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「WM1M2」の技術で音質向上

ソニー、“ハイエンド・ストリーミングWALKMAN”「NW-ZX707」。バッテリー持ちも5時間近く強化

公開日 2023/01/11 10:08 編集部:成藤 正宣
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ソニーは、同社 “ウォークマン” の新モデル「NW-ZX707」を、2023年1月27日に発売する。価格はオープンだが、市場では税込105,000円前後での実売が予想される。

「NW-ZX707」

Android OS採用により音楽ストリーミングサービスを高音質で楽しめる “ストリーミングWALKMAN”「NW-ZX500シリーズ」(以下、ZX500)の思想を踏襲しつつ、ユーザーからのフィードバックや、フラグシップモデル「NW-WM1ZM2」「NW-WM1AM2」(以下、WM1M2)の技術を反映することで進化させた “ハイエンド・ストリーミングWALKMAN”。

ZX500のユーザーから数多くの要望が寄せられたというバッテリー持ちの改善をはじめ、音質や機能、UIに至るまで各所に改良を実施。NW-WM1AM2に次ぐ音質を実現しつつ、よりコンパクトで携帯性に優れたモデルとして仕上げているという。

WM1M2の技術を反映した音質と、WM1M2よりも優れた携帯性を併せ持つ“ハイエンド・ストリーミングWALKMAN”

WM1M2から継承した技術のひとつとして、すべての部品の接合部分に高音質はんだを採用。金を添加することで電気特性を向上させた独自のはんだであり、これにより音の広がりや定位感、微細な音の再現性を大幅に増したとする。

手付けはんだ/リフローはんだの両方に独自の金配合高音質はんだを採用。音場や微細音の表現に大きな影響を及ぼしているという

電源部では、WM1M2と同様の独自開発高分子コンデンサー「FTCAP3」や、大容量固体高分子コンデンサーを採用。大容量コンデンサーはWM1M2の音質を高める上で優れた効果を発揮したことから、本モデルにおいても背面の一部を膨らませてまで採用したとのこと。

加えて、本モデル用に新開発したバッテリーパックを搭載。このバッテリーパックは電池保護回路基板の低抵抗化が行われており、ボーカルや楽器の透明感を高める効果があるという。

WM1M2に採用したものと同じ高音質コンデンサーを採用

新開発のバッテリーパックを搭載。保護基板の抵抗値を下げることで音の透明感を増したという

システム全体の省電力化も伴い、連続再生時間は、「W.ミュージック」アプリからmp3(128kbps)を再生した場合で約25時間(アンバランス)/約24時間(バランス)。FLAC(96kHz/24bit)再生時でもアンバランス/バランスともに約23時間で、いずれの場合においてもZX500から5時間近く延長された。

出力端子は3.5mmアンバランス/4.4mmバランスの2系統を搭載。4.4mmバランス出力端子側には、WM1M2と同サイズの8mm角大型コイルをLCフィルターとして採用。歪みや抵抗値を抑え、全周波数帯域にわたって音の解像感を改善するとしている。なお開発者担当者によれば、WM1M2よりも筐体サイズに制約があることから、どちらかといえばバランス出力側の回路設計に力を入れたそうだ。

3.5mmアンバランス/4.4mmバランス出力を搭載。金色のカバー部分は切削アルミとなる

アンプは同社独自のフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載し、PCM 384kHz/32bit、DSD11.2MHzまでの再生をサポート。360 Reality Audioにも対応する。最大出力はアンバランスが50mW+50mW、バランスが230mW+230mW(16Ω/ハイゲイン設定)となる。

筐体には、ZX500と同様に高剛性かつ低インピーダンスのアルミ切削シャーシを採用。リアカバーもアルミ製でそろえ、低域再生の透明感と力強さを高めている。さらに今回、切削加工を施した無酸素銅ブロックを追加。WM1M2と同じ手法によってデジタル部のグラウンドを強化し、音の透明感の強化を図った。

アルミニウムのブロックから切削加工によりシャーシを製造。剛性が高いだけでなく、低音の音作りにも影響する

無酸素銅切削ブロックを取り付けることで、音の透明感をさらに強化

ソフトウェア面では、OSにAndroid 12を採用。アップコンバート機能「DSEE Ultimate」は、ZX500ではサードパーティ製再生アプリやBluetooth再生時では使用できなかったのに対し、上位モデルと同じくあらゆるアプリで有線/無線接続問わず使用可能になった。ストリーミングアプリの圧縮音源なども、独自のアルゴリズムによって高音域や微細音を補間しハイレゾ音源に近づけて楽しめる。

PCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換して聴くことができる機能「DSDリマスタリングエンジン」も、NW-WM1AM2から引き継いだ。ほか、イコライザーやアナログレコード再生の質感を再現する「ヴァイナルプロセッサー」、低域の位相特性を伝統的なアナログアンプに近づける「DCフェーズリニアライザー」、すべての音質機能をオフにするソースダイレクトモード、USB-DAC機能なども引き続き搭載している。

底面にはUSB Type-Cとストラップホールを搭載。

右側面に電源/ボリューム/早送り/再生・一時停止/早戻しボタン、ホールドスイッチを集中配置

ディスプレイは3.6型のZX500よりも大画面化し、5.0型に。内蔵ストレージ容量は64GBで、microSDXCスロットを1基搭載。Wi-Fiは2.4GHz/5GHz(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac)、Bluetoothはバージョン5.0でLDAC/aptX HD/aptX/AAC/SBCコーデックをサポートする。データ転送/充電端子はUSB Type-C(USB 3.2 Gen1)を採用。外形寸法は約72.5W×132.3H×16.9Dmm、質量は約227g。

従来モデル「NW-ZX507」(右)とのサイズ比較。画面が5.0型となっている

なお、別売りオプションとなる手帳型専用ケース「CKL-NWZX700」も1月27日より同時発売する。価格はオープンだが、税込10,000円前後での実売が予想される。

素材の一部に本革を用いるなど質感/高級感を持たせつつ、フタを閉じたままの操作やSDカードの抜き差しが容易にできるよう使い勝手も考慮。本体に取り付けられるストラップも同梱する。

専用ケースとなる「CKL-NWZX700」も本体と同時発売。質感と操作性の両立を図っているほか、ストラップも同梱する

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