェットプリンターは前年同期並み。インクジェットプリンター市場はエマージング地域でコロナウィルス拡大により大きく落ち込み、中国、北米、欧州、日本では在宅の印刷需要拡大が継続。エマージング地域で大容量インクタンクモデルの販売減少したが、先進国では大容量インクモデル増加。生産制約を受けたカートリッジ本体は減少した。
オフィス・ホームIJPはインク販売が落ち込み、前年同期を下回ったが、日本で昨年度から取り組んでいた文教向け販売が拡大、本体の販売は前年同期並みの売上収益を確保した。セグメント利益は増益に。
ビジュアルコミュニケーションは、厳しい結果に。プロジェクターは各地のコロナウィルス拡大で企業休業、学校の休校、イベント中止で市場が大きく落ち込み、売上収益は半減。セグメント利益も減益に。ウェアラブルも減収。コロナウィルス拡大でウォッチ市場が大きく縮小、国内外で販売減少した。
2020年度通期業績予想としては、前年同期を少し下回る前提。コロナウィルスの影響は下期にかけ収束に向かいつつも、回復に遅れのある地域も存在する。1Qの生産の滞りは回復、6月末には平常化したが、2Q以降も一部供給不足が継続する。2Qは販売の100%回復は見込めず、事業利益は大きく落ち込み50億円超程度の損出を見込む。コロナ影響は売上収益で1400億円程度のマイナスを見込む。
2020年度取り組みにも言及。「厳しい環境を認識して運営する」とした上で、徹底した費用抑制、一方でコロナウィルスの鎮静化をみきわめ一気に投入できる準備も整える。中期的には社会変化を見据え、強化領域の商業産業IJPやオフィス共有IJP、ロボティクスなどは拡大のスピードを上げるとする。経営資源のアロケーションを進め、外部環境の変化に備える。財務環境強化として、5月にコミットメントライン契約締結、環境面の取り組み強化で同社初のグリーンボンド発行を実施した。
NewNormalを見据え戦略の再確認を進める。社会変化がスピードを増す状況を踏まえ、Epson25、第二期中期計画の方向性に変更はないが、イノベーション実現にさらなる加速の必要性を認識する。新たな商品やサービスの提供、ビジネスモデル変革の機会と捉え、複数拠点、分散化を拡大、取り組みを加速する。業務プロセス、仕事の進め方への変化の必要性も強調。制度面の充実、社会環境への対応も進めるとした。
セグメント別の需要動向と取り組みでは、プリンティングソリューションズは先進国中心に在宅学習・勤務の需要が落ち着きを見せつつ、一定程度継続すると見る。本体一部商品は、供給先のコントロールを実施し、需要に最大限対応する。在宅需要の発生はエプソンに追い風、長期的に環境性能、印刷コスト、メンテナンスコストを訴求するチャンスと捉え、販売拡大を継続する。
ビジュアルコミュニケーションでは、企業や学校、イベントの需要は下期には回復するとみて、プロジェクターは高い市場プレゼンスを生かし、案件を受注にむすびつけ、市場シェア拡大につとめる。フラットパネルディスプレイの価格低下が今後も続くことから、2021年度以降もプロジェクター市場は縮小すると見て、事業戦略の際検討を実施する。フラットパネルディスプレイに追随できない大画面を実現する高光束領域へ注力し、事業オペレーションの効率化を進める。プロジェクター市場は前年度比マイナス35%程度の市場縮小が進むと見るが、シェアを一層拡大させ、効率的な費用執行を実施する。
中長期的な企業価値向上に向けては、「企業価値の向上こそ防衛策」として買収防衛策を廃止。さらに7月にエプソン初のグリーンボンド発行を実施し、75社より投資表明があり、一般事業法人のSDGs債市場、過去最大の件数とした。
小川氏は「人々がもっと豊かで幸せを感じられる持続可能な社会をつくるには、各事業領域でイノベーションを起こす必要がある。厳しい環境下だが実現に向けしっかり経営の舵をとる」と締めくくった。
2020年度1Qの決算内容は以下のとおり。売上収益は新型コロナウィルス影響の拡大による世界各地の経済活動後退、プリンター、プロジェクターなどの工場で稼働停止した影響もあり前年同期比564億円減収の1,932億円。一方事業利益は対前年同期1億円減益となる 43億円。プリンター事業で在宅学習・勤務の印刷需要拡大でインク売上収益増加が継続した。さらに事業活動の低下で徹底した費用の抑制や削減を実施。プロジェクターや商業産業IJP、ウォッチでは需要が急激に低下し在庫増加があった。
新型コロナウィルスの影響は1Qで拡大、各地で経済活動停滞、大部分の事業や商品で需要が大きく落ち込んだ。生産への制約も発生し、供給が滞る局面も発生。一方では、SOHO ホーム向けプリンターなどで在宅需要が継続拡大、インクの売上収益は前年度から大きく増加した。売上収益合計では530億円程度の大きなマイナス影響を受けた。
事業セグメント別、プリンティングソリューションズでは減収減益。売上収益はSIDMプリンターが大幅減収、インクジェットプリンターは前年同期並み。インクジェットプリンター市場はエマージング地域でコロナウィルス拡大により大きく落ち込み、中国、北米、欧州、日本では在宅の印刷需要拡大が継続。エマージング地域で大容量インクタンクモデルの販売減少したが、先進国では大容量インクモデル増加。生産制約を受けたカートリッジ本体は減少した。
オフィス・ホームIJPはインク販売が落ち込み、前年同期を下回ったが、日本で昨年度から取り組んでいた文教向け販売が拡大、本体の販売は前年同期並みの売上収益を確保した。セグメント利益は増益に。
ビジュアルコミュニケーションは、厳しい結果に。プロジェクターは各地のコロナウィルス拡大で企業休業、学校の休校、イベント中止で市場が大きく落ち込み、売上収益は半減。セグメント利益も減益に。ウェアラブルも減収。コロナウィルス拡大でウォッチ市場が大きく縮小、国内外で販売減少した。
2020年度通期業績予想としては、前年同期を少し下回る前提。コロナウィルスの影響は下期にかけ収束に向かいつつも、回復に遅れのある地域も存在する。1Qの生産の滞りは回復、6月末には平常化したが、2Q以降も一部供給不足が継続する。2Qは販売の100%回復は見込めず、事業利益は大きく落ち込み50億円超程度の損出を見込む。コロナ影響は売上収益で1400億円程度のマイナスを見込む。
2020年度取り組みにも言及。「厳しい環境を認識して運営する」とした上で、徹底した費用抑制、一方でコロナウィルスの鎮静化をみきわめ一気に投入できる準備も整える。中期的には社会変化を見据え、強化領域の商業産業IJPやオフィス共有IJP、ロボティクスなどは拡大のスピードを上げるとする。経営資源のアロケーションを進め、外部環境の変化に備える。財務環境強化として、5月にコミットメントライン契約締結、環境面の取り組み強化で同社初のグリーンボンド発行を実施した。
NewNormalを見据え戦略の再確認を進める。社会変化がスピードを増す状況を踏まえ、Epson25、第二期中期計画の方向性に変更はないが、イノベーション実現にさらなる加速の必要性を認識する。新たな商品やサービスの提供、ビジネスモデル変革の機会と捉え、複数拠点、分散化を拡大、取り組みを加速する。業務プロセス、仕事の進め方への変化の必要性も強調。制度面の充実、社会環境への対応も進めるとした。
セグメント別の需要動向と取り組みでは、プリンティングソリューションズは先進国中心に在宅学習・勤務の需要が落ち着きを見せつつ、一定程度継続すると見る。本体一部商品は、供給先のコントロールを実施し、需要に最大限対応する。在宅需要の発生はエプソンに追い風、長期的に環境性能、印刷コスト、メンテナンスコストを訴求するチャンスと捉え、販売拡大を継続する。
ビジュアルコミュニケーションでは、企業や学校、イベントの需要は下期には回復するとみて、プロジェクターは高い市場プレゼンスを生かし、案件を受注にむすびつけ、市場シェア拡大につとめる。フラットパネルディスプレイの価格低下が今後も続くことから、2021年度以降もプロジェクター市場は縮小すると見て、事業戦略の際検討を実施する。フラットパネルディスプレイに追随できない大画面を実現する高光束領域へ注力し、事業オペレーションの効率化を進める。プロジェクター市場は前年度比マイナス35%程度の市場縮小が進むと見るが、シェアを一層拡大させ、効率的な費用執行を実施する。
中長期的な企業価値向上に向けては、「企業価値の向上こそ防衛策」として買収防衛策を廃止。さらに7月にエプソン初のグリーンボンド発行を実施し、75社より投資表明があり、一般事業法人のSDGs債市場、過去最大の件数とした。
小川氏は「人々がもっと豊かで幸せを感じられる持続可能な社会をつくるには、各事業領域でイノベーションを起こす必要がある。厳しい環境下だが実現に向けしっかり経営の舵をとる」と締めくくった。