民放連など合計19団体が共同声明
JASRACやレコード協会など、「補償金対象にBDレコーダー」案を「強く支持」と声明
日本レコード協会や日本音楽著作権協会(JASRAC)、日本民間放送連盟(民放連)など19団体は、文化庁による、私的録音録画補償金の新たな対象機器としてブルーレイディスクレコーダーを指定する著作権法施行令の改正案について、「この改正案を強く支持する」と声明を出した。
19団体は「今回の指定は、音楽や映像のクリエーターに適切な対価を還元する環境を再構築するために必要不可欠なプロセス」とし、「私たちはこの改正案を強く支持します」とコメント。「今回の指定は、クリエーターへの対価の還元が果たされないまま放置され続けてきたアンバランスな状態を改善へと舵を切ることを意味するものであり、必ず実現させる必要」があるとしている。
声明では、私的録音録画補償金制度はデジタル機器による私的なコピーについて、クリエーターに補償金を還元することにより、「私的な楽しみ」と「クリエーターの利益」との調和を図るために設けられているものであるとした上で、日本では補償金がほぼゼロに近くなったまま、すでに10年以上の歳月が経過していると主張。こうした状況で 「『私的な楽しみ』と『クリエーターの利益』のバランスは大きく崩れたまま」と述べ、一貫してより実態に即した形に制度を改善するように訴え続けてきたが一向に進展が見られなかったとの見解を述べている。
そして2019年、長期にわたる関係当事者間の協議で結論が得られなかったことから、この問題の検討は、制度を所管する文化庁と、電機産業を代表する立場の経産省と、放送や通信を所管する総務省と、内閣府の知財本部の4府省庁間の協議に委ねられることになった、と経緯を説明。 4府省庁では、再度実態調査を実施するなどして検討を重ねた結果、現行制度の対象機器として新たにブルーレイレコーダーを指定する方針を決め、関係当事者に対する説明と意見聴取を経たのちに今回の発表となったとし、「極めて透明なプロセスだと考えます」としている。
なお、ブルーレイレコーダーには著作権保護技術として「ダビング10」が搭載されているが、従前のコピーワンスからダビング10へとコピー回数を拡大することに権利者が同意した背景には、私的録画補償金制度の存在があったとも主張。実態調査の結果によれば、ユーザーが行うコピーは2回までが大半を占めているとのことで、10回という回数はユーザーのニーズを過度に制限するような数字ではなく、むしろ、私的な規模や領域を超えてまでコピーが拡散することを抑止しているにすぎず、その範囲で行えるコピーに対する対価の還元の必要性がなくなるわけでもない、としている。
また、今回の指定により徴収される補償金の額については、これまでの例によれば機器の出荷価格の1%程度であり、平均してレコーダー1台で数百円、ディスク1枚で数円程度になると考えられると説明。補償金は機器等を購入するときにあくまでも1回だけ支払う仕組みとなっており、それまでに購入された機器について補償金が徴収されることもないとも言及している。
一方で声明では、現行の私的録音録画補償金制度は、クリエーターに対価を還元していくための実効性からみれば、たしかに時代遅れで不完全な制度と言わざるを得ないとの認識も示している。
そのうえで声明では「制度がどれだけ時代遅れで不完全だったとしても、クリエーターへの対価の還元の必要性がなくなるわけではありません」と主張。「われわれ19団体は、改組された私的録音録画補償金管理協会に協力して、新たな機器の指定に対応した補償金の管理を適正に進める体制を整えるとともに、インターネットを介したコンテンツ流通が主流となりつつあるいま、現行制度の在り方を含めて、新しい時代に即した対価還元の仕組みづくりの議論に、積極的に貢献していく所存です」と述べている。
共同声明に参加している19団体は下記の通り。
・映像コンテンツ権利処理機構(理事長 瀧藤雅朝)
・映像実演権利者合同機構(代表理事 小野伸一)
・演奏家権利処理合同機構MPN(理事長 椎名和夫)
・全日本テレビ番組製作社連盟(理事長 福浦与一)
・日本映画製作者協会(代表理事 新藤次郎)
・日本映画製作者連盟(会長 島谷能成)
・日本映像ソフト協会(会長 吉村隆)
・日本音楽作家団体協議会(会長 石原信一)
・日本音楽事業者協会(会長 瀧藤雅朝)
・日本音楽出版社協会(会長 稲葉豊)
・日本音楽制作者連盟(理事長 野村達矢)
・日本音楽著作権協会(理事長 伊澤一雅)
・日本脚本家連盟(理事長 鎌田敏夫)
・日本芸能実演家団体協議会(会長 野村萬)
・日本シナリオ作家協会(理事長 佐伯俊道)
・日本動画協会(理事長 石川和子)
・日本文藝家協会(理事長 林真理子)
・日本民間放送連盟(会長 遠藤龍之介)
・日本レコード協会(会長 村松俊亮)
19団体は「今回の指定は、音楽や映像のクリエーターに適切な対価を還元する環境を再構築するために必要不可欠なプロセス」とし、「私たちはこの改正案を強く支持します」とコメント。「今回の指定は、クリエーターへの対価の還元が果たされないまま放置され続けてきたアンバランスな状態を改善へと舵を切ることを意味するものであり、必ず実現させる必要」があるとしている。
声明では、私的録音録画補償金制度はデジタル機器による私的なコピーについて、クリエーターに補償金を還元することにより、「私的な楽しみ」と「クリエーターの利益」との調和を図るために設けられているものであるとした上で、日本では補償金がほぼゼロに近くなったまま、すでに10年以上の歳月が経過していると主張。こうした状況で 「『私的な楽しみ』と『クリエーターの利益』のバランスは大きく崩れたまま」と述べ、一貫してより実態に即した形に制度を改善するように訴え続けてきたが一向に進展が見られなかったとの見解を述べている。
そして2019年、長期にわたる関係当事者間の協議で結論が得られなかったことから、この問題の検討は、制度を所管する文化庁と、電機産業を代表する立場の経産省と、放送や通信を所管する総務省と、内閣府の知財本部の4府省庁間の協議に委ねられることになった、と経緯を説明。 4府省庁では、再度実態調査を実施するなどして検討を重ねた結果、現行制度の対象機器として新たにブルーレイレコーダーを指定する方針を決め、関係当事者に対する説明と意見聴取を経たのちに今回の発表となったとし、「極めて透明なプロセスだと考えます」としている。
なお、ブルーレイレコーダーには著作権保護技術として「ダビング10」が搭載されているが、従前のコピーワンスからダビング10へとコピー回数を拡大することに権利者が同意した背景には、私的録画補償金制度の存在があったとも主張。実態調査の結果によれば、ユーザーが行うコピーは2回までが大半を占めているとのことで、10回という回数はユーザーのニーズを過度に制限するような数字ではなく、むしろ、私的な規模や領域を超えてまでコピーが拡散することを抑止しているにすぎず、その範囲で行えるコピーに対する対価の還元の必要性がなくなるわけでもない、としている。
また、今回の指定により徴収される補償金の額については、これまでの例によれば機器の出荷価格の1%程度であり、平均してレコーダー1台で数百円、ディスク1枚で数円程度になると考えられると説明。補償金は機器等を購入するときにあくまでも1回だけ支払う仕組みとなっており、それまでに購入された機器について補償金が徴収されることもないとも言及している。
一方で声明では、現行の私的録音録画補償金制度は、クリエーターに対価を還元していくための実効性からみれば、たしかに時代遅れで不完全な制度と言わざるを得ないとの認識も示している。
そのうえで声明では「制度がどれだけ時代遅れで不完全だったとしても、クリエーターへの対価の還元の必要性がなくなるわけではありません」と主張。「われわれ19団体は、改組された私的録音録画補償金管理協会に協力して、新たな機器の指定に対応した補償金の管理を適正に進める体制を整えるとともに、インターネットを介したコンテンツ流通が主流となりつつあるいま、現行制度の在り方を含めて、新しい時代に即した対価還元の仕組みづくりの議論に、積極的に貢献していく所存です」と述べている。
共同声明に参加している19団体は下記の通り。
・映像コンテンツ権利処理機構(理事長 瀧藤雅朝)
・映像実演権利者合同機構(代表理事 小野伸一)
・演奏家権利処理合同機構MPN(理事長 椎名和夫)
・全日本テレビ番組製作社連盟(理事長 福浦与一)
・日本映画製作者協会(代表理事 新藤次郎)
・日本映画製作者連盟(会長 島谷能成)
・日本映像ソフト協会(会長 吉村隆)
・日本音楽作家団体協議会(会長 石原信一)
・日本音楽事業者協会(会長 瀧藤雅朝)
・日本音楽出版社協会(会長 稲葉豊)
・日本音楽制作者連盟(理事長 野村達矢)
・日本音楽著作権協会(理事長 伊澤一雅)
・日本脚本家連盟(理事長 鎌田敏夫)
・日本芸能実演家団体協議会(会長 野村萬)
・日本シナリオ作家協会(理事長 佐伯俊道)
・日本動画協会(理事長 石川和子)
・日本文藝家協会(理事長 林真理子)
・日本民間放送連盟(会長 遠藤龍之介)
・日本レコード協会(会長 村松俊亮)