音質、装着感、通話性能いずれも高める
ソニー、“世界最高ノイキャン” を掲げる完全ワイヤレス「WF-1000XM5」。スペック向上、本体は小型化
ソニーは、ノイズキャンセリング(NC)対応の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」を2023年9月1日に発売する。価格はオープンだが、市場では税込42,000円前後での実売が想定される。カラーバリエーションはブラック/プラチナシルバーの2色。
2021年に発売した「WF-1000XM4」(M4)の後継に位置づけられる、NC搭載の完全ワイヤレスイヤホン。M4ではNC性能“業界最高クラス”と銘打っていたが、その後継機となる本モデルでは、JEITAが定める測定基準にもとづき“世界最高ノイキャン”を実現したと謳っている。
音質や通話性能もブラッシュアップする一方、本体サイズは小型/軽量化。M4よりも耳からの飛び出しを抑え、装着感の向上も図っている。
BluetoothオーディオやNC処理を行うチップには、新たに開発した“統合プロセッサー”「V2」、および“高音質ノイズキャンセリングプロセッサー”「QN2e」を併用する、デュアルプロセッサー構成を採用した。
V2が周囲の環境に合わせたリアルタイムのNC処理を行い、QN2eはNC用マイクの制御を担うことで、従来よりも多くのマイクを使ったNC処理が可能となっている。
M4では左右合わせて4基のマイクを搭載していたのに対し、本モデルでは計6基のマイクを搭載。内訳は、外部の騒音を検知するフィードフォワードマイクが2基、耳側のノイズを検知するフィードバックマイクが4基。このデュアルフィードバックマイク構成により、特に低域のNC性能が向上しているとのこと。
同社によれば、統合プロセッサー1基のシングル構成からデュアルプロセッサー構成に変えた背景には、より多くのマイクを制御してNC性能を高められるほか、技術の進歩によりデュアルプロセッサー構成でも小型に設計可能となったこともあるという。
ドライバーユニットは、新開発の「ダイナミックドライバーX」を搭載する。M4の6mmダイナミックドライバーから8.4mmに大型化しつつも厚みは減らし、イヤホン本体の小型化に貢献している。また振動板は、柔らかいエッジ部と軽量・高剛性のドーム部を組み合わせることで、低音は沈み込みよく高音は伸びやかな広帯域再生を実現している。
BluetoothコーデックはLDAC/AAC/SBC、およびLC3をサポート。専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を併用することで、立体音響AI技術を活用して音楽をリアルタイム解析し、最適なアップスケーリングを行う「DSEE Extreme」や、イコライザーも利用できる。立体音響360Reality Audio認定も取得する。
同じくHeadphones Connectから設定できる機能として、聴覚にダメージを与える恐れのある大音量/長時間リスニングを続けた場合に自動的に音圧を制限する「セーフボリュームコントロール」、簡単かつ直感的に自分好みのイコライザー設定を行える「ファインド・ユア・イコライザー」を搭載。
また「ヘッドトラッキング」にも対応し、対応スマートフォン/サラウンドコンテンツと組み合わせることで、頭の向きに応じて音の聴こえ方が変わる、没入感の高いサウンド体験ができる。
イヤホン本体は、片側あたりの重さが約5.9g。M4の約7.3gからおよそ20%の軽量化となり、体積も約25%削減。これに伴い、耳との干渉や耳からの飛び出しも一層少なくなった。
ハウジングは側面を艶のある光沢仕上げにしつつ、タッチ操作で指が触れるトップ部(いわゆるフェイスプレート部)のみ艶消しのマット素材を採用。2つの質感の組み合わせによって見た目の軽やかさを演出しつつ、タッチする場所が直感的にわかりやすいという実用性も持たせている。
この質感の違いは、2つのパーツを組み合わせるのではなく、あくまで1つのメインパーツの上で実現していることもポイント。つまり、質感の境目にパーツのつなぎ目や溝が存在しないシームレスなデザインとなっており、ゴミや汚れも詰まりにくくなっている。
フェイスプレート下部に配置されたマイク部も同様に、微細孔を空けたアルミでカバーすることで可能な限り凹凸を排除。表面を滑らかに仕上げることで、風が吹きつけた際に生じるノイズも低減している。
タッチ操作に関しては、従来どおりタッチする回数や触れる長さに応じて、音楽の再生/停止や通話応答、NCモードの切り替えなどをコントロール可能。これに加え、新たに「4回以上タップ」操作に対応し、左右それぞれ音量アップ/ダウンを割り当てることが可能となった。
イヤーピースとして、新型ノイズアイソレーションイヤーピース「EP-NI1010」が同梱する。素材については、M4同梱のノイズアイソレーションイヤーピース「NP-NI1000」から引き続き、独自に開発したポリウレタンフォームを使用。一方で形状については、“傘”の内側を肉薄にすることで音導管と干渉しにくくなり、耳に入れた際の圧迫感を低減している。
また、先端にはゴミや汚れを防ぐメッシュを追加。さらにサイズのラインナップはS/M/Lの3サイズからSS/S/M/Lの4サイズに拡大し、より多くの耳の形状に対応した。新たに加わったSSサイズは既存の3サイズとやや形状が異なり、先端がシャープにすぼまっているのが特徴。また、サイズごとに音導管の色も異なっている。
なお、EP-NI1010も9月1日より単品販売を開始する。各サイズ1ペア/2個入りで、予想実売価格は税込2,000円前後。色はブラックのみとなる。
通話面では、完全ワイヤレスイヤホン“LinkBudsシリーズ”に搭載していた「AI技術を活用した高精度ボイスピックアップテクノロジー」を取り入れた。5億サンプルを超えるAIの機械学習にもとづくアルゴリズムが、装着者の声とそれ以外の環境ノイズを高度に分離し、通話音声をクリアに抽出する。
これに加え、骨を伝って耳まで届く声を識別する「骨伝導センサー」など、“1000Xシリーズ”の技術も継承。“LinkBudsシリーズ”と“1000Xシリーズ”の長所を融合したことで、同社の完全ワイヤレスイヤホンにおける“史上最高の通話品質”を実現したという。
位置情報や時間帯、行動などにもとづき、音楽ストリーミングサービスの再生などを自動で提案する機能「Auto Play」にも対応。そして、通話の応答やAuto Playの受諾/拒否の操作を、頭の動き(うなずく/左右に振る)でコントロールできる「ヘッドジェスチャー」も搭載している。
2台のデバイスに同時ペアリングし、スムーズに切り替えながら使える「マルチポイント接続」にも出荷時から対応。Androidデバイスと簡単にペアリングできる「Fast Pair3.1」や、複数のAndroidデバイス間をシームレスに切り替えられる「Audio Switch(音声の切り替え)」、Windowsデバイスと簡単にペアリングできる「Swift Pair」、低遅延などが特徴の次世代Bluetooth音声企画「LE Audio」といった機能もサポートし、あらゆるシーンで利便性を高めたとしている。
連続再生時間は、イヤホン単体で最長12時間(NCオフ)/最長8時間(NCオン)。ケース充電を併用する場合は最長24時間(NCオン)となる。イヤホン本体は、約3分間の充電で1時間の再生が可能なクイックチャージをサポート。ケースはQiワイヤレス充電に対応する。
2021年に発売した「WF-1000XM4」(M4)の後継に位置づけられる、NC搭載の完全ワイヤレスイヤホン。M4ではNC性能“業界最高クラス”と銘打っていたが、その後継機となる本モデルでは、JEITAが定める測定基準にもとづき“世界最高ノイキャン”を実現したと謳っている。
音質や通話性能もブラッシュアップする一方、本体サイズは小型/軽量化。M4よりも耳からの飛び出しを抑え、装着感の向上も図っている。
■“世界最高ノイキャン”を実現するデュアルプロセッサー構成
BluetoothオーディオやNC処理を行うチップには、新たに開発した“統合プロセッサー”「V2」、および“高音質ノイズキャンセリングプロセッサー”「QN2e」を併用する、デュアルプロセッサー構成を採用した。
V2が周囲の環境に合わせたリアルタイムのNC処理を行い、QN2eはNC用マイクの制御を担うことで、従来よりも多くのマイクを使ったNC処理が可能となっている。
M4では左右合わせて4基のマイクを搭載していたのに対し、本モデルでは計6基のマイクを搭載。内訳は、外部の騒音を検知するフィードフォワードマイクが2基、耳側のノイズを検知するフィードバックマイクが4基。このデュアルフィードバックマイク構成により、特に低域のNC性能が向上しているとのこと。
同社によれば、統合プロセッサー1基のシングル構成からデュアルプロセッサー構成に変えた背景には、より多くのマイクを制御してNC性能を高められるほか、技術の進歩によりデュアルプロセッサー構成でも小型に設計可能となったこともあるという。
■大口径/薄型の新型ドライバーを搭載。立体音響コンテンツなどもサポート
ドライバーユニットは、新開発の「ダイナミックドライバーX」を搭載する。M4の6mmダイナミックドライバーから8.4mmに大型化しつつも厚みは減らし、イヤホン本体の小型化に貢献している。また振動板は、柔らかいエッジ部と軽量・高剛性のドーム部を組み合わせることで、低音は沈み込みよく高音は伸びやかな広帯域再生を実現している。
BluetoothコーデックはLDAC/AAC/SBC、およびLC3をサポート。専用アプリ「Sony | Headphones Connect」を併用することで、立体音響AI技術を活用して音楽をリアルタイム解析し、最適なアップスケーリングを行う「DSEE Extreme」や、イコライザーも利用できる。立体音響360Reality Audio認定も取得する。
同じくHeadphones Connectから設定できる機能として、聴覚にダメージを与える恐れのある大音量/長時間リスニングを続けた場合に自動的に音圧を制限する「セーフボリュームコントロール」、簡単かつ直感的に自分好みのイコライザー設定を行える「ファインド・ユア・イコライザー」を搭載。
また「ヘッドトラッキング」にも対応し、対応スマートフォン/サラウンドコンテンツと組み合わせることで、頭の向きに応じて音の聴こえ方が変わる、没入感の高いサウンド体験ができる。
■小さくなったハウジングは、1つのパーツで2つの質感を表現
イヤホン本体は、片側あたりの重さが約5.9g。M4の約7.3gからおよそ20%の軽量化となり、体積も約25%削減。これに伴い、耳との干渉や耳からの飛び出しも一層少なくなった。
ハウジングは側面を艶のある光沢仕上げにしつつ、タッチ操作で指が触れるトップ部(いわゆるフェイスプレート部)のみ艶消しのマット素材を採用。2つの質感の組み合わせによって見た目の軽やかさを演出しつつ、タッチする場所が直感的にわかりやすいという実用性も持たせている。
この質感の違いは、2つのパーツを組み合わせるのではなく、あくまで1つのメインパーツの上で実現していることもポイント。つまり、質感の境目にパーツのつなぎ目や溝が存在しないシームレスなデザインとなっており、ゴミや汚れも詰まりにくくなっている。
フェイスプレート下部に配置されたマイク部も同様に、微細孔を空けたアルミでカバーすることで可能な限り凹凸を排除。表面を滑らかに仕上げることで、風が吹きつけた際に生じるノイズも低減している。
タッチ操作に関しては、従来どおりタッチする回数や触れる長さに応じて、音楽の再生/停止や通話応答、NCモードの切り替えなどをコントロール可能。これに加え、新たに「4回以上タップ」操作に対応し、左右それぞれ音量アップ/ダウンを割り当てることが可能となった。
■発泡素材イヤーピースもデザイン改良「EP-NI1010」に
イヤーピースとして、新型ノイズアイソレーションイヤーピース「EP-NI1010」が同梱する。素材については、M4同梱のノイズアイソレーションイヤーピース「NP-NI1000」から引き続き、独自に開発したポリウレタンフォームを使用。一方で形状については、“傘”の内側を肉薄にすることで音導管と干渉しにくくなり、耳に入れた際の圧迫感を低減している。
また、先端にはゴミや汚れを防ぐメッシュを追加。さらにサイズのラインナップはS/M/Lの3サイズからSS/S/M/Lの4サイズに拡大し、より多くの耳の形状に対応した。新たに加わったSSサイズは既存の3サイズとやや形状が異なり、先端がシャープにすぼまっているのが特徴。また、サイズごとに音導管の色も異なっている。
なお、EP-NI1010も9月1日より単品販売を開始する。各サイズ1ペア/2個入りで、予想実売価格は税込2,000円前後。色はブラックのみとなる。
■通話性能や豊富な便利機能でビジネスアイテムとしてもアピール
通話面では、完全ワイヤレスイヤホン“LinkBudsシリーズ”に搭載していた「AI技術を活用した高精度ボイスピックアップテクノロジー」を取り入れた。5億サンプルを超えるAIの機械学習にもとづくアルゴリズムが、装着者の声とそれ以外の環境ノイズを高度に分離し、通話音声をクリアに抽出する。
これに加え、骨を伝って耳まで届く声を識別する「骨伝導センサー」など、“1000Xシリーズ”の技術も継承。“LinkBudsシリーズ”と“1000Xシリーズ”の長所を融合したことで、同社の完全ワイヤレスイヤホンにおける“史上最高の通話品質”を実現したという。
位置情報や時間帯、行動などにもとづき、音楽ストリーミングサービスの再生などを自動で提案する機能「Auto Play」にも対応。そして、通話の応答やAuto Playの受諾/拒否の操作を、頭の動き(うなずく/左右に振る)でコントロールできる「ヘッドジェスチャー」も搭載している。
2台のデバイスに同時ペアリングし、スムーズに切り替えながら使える「マルチポイント接続」にも出荷時から対応。Androidデバイスと簡単にペアリングできる「Fast Pair3.1」や、複数のAndroidデバイス間をシームレスに切り替えられる「Audio Switch(音声の切り替え)」、Windowsデバイスと簡単にペアリングできる「Swift Pair」、低遅延などが特徴の次世代Bluetooth音声企画「LE Audio」といった機能もサポートし、あらゆるシーンで利便性を高めたとしている。
連続再生時間は、イヤホン単体で最長12時間(NCオフ)/最長8時間(NCオン)。ケース充電を併用する場合は最長24時間(NCオン)となる。イヤホン本体は、約3分間の充電で1時間の再生が可能なクイックチャージをサポート。ケースはQiワイヤレス充電に対応する。