10/19発売
テクニクス、ノイキャン/3台マルチポイント/LDAC対応で税込1.5万円の完全ワイヤレス「EAH-AZ40M2」
パナソニックは、同社テクニクスブランドの完全ワイヤレスイヤホン新製品「EAH-AZ40M2」を10月19日より発売する。価格はオープンだが、税込15,000円程度での実売が想定される。
9月のIFAでもお披露目されていた、2021年に発売された「EAH-AZ40」の後継モデル。6月発売の「EAH-AZ60」後継機「EAH-AZ60M2」と同様に機能面のアップデートがなされており、新フラグシップ機「EAH-AZ80」と併せ、テクニクス完全ワイヤレス全ラインナップが3台マルチポイント接続、LDAC対応を果たすかたちだ。
パナソニックの調べによると、現在、完全ワイヤレスの市場では1万円-1.5万円のラインが伸びてきており、また価格帯別で「完全ワイヤレスを購入する際最も重視するポイント」を調査すると、1万円-2万円ゾーンでは「音質」を選ぶ方が50%を占めるという。
さらにAZ40を発売した2021年10月頃は、1万円-2万円の完全ワイヤレスでアクティブノイズキャンセル機能を搭載するモデルは50%程度だったが、2023年8月時点では8割にも昇っていることから、市場のトレンドとしてノイキャンも大事なポイントだとする。
テクニクスでは「音に味付けをせず、アーティストの表現をそのまま再現」することを「良い音」だとしており、その実現のため6mm径PEEK振動板や独自技術「アコースティックコントロールチャンバー」「ハーモナイザー」を用いた音響構造はそのまま踏襲。
さらなる音質向上をもたらすため、サウンドモードがオフのときはイコライザーを通さず、動作をシンプル化させて音質劣化を防ぐ「ダイレクトモード」の搭載、高品位なワイヤレス再生が可能なLDACコーデックへの対応を果たした。
また、市場のニーズに応えてアクティブノイズキャンセリング機能を新搭載。アンビエント(外音取り込み)モードも、フィルター性能の向上によって聞こえる帯域が拡大し、高域も聞き取りやすくなったという。
前モデルが「コンパクトサイズで装着感も良い」と好評を得ていることから、しずく型の筐体デザインも踏襲。ピュアブラック/シルバー/ローズゴールドというカラーラインナップも前モデルと同様になっている。IPX4相当の防水性能も引き続き装備。
そして機能面では3台のマルチポイントに対応した。これはAZ80/AZ60M2で採用された機能で、スマホとPCに加え、動画視聴用のタブレットなどを同時に接続できるようになるため、接続切り替えの操作をせずとも急な着信やオンライン会議に対応できる。AZ80/AZ60M2で好評なことから、本機でも搭載することになったとのこと。なお、3台マルチポイント接続時はLDAC非対応となる。
また専用アプリ「Technics Audio Connect」上からの電源オフ操作、音声ガイダンスのカスタマイズ機能を新搭載。接続ガイダンスも「〇〇に接続しました」と、接続先のデバイスが分かりやすくアップデートされている。なお、独自の通話音声処理技術「JustMyVoice」は非搭載だ。
さらに充電ケースにイヤホン本体/ケースそれぞれの充電状態を示すLEDを搭載するほか、Windows PCでのクイックペアリング機能「SwiftPair」にも新対応。環境負荷低減のためプラスチックフリー、かつ前モデル比で体積を20%減らしたパッケージを採用する。
BluetoothはVer.5.3で、コーデックはSBC/AAC/LDACをサポート。再生時間(イヤホン単体/ケース充電込み)はノイキャンON、AAC接続時が約5.5時間/約18時間、ノイキャンON、LDAC接続時が約3.5時間/約12時間。約15分の充電で約60分の再生(ノイキャンON、AAC接続)が可能な急速充電にも対応する。
■タッチセンサーから上質デザインまで、テクニクス完全ワイヤレスに込められたこだわり技術
EAH-AZ40M2でのアップデートポイントではないが、この機会にテクニクスの完全ワイヤレスにおけるこだわりをいくつか伺うことができたので、以下に紹介していきたい。
まずは無線設計について。一般的なタッチ操作式の完全ワイヤレスは筐体側面の中央部にタッチセンサーを置き、それを囲むようにアンテナを配置するが、この方式だとアンテナの特性を最大化できず、また小型化が難しいことから、アンテナとタッチセンサーの共用化案が持ち上がった。
接続性を担保する手段として小型の板状逆F型アンテナ(PIFA)の採用を考えるも、タッチ操作の反応が大幅に悪化してしまうため共用化は困難とされたが、タッチ操作の反応を悪化させないPIFAを独自設計し、小型化を実現した。
この技術は特許も出願済みで、テクニクス初の完全ワイヤレス「EAH-AZ70」から今に至るまで採用されているが、EAH-AZ80のみは特性の結果からアンテナとタッチセンサーを別にしてあるそうだ。
またデザイン面では、高級感あるサーキュラー加工と金属質感のある仕上げをするには金属塗装が必要なのだが、一般的なアルミ蒸着を行うと電波を通さなくなってしまうほか、塗装面全体にタッチ時の微弱電流が散って、アンテナとタッチセンサーどちらも性能劣化を起こしてしまうという。
そこで異種金属の「インジウム」を採用し、塗装メーカーと薄膜の調整を重ねた結果、インジウムを面でなく微粒子のような点の状態で蒸着させることで、高級感ある質感のまま電波の通り道とタッチ性能を確保した。これもAZ70から採用される技術だが、シルバーやローズゴールドなどの金属光沢が必要とされるカラーにて使われているとのこと。
ちなみにAZ40/AZ40M2でラインナップされるローズゴールドは、高級感がありつつ肌馴染みの良いカラーリングにするため、実に30以上の試作を経て現在のカラーに辿り着いたそう。
さらにAZ80/AZ60M2より採用の“業界初”3台マルチポイント接続について。これはEAH-AZ60で実現した「LDAC接続と2台マルチポイント接続の併用」に大容量の通信リソースが使われていたことから、そのリソース容量を有効活用して3台マルチポイント接続(ただしLDACは非対応)を実現。安定した接続性の確保など課題も多かったが、パナソニックの有する無線・通信ノウハウを用いて実用化に至ったと語っていた。
9月のIFAでもお披露目されていた、2021年に発売された「EAH-AZ40」の後継モデル。6月発売の「EAH-AZ60」後継機「EAH-AZ60M2」と同様に機能面のアップデートがなされており、新フラグシップ機「EAH-AZ80」と併せ、テクニクス完全ワイヤレス全ラインナップが3台マルチポイント接続、LDAC対応を果たすかたちだ。
パナソニックの調べによると、現在、完全ワイヤレスの市場では1万円-1.5万円のラインが伸びてきており、また価格帯別で「完全ワイヤレスを購入する際最も重視するポイント」を調査すると、1万円-2万円ゾーンでは「音質」を選ぶ方が50%を占めるという。
さらにAZ40を発売した2021年10月頃は、1万円-2万円の完全ワイヤレスでアクティブノイズキャンセル機能を搭載するモデルは50%程度だったが、2023年8月時点では8割にも昇っていることから、市場のトレンドとしてノイキャンも大事なポイントだとする。
テクニクスでは「音に味付けをせず、アーティストの表現をそのまま再現」することを「良い音」だとしており、その実現のため6mm径PEEK振動板や独自技術「アコースティックコントロールチャンバー」「ハーモナイザー」を用いた音響構造はそのまま踏襲。
さらなる音質向上をもたらすため、サウンドモードがオフのときはイコライザーを通さず、動作をシンプル化させて音質劣化を防ぐ「ダイレクトモード」の搭載、高品位なワイヤレス再生が可能なLDACコーデックへの対応を果たした。
また、市場のニーズに応えてアクティブノイズキャンセリング機能を新搭載。アンビエント(外音取り込み)モードも、フィルター性能の向上によって聞こえる帯域が拡大し、高域も聞き取りやすくなったという。
前モデルが「コンパクトサイズで装着感も良い」と好評を得ていることから、しずく型の筐体デザインも踏襲。ピュアブラック/シルバー/ローズゴールドというカラーラインナップも前モデルと同様になっている。IPX4相当の防水性能も引き続き装備。
そして機能面では3台のマルチポイントに対応した。これはAZ80/AZ60M2で採用された機能で、スマホとPCに加え、動画視聴用のタブレットなどを同時に接続できるようになるため、接続切り替えの操作をせずとも急な着信やオンライン会議に対応できる。AZ80/AZ60M2で好評なことから、本機でも搭載することになったとのこと。なお、3台マルチポイント接続時はLDAC非対応となる。
また専用アプリ「Technics Audio Connect」上からの電源オフ操作、音声ガイダンスのカスタマイズ機能を新搭載。接続ガイダンスも「〇〇に接続しました」と、接続先のデバイスが分かりやすくアップデートされている。なお、独自の通話音声処理技術「JustMyVoice」は非搭載だ。
さらに充電ケースにイヤホン本体/ケースそれぞれの充電状態を示すLEDを搭載するほか、Windows PCでのクイックペアリング機能「SwiftPair」にも新対応。環境負荷低減のためプラスチックフリー、かつ前モデル比で体積を20%減らしたパッケージを採用する。
BluetoothはVer.5.3で、コーデックはSBC/AAC/LDACをサポート。再生時間(イヤホン単体/ケース充電込み)はノイキャンON、AAC接続時が約5.5時間/約18時間、ノイキャンON、LDAC接続時が約3.5時間/約12時間。約15分の充電で約60分の再生(ノイキャンON、AAC接続)が可能な急速充電にも対応する。
■タッチセンサーから上質デザインまで、テクニクス完全ワイヤレスに込められたこだわり技術
EAH-AZ40M2でのアップデートポイントではないが、この機会にテクニクスの完全ワイヤレスにおけるこだわりをいくつか伺うことができたので、以下に紹介していきたい。
まずは無線設計について。一般的なタッチ操作式の完全ワイヤレスは筐体側面の中央部にタッチセンサーを置き、それを囲むようにアンテナを配置するが、この方式だとアンテナの特性を最大化できず、また小型化が難しいことから、アンテナとタッチセンサーの共用化案が持ち上がった。
接続性を担保する手段として小型の板状逆F型アンテナ(PIFA)の採用を考えるも、タッチ操作の反応が大幅に悪化してしまうため共用化は困難とされたが、タッチ操作の反応を悪化させないPIFAを独自設計し、小型化を実現した。
この技術は特許も出願済みで、テクニクス初の完全ワイヤレス「EAH-AZ70」から今に至るまで採用されているが、EAH-AZ80のみは特性の結果からアンテナとタッチセンサーを別にしてあるそうだ。
またデザイン面では、高級感あるサーキュラー加工と金属質感のある仕上げをするには金属塗装が必要なのだが、一般的なアルミ蒸着を行うと電波を通さなくなってしまうほか、塗装面全体にタッチ時の微弱電流が散って、アンテナとタッチセンサーどちらも性能劣化を起こしてしまうという。
そこで異種金属の「インジウム」を採用し、塗装メーカーと薄膜の調整を重ねた結果、インジウムを面でなく微粒子のような点の状態で蒸着させることで、高級感ある質感のまま電波の通り道とタッチ性能を確保した。これもAZ70から採用される技術だが、シルバーやローズゴールドなどの金属光沢が必要とされるカラーにて使われているとのこと。
ちなみにAZ40/AZ40M2でラインナップされるローズゴールドは、高級感がありつつ肌馴染みの良いカラーリングにするため、実に30以上の試作を経て現在のカラーに辿り着いたそう。
さらにAZ80/AZ60M2より採用の“業界初”3台マルチポイント接続について。これはEAH-AZ60で実現した「LDAC接続と2台マルチポイント接続の併用」に大容量の通信リソースが使われていたことから、そのリソース容量を有効活用して3台マルチポイント接続(ただしLDACは非対応)を実現。安定した接続性の確保など課題も多かったが、パナソニックの有する無線・通信ノウハウを用いて実用化に至ったと語っていた。