プラズマから続く自発光ディスプレイのDNAが活きる
パナソニック、新世代パネルで約2倍の輝度を実現した4K有機ELビエラ「MZ2500」
パナソニックは、同社4K有機EL “ビエラ”の2023年フラグシップモデル「MZ2500」を7月21日より発売する。ラインナップと実売想定価格は以下の通り(価格は全て税込表記)。
MZ2500
・65型「TH-65MZ2500」:52万円前後
・55型「TH-55MZ2500」:37万円前後
パナソニックは1970年代よりプラズマディスプレイの研究を開始。2013年にはプラズマディスプレイの生産が終了したが、その後は液晶を経て有機ELディスプレイの高画質化を追求するかたちで、「クリエイターが作り出す映像をリアルに届けたい」という想いのもと自発光ディスプレイの研究を続けてきた。
有機ELでは「深みのある黒表現」「画素単位のコントラスト表現」「リアルな色表現」「パネル応答速度の速さ」が実現できる反面、明るさ感の向上が課題だったと説明。それを解決する手段として、MZ2500では新世代の有機EL「マイクロレンズ有機EL」を搭載する。
有機ELパネルは発光層とガラス層からなるが、マイクロレンズ有機ELではガラス層に、1画素あたり数千個のレンズを備えた「マイクロレンズアレイ」を採用。発光層はガラス層に蒸着させて成形するため、こちらも凹凸形状となっている。
従来の有機ELパネルではパネル内で散乱してしまう光、いわゆる迷光が発生していたが、マイクロレンズ有機ELの場合、マイクロレンズアレイで光を効率的に放出できるため、より光のロスの少ない、明るい画面を実現できるという。
また、パネルとバックカバー一体型放熱プレートの間に放熱シートを挟み込んだ独自の「デュアルメタルヒートレス構造」、マイクロレンズ有機ELに最適化した独自パネル制御技術「Bright Booster」の採用により、昨年発売の「LZ1800」と比較して約2倍の輝度を実現。パネルはプロフェッショナルクオリティのチューニングが施され、業務用モニター級の滑らかな黒の諧調表現を実現したとのこと。
担当の清水氏は、「今だから言えるが、かつては『どう頑張っても有機ELではプラズマに敵わない』と悩んでいた頃もあった。しかし自発光のノウハウは若手に継承されている。(マイクロレンズ有機ELは)パナソニックの自発光ディスプレイのDNAそのもの」と語った。
パネルのみならず、信号処理技術も進化。「ヘキサクロマドライブ」は色ごとに特徴を検出・補正を最適化する「鮮やか色補正」や、肌色を検出して3D-LUTで処理する「地デジ美肌補正」(SDRコンテンツのみ)により、色鮮やかかつ諧調の美しい表現力、より自然な人肌表現で地デジをより美しく視聴できるようにしたという。
「4Kファインリマスターエンジン」も、通信速度などの影響を受けるネット動画の特性にあわせて進化。自動で適切な処理を施すことでノイズを抑えながら精細感を大幅アップさせ、ネット動画でも高い質感とノイズレスな画質を両立したとのこと。
加えて部屋の明るさに応じて画質を調整する「環境光センサー連動」も暗部の表現力がアップし、日中の明るい環境でも暗部が見やすくなったとしている。HDRはHLG/HDR10/HDR10+ ADAPTIVE/Dolby Vision IQに対応。
スピーカーシステムは前向きのラインアレイ、横向きのワイド×2、上向きのイネーブルド×2、ウーファー+パッシブラジエーターからなる「360立体音響サウンドシステム+」を搭載。スピーカーの制御アルゴリズムを見直して音の定位を改善、部屋中が音に包み込まれるような臨場感を実現したとアピールする。
最大出力は65型が160Wで55型が150W。チューニングは同社オーディオブランド・テクニクスが行っており、シーンに合わせて自動でサウンド調整する「オートAI音質」も搭載。Dolby Atmosにも対応する。
また、ゲーム用の音声モードとしてRPG/FPS用の2種類を追加。RPGではセリフとBGMが強調されて没入しやすく、FPSでは足音を強調して敵が発見しやすくなるという。本モードは通常の音声メニューに加え、ゲームコントロールボードに追加された音声モードからも選択できる。
上述の音声モードのほかにも、ALLMや等速駆動モードの設定項目などもゲームコントロールボードに追加。ゲーム機からのDolby Vision出力に最適な映像に設定する「Dolby Visionゲーム」、プロの画質調整に対応した映像モード「ゲームプロ」を搭載し、G-SYNC Compatibleにも対応するなど、こだわりゲーマーにも応える進化を果たしたとのこと。
リモコンはBluetooth通信タイプで、電源オン/オフ以外は受光部をテレビに向けずとも操作が可能。Alexaやビエラ独自の音声操作にも対応、下部のネット動画ダイレクトボタンには新たにTVerが追加された。
さらに番組表機能もアップデートし、TVer/TELASA/huluと連携。これまでもBDレコーダー “ディーガ” と接続していた場合は過去の番組表から録画されている番組を選択して視聴できたが、前記3サービスで配信されている番組はディーガと接続していなくても選択・視聴できるようになった。対応サービスは順次拡大を予定。なお、本機能は2020-2022年モデルでも昨年11月のアップデートで使用可能となっている。
スタンドは丸型で、吸盤での転倒防止機能とスイーベル(首振り)機能を搭載。チューナーは4K用2基と地上波/BS/CS用3基を、HDMI端子は4個(うちHDMI 2がeARC対応)を備える。
MZ2500
・65型「TH-65MZ2500」:52万円前後
・55型「TH-55MZ2500」:37万円前後
■「マイクロレンズ有機EL」で同社比約2倍もの輝度を実現
パナソニックは1970年代よりプラズマディスプレイの研究を開始。2013年にはプラズマディスプレイの生産が終了したが、その後は液晶を経て有機ELディスプレイの高画質化を追求するかたちで、「クリエイターが作り出す映像をリアルに届けたい」という想いのもと自発光ディスプレイの研究を続けてきた。
有機ELでは「深みのある黒表現」「画素単位のコントラスト表現」「リアルな色表現」「パネル応答速度の速さ」が実現できる反面、明るさ感の向上が課題だったと説明。それを解決する手段として、MZ2500では新世代の有機EL「マイクロレンズ有機EL」を搭載する。
有機ELパネルは発光層とガラス層からなるが、マイクロレンズ有機ELではガラス層に、1画素あたり数千個のレンズを備えた「マイクロレンズアレイ」を採用。発光層はガラス層に蒸着させて成形するため、こちらも凹凸形状となっている。
従来の有機ELパネルではパネル内で散乱してしまう光、いわゆる迷光が発生していたが、マイクロレンズ有機ELの場合、マイクロレンズアレイで光を効率的に放出できるため、より光のロスの少ない、明るい画面を実現できるという。
また、パネルとバックカバー一体型放熱プレートの間に放熱シートを挟み込んだ独自の「デュアルメタルヒートレス構造」、マイクロレンズ有機ELに最適化した独自パネル制御技術「Bright Booster」の採用により、昨年発売の「LZ1800」と比較して約2倍の輝度を実現。パネルはプロフェッショナルクオリティのチューニングが施され、業務用モニター級の滑らかな黒の諧調表現を実現したとのこと。
担当の清水氏は、「今だから言えるが、かつては『どう頑張っても有機ELではプラズマに敵わない』と悩んでいた頃もあった。しかし自発光のノウハウは若手に継承されている。(マイクロレンズ有機ELは)パナソニックの自発光ディスプレイのDNAそのもの」と語った。
パネルのみならず、信号処理技術も進化。「ヘキサクロマドライブ」は色ごとに特徴を検出・補正を最適化する「鮮やか色補正」や、肌色を検出して3D-LUTで処理する「地デジ美肌補正」(SDRコンテンツのみ)により、色鮮やかかつ諧調の美しい表現力、より自然な人肌表現で地デジをより美しく視聴できるようにしたという。
「4Kファインリマスターエンジン」も、通信速度などの影響を受けるネット動画の特性にあわせて進化。自動で適切な処理を施すことでノイズを抑えながら精細感を大幅アップさせ、ネット動画でも高い質感とノイズレスな画質を両立したとのこと。
加えて部屋の明るさに応じて画質を調整する「環境光センサー連動」も暗部の表現力がアップし、日中の明るい環境でも暗部が見やすくなったとしている。HDRはHLG/HDR10/HDR10+ ADAPTIVE/Dolby Vision IQに対応。
スピーカーシステムは前向きのラインアレイ、横向きのワイド×2、上向きのイネーブルド×2、ウーファー+パッシブラジエーターからなる「360立体音響サウンドシステム+」を搭載。スピーカーの制御アルゴリズムを見直して音の定位を改善、部屋中が音に包み込まれるような臨場感を実現したとアピールする。
最大出力は65型が160Wで55型が150W。チューニングは同社オーディオブランド・テクニクスが行っており、シーンに合わせて自動でサウンド調整する「オートAI音質」も搭載。Dolby Atmosにも対応する。
また、ゲーム用の音声モードとしてRPG/FPS用の2種類を追加。RPGではセリフとBGMが強調されて没入しやすく、FPSでは足音を強調して敵が発見しやすくなるという。本モードは通常の音声メニューに加え、ゲームコントロールボードに追加された音声モードからも選択できる。
上述の音声モードのほかにも、ALLMや等速駆動モードの設定項目などもゲームコントロールボードに追加。ゲーム機からのDolby Vision出力に最適な映像に設定する「Dolby Visionゲーム」、プロの画質調整に対応した映像モード「ゲームプロ」を搭載し、G-SYNC Compatibleにも対応するなど、こだわりゲーマーにも応える進化を果たしたとのこと。
リモコンはBluetooth通信タイプで、電源オン/オフ以外は受光部をテレビに向けずとも操作が可能。Alexaやビエラ独自の音声操作にも対応、下部のネット動画ダイレクトボタンには新たにTVerが追加された。
さらに番組表機能もアップデートし、TVer/TELASA/huluと連携。これまでもBDレコーダー “ディーガ” と接続していた場合は過去の番組表から録画されている番組を選択して視聴できたが、前記3サービスで配信されている番組はディーガと接続していなくても選択・視聴できるようになった。対応サービスは順次拡大を予定。なお、本機能は2020-2022年モデルでも昨年11月のアップデートで使用可能となっている。
スタンドは丸型で、吸盤での転倒防止機能とスイーベル(首振り)機能を搭載。チューナーは4K用2基と地上波/BS/CS用3基を、HDMI端子は4個(うちHDMI 2がeARC対応)を備える。