5月以降登場のモデルもチラ見せ
<ヘッドフォン祭>Shanling、超巨大ポータブルプレーヤー「M30」公開/NUARLやCayin新製品も紹介
4月24日に開催された「春のヘッドフォン祭2021 ONLINE」。YouTubeで生配信されたイベントから、MUSIN/エム・ティ・アイ/コペックジャパンの配信内容を抜粋してお届けする。
■MUSIN
MUSINは同社が取り扱うShanlingブランドから、5月以降に発売する3製品を発表した。まずはポータブルオーディオプレーヤー「M6(Ver.21)」。昨年末に製造が終了となった「M6」をベースに、DACチップやオーディオ回路を刷新。スペックを向上させたブラッシュアップモデルだ。発売は5月下旬を予定、価格は税込66,000円前後になるとのこと。
大きな特徴として、DACチップが「AK4495SEQ」から「ES9038Q2M」に変更。そして「オペアンプにはかなり力を入れている」として、TI社製「OPA2211」を採用するほか、抵抗器やLDOなどオーディオグレードのコンポーネントを多数追加して高音質化を図った。
同社は「耳に聞こえないようなレベルのノイズも抑えることで、レンジが広がるような感覚が受けられる」と説明し、イベントに参加している声優・小岩井ことりさんは「同じ音源が違う曲かというくらい輝き出しますね。こんなに上の帯域がしっかり伸びて、キラキラ輝くような音色で表現してくれるのは独特なんじゃないでしょうか」とコメント。
また「無音部分が特徴的で、より静寂が感じられました」と感想を述べ、M6が好きだというオーディオライターの野村ケンジ氏も、「M6のS/Nだけが気になってM6 Proを使っていたが、(Ver.21)でその部分が改善された」と評価した。
デザイン面ではボリュームダイヤルが金色に変更されたが、サイズには変更はないため、カバーなどは使い回せる。また同社は「物量が増えた分だけ、価格も上がってしまったが、上位機に匹敵するスペックを獲得した」とアピールする。M6 Proが事実上の上位機種であるとして、それと比較すると、「M6 Proは輪郭がはっきりしていてシャープ、M6(Ver.21)はウォーム調で角が丸く聴きやすいサウンド」であると語った。
続いては、小型サイズのDAC内蔵ヘッドホンアンプ「UA2」を発表。発売は5月末から6月初旬を予定。価格は税込で「15,000円は超えない、1万円台前半」になるとのこと。
DACチップの中でもハイエンド級の「ES9038Q2M」、オペアンプ「RT6863」を搭載することで、音質と幅広いフォーマットへの対応を両立させたとする。ケーブルは取り外し可能で交換が可能。3.5mmシングルエンド接続と2.5mmバランス接続に両対応する。
出力特性はシングルで125mW。バランスで195mW、周波数特性はともに20Hz - 50kHz(-0.5dB)。ダイナミックレンジはシングルが122dB、バランスが120dB。PCM 768kHz、DSD 512までの再生に対応。専用アプリとの連携により、デジタルフィルターなどの詳細な設定が行える。
そして発表された3モデル目が、超巨大ポータブルプレーヤー「M30」。6月頃の発売を予定し、価格は400,000円前後を想定する。
入出力端子が豊富で、Bluetoothなどにも対応。ネットワークプレーヤー、USB-DACアンプ、真空管プリメインアンプとしてなど、多彩な用途で利用できるというモデル。サイズが大きいが、バッテリー駆動するためポータブルプレーヤーとして位置づけられるようだ。
モジュール交換式を採用。デジタルオーディオプレーヤーとしての機能などをモジュールに持たせることで、常に最新の機能に対応していくという設計思想となっている。
ほか、iBasso Audioのイヤホン「IT01X」も “チラ見せ” された。ダイヤフラムの素材にベリリウムメッキを採用したダイナミック・シングルドライバー搭載モデルで、「IT01とそう変わらない」価格の発売を予定するという。
■エム・ティ・アイ
エム・ティ・アイのコーナーでは、先日発表されたばかりのNUARLブランドの完全ワイヤレスイヤホン「N10 Plus」、そしてスポーツ向けモデル「N6 Sports」について、野村ケンジ氏、小岩井ことりさんの両名がコメントを寄せるかたちで製品説明が行われた。
N10 PlusはN10シリーズの兄弟機として登場したアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン。独自チューニングのフィードフォワード方式によるノイズキャンセリングは、ハイブリッド方式の「N10 Pro」にも引けを取らない騒音低減能力を実現するとともに、音質への影響を極力抑えたとアピールする。価格は19,800円(税込)。
野村ケンジ氏は「独自の『NUARL DRIVER [N10]v3』が実力を発揮した、皆さんのご期待通りの音」とそのサウンドについてコメント。「NUARLが理想としてきた音になってきたのではないか。皆さん好みはあると思うが、僕は完全ワイヤレスイヤホンもいよいよここまできたか、と感じた」とその印象を語った。
小岩井ことりさんは「ローミッドにパワーがあって、ベースが聴きやすい印象です。私はAndroidスマホなので、Googleファストペアでペアリングが簡単に行えたり、ノイキャンの効きをアプリから調整できるのも便利だと思います」と感想を述べた。
「N6 Sports」はIPX7の防水性能を備えるとともに、柔らかいソフトタイプ・シリコンのイヤーループによりフィット感を高めたスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホン。音楽鑑賞向けに遮音性の高い「Block Ear+」とスポーツやテレワーク向けに外の音が聞こえる低遮音タイプの「Track Ear+」の2種類の抗菌イヤーピースを付属する。
このN6 Sportsについて、小岩井ことりさんは「防水性能などを備えていて、スポーツ用の完全ワイヤレスイヤホンを探していた人にはピッタリ。特にイヤーピースの『TrackEar+』は良い感じに外の音が聞こえるのがいいですね。外音取り込み機能ではなく、イヤーピースの遮音性を下げるというのは面白いですし、ぜひ聞いてみて欲しいです」とコメント。
野村ケンジ氏も「外音取り込み機能の場合は、音が聞こえてもどの方向かわからないことがある。ハード的に聞こえると方向性がつかみやすいので、安全性も高い」と紹介。またiPhone/Android問わず利用できる低遅延のゲーミングモードを搭載している点について、小岩井ことりさんは「FPSゲームをやってみましたが、遅延が少なく、快適に楽しめました」と話した。
■コペックジャパン
コペックジャパンは、Cayinブランドのイヤホン新製品「Fantasy」を紹介した。
これまで同ブランドの製品は、「Cayin」の頭文字から製品名がつけられてきたが、今回のFantasyはそのルールから逸脱したモデルとなっている。今回の名付けについて、コペックジャパンの担当者は「最初はこそばゆい感じがあったが、実際に音を聴くと、これはファンタジーだと納得した」と説明した。
ドライバーは自社開発することで、ブランドの目指す「心に響く」という音の実現を目指した。ドライバーの振動板にはエンジニアの強い要望により、バイオセルロースを採用。さらにベリリウムメッキを施している。また「デュアル・キャビティ2ウェイマグネティック」構造により、振動板の緻密なコントロールを実現。野村ケンジ氏も「独特な技術で、音のために開発されたというのがよく分かる」と評価した。
その音質について、担当者は「解像度の高いクリアな音質でありながら、低音のディテールをはっきり描写」と紹介。方向性としては「真空管サウンドが根底にある」と、Cayinブランドならではの追求が行われていることがアピールされた。
筐体にはSUS316グレードのステンレスを採用。装着感にこだわって開発が進められたとのことで、「ステンレスは重さがあるように思われるかもしれないが、実際に着けると重さが感じにくい設計」となっているそうだ。
また、ポータブルオーディオプレーヤー「N6ii」のオーディオマザーボードに新機種が、5月に発表予定であることも告知された。詳細は明かされなかったが、「びっくりされる」ものだとのことだ。
■MUSIN
MUSINは同社が取り扱うShanlingブランドから、5月以降に発売する3製品を発表した。まずはポータブルオーディオプレーヤー「M6(Ver.21)」。昨年末に製造が終了となった「M6」をベースに、DACチップやオーディオ回路を刷新。スペックを向上させたブラッシュアップモデルだ。発売は5月下旬を予定、価格は税込66,000円前後になるとのこと。
大きな特徴として、DACチップが「AK4495SEQ」から「ES9038Q2M」に変更。そして「オペアンプにはかなり力を入れている」として、TI社製「OPA2211」を採用するほか、抵抗器やLDOなどオーディオグレードのコンポーネントを多数追加して高音質化を図った。
同社は「耳に聞こえないようなレベルのノイズも抑えることで、レンジが広がるような感覚が受けられる」と説明し、イベントに参加している声優・小岩井ことりさんは「同じ音源が違う曲かというくらい輝き出しますね。こんなに上の帯域がしっかり伸びて、キラキラ輝くような音色で表現してくれるのは独特なんじゃないでしょうか」とコメント。
また「無音部分が特徴的で、より静寂が感じられました」と感想を述べ、M6が好きだというオーディオライターの野村ケンジ氏も、「M6のS/Nだけが気になってM6 Proを使っていたが、(Ver.21)でその部分が改善された」と評価した。
デザイン面ではボリュームダイヤルが金色に変更されたが、サイズには変更はないため、カバーなどは使い回せる。また同社は「物量が増えた分だけ、価格も上がってしまったが、上位機に匹敵するスペックを獲得した」とアピールする。M6 Proが事実上の上位機種であるとして、それと比較すると、「M6 Proは輪郭がはっきりしていてシャープ、M6(Ver.21)はウォーム調で角が丸く聴きやすいサウンド」であると語った。
続いては、小型サイズのDAC内蔵ヘッドホンアンプ「UA2」を発表。発売は5月末から6月初旬を予定。価格は税込で「15,000円は超えない、1万円台前半」になるとのこと。
DACチップの中でもハイエンド級の「ES9038Q2M」、オペアンプ「RT6863」を搭載することで、音質と幅広いフォーマットへの対応を両立させたとする。ケーブルは取り外し可能で交換が可能。3.5mmシングルエンド接続と2.5mmバランス接続に両対応する。
出力特性はシングルで125mW。バランスで195mW、周波数特性はともに20Hz - 50kHz(-0.5dB)。ダイナミックレンジはシングルが122dB、バランスが120dB。PCM 768kHz、DSD 512までの再生に対応。専用アプリとの連携により、デジタルフィルターなどの詳細な設定が行える。
そして発表された3モデル目が、超巨大ポータブルプレーヤー「M30」。6月頃の発売を予定し、価格は400,000円前後を想定する。
入出力端子が豊富で、Bluetoothなどにも対応。ネットワークプレーヤー、USB-DACアンプ、真空管プリメインアンプとしてなど、多彩な用途で利用できるというモデル。サイズが大きいが、バッテリー駆動するためポータブルプレーヤーとして位置づけられるようだ。
モジュール交換式を採用。デジタルオーディオプレーヤーとしての機能などをモジュールに持たせることで、常に最新の機能に対応していくという設計思想となっている。
ほか、iBasso Audioのイヤホン「IT01X」も “チラ見せ” された。ダイヤフラムの素材にベリリウムメッキを採用したダイナミック・シングルドライバー搭載モデルで、「IT01とそう変わらない」価格の発売を予定するという。
■エム・ティ・アイ
エム・ティ・アイのコーナーでは、先日発表されたばかりのNUARLブランドの完全ワイヤレスイヤホン「N10 Plus」、そしてスポーツ向けモデル「N6 Sports」について、野村ケンジ氏、小岩井ことりさんの両名がコメントを寄せるかたちで製品説明が行われた。
N10 PlusはN10シリーズの兄弟機として登場したアクティブノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホン。独自チューニングのフィードフォワード方式によるノイズキャンセリングは、ハイブリッド方式の「N10 Pro」にも引けを取らない騒音低減能力を実現するとともに、音質への影響を極力抑えたとアピールする。価格は19,800円(税込)。
野村ケンジ氏は「独自の『NUARL DRIVER [N10]v3』が実力を発揮した、皆さんのご期待通りの音」とそのサウンドについてコメント。「NUARLが理想としてきた音になってきたのではないか。皆さん好みはあると思うが、僕は完全ワイヤレスイヤホンもいよいよここまできたか、と感じた」とその印象を語った。
小岩井ことりさんは「ローミッドにパワーがあって、ベースが聴きやすい印象です。私はAndroidスマホなので、Googleファストペアでペアリングが簡単に行えたり、ノイキャンの効きをアプリから調整できるのも便利だと思います」と感想を述べた。
「N6 Sports」はIPX7の防水性能を備えるとともに、柔らかいソフトタイプ・シリコンのイヤーループによりフィット感を高めたスポーツ向け完全ワイヤレスイヤホン。音楽鑑賞向けに遮音性の高い「Block Ear+」とスポーツやテレワーク向けに外の音が聞こえる低遮音タイプの「Track Ear+」の2種類の抗菌イヤーピースを付属する。
このN6 Sportsについて、小岩井ことりさんは「防水性能などを備えていて、スポーツ用の完全ワイヤレスイヤホンを探していた人にはピッタリ。特にイヤーピースの『TrackEar+』は良い感じに外の音が聞こえるのがいいですね。外音取り込み機能ではなく、イヤーピースの遮音性を下げるというのは面白いですし、ぜひ聞いてみて欲しいです」とコメント。
野村ケンジ氏も「外音取り込み機能の場合は、音が聞こえてもどの方向かわからないことがある。ハード的に聞こえると方向性がつかみやすいので、安全性も高い」と紹介。またiPhone/Android問わず利用できる低遅延のゲーミングモードを搭載している点について、小岩井ことりさんは「FPSゲームをやってみましたが、遅延が少なく、快適に楽しめました」と話した。
■コペックジャパン
コペックジャパンは、Cayinブランドのイヤホン新製品「Fantasy」を紹介した。
これまで同ブランドの製品は、「Cayin」の頭文字から製品名がつけられてきたが、今回のFantasyはそのルールから逸脱したモデルとなっている。今回の名付けについて、コペックジャパンの担当者は「最初はこそばゆい感じがあったが、実際に音を聴くと、これはファンタジーだと納得した」と説明した。
ドライバーは自社開発することで、ブランドの目指す「心に響く」という音の実現を目指した。ドライバーの振動板にはエンジニアの強い要望により、バイオセルロースを採用。さらにベリリウムメッキを施している。また「デュアル・キャビティ2ウェイマグネティック」構造により、振動板の緻密なコントロールを実現。野村ケンジ氏も「独特な技術で、音のために開発されたというのがよく分かる」と評価した。
その音質について、担当者は「解像度の高いクリアな音質でありながら、低音のディテールをはっきり描写」と紹介。方向性としては「真空管サウンドが根底にある」と、Cayinブランドならではの追求が行われていることがアピールされた。
筐体にはSUS316グレードのステンレスを採用。装着感にこだわって開発が進められたとのことで、「ステンレスは重さがあるように思われるかもしれないが、実際に着けると重さが感じにくい設計」となっているそうだ。
また、ポータブルオーディオプレーヤー「N6ii」のオーディオマザーボードに新機種が、5月に発表予定であることも告知された。詳細は明かされなかったが、「びっくりされる」ものだとのことだ。