メディア向け説明・体験会をレポート
Amazon、新世代「Fire TV Stick 4K/4K Max」実機をお披露目。新モードや進化した機能の魅力とは
Amazonは、スティック型のストリーミング端末“Fire TVシリーズ”の新世代モデル「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」「Fire TV Stick 4K(第2世代)」の出荷開始を10月18日に控え、本日10月11日にAmazonオフィスにて本製品のメディア向け説明・体験会を開催した。本稿では早速その模様をレポートする。
メディア向け製品発表会では、アマゾンジャパン合同会社 Amazonデバイス Fire TV事業部 事業部長の西端明彦氏が登壇し、昨今のストリーミングメディアプレーヤーの市場動向を受けて進化した各モデルの新機能や特長について解説した。
「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」は、2.0GHzクアッドコアプロセッサを搭載するFire TV Stickシリーズの最上位モデル。前世代機と比較してアプリの起動や切り替え、コンテンツの検索など操作速度が向上した。
Fire TV Stickシリーズとしては初となるWi-Fi 6Eに対応。2.4GHz/5GHz帯に加えて6GHz帯にも対応し、複数のデバイスが同じルーターに接続している際にも、4K映像コンテンツを滑らかに再生するという。
ストレージ容量は前世代機から2倍となる16GBに増加し、より多くのアプリやゲームをデバイスに保存できる。Alexaに対応した同梱リモコンは新型「Enhanced(エンハンスド)」となり、Prime Videoライブチャンネル用のチャンネルボタン、最近使用したアプリやチャンネルにワンクリックで直接アクセスできる「最近のアイテム」ボタンを備えている。
大きな特長として、Fire TVシリーズでは国内初となる「アンビエントディスプレイ機能」を搭載する。ストリーミングコンテンツを視聴していない時に、美しいアートを選んで大画面で楽しむことができるというもので、2,000点以上のアート画像を内蔵。パリのオルセー美術館やマドリードのプラド美術館の作品を選択して、テレビ未視聴時のリビングをより豊かな空間に演出できる。
元から搭載されている2,000点以上のアートに加えて、Amazon Photoに取り込んだ自身のプライベート写真や画像の表示にも対応。焚き火の炎が揺れるモーション画像なども表示することが可能だ。
今回、4K MAXのみにこのアンビエントディスプレイ機能が搭載された理由について西端氏は「新たな機能として今回は最上位モデルのみに実装する形となった。他モデルへの対応については今後ユーザーからのフィードバックを踏まえて考えていきたい」とユーザーニーズを見極めていく。
ほか、Alexaのウィジェット機能も選択可能で、カレンダーや天気などの情報確認、スマートデバイスの操作などが行える。
「Fire TV Stick 4K(第2世代)」は、1.7GHzのクアッドコアプロセッサを搭載し、前世代より約25%パワフルになったとアピールする。メモリは2GBを内蔵。新たにWi-Fi 6に対応し、2.4GHz帯と5GHz帯をサポートする。本モデルのスペックを「最新の4Kコンテンツを楽しむのに十分な性能が備わっている」と強調した。
両モデルともに、4K Ultra HD、Dolby Vision、HDR、HDR10+に対応し、音声はDolby Atmosをサポート。「まるで映画館のような4K体験が味わえる」と訴えた。
サウンド面では、別売の「Echo Studio」などのEchoデバイスとペアリングすることでステレオ再生が可能となり、自宅でホームシアターを構築することもできる。eARC対応テレビであれば、Fire TVからのコンテンツだけでなく、地上波放送などTVからの音も出力することができる。
そのほか、今年Fire TVシリーズに追加された「無料/追加料金なしタブ」も搭載している。これは、ユーザーから「有料 or 無料コンテンツの違いを知りたい」という要望を受けて導入されたもので、メニューワードの下の無料/追加料金なしタブをクリック、もしくはAlexaに話しかけることで、配信コンテンツの中から無料で視聴できる(広告付きなど)コンテンツを瞬時に確認することができる。
新世代モデルを投入するにあたり、Fire TVシリーズの現在の販売実績や昨今のストリーミング端末市場について説明が行われた。
外付けの「Fire TV Cube」やスマートテレビを含む全世界でのシリーズ累計販売台数は2023年9月時点で2億台以上を突破、現在世界85ヶ国以上で販売するというFire TVシリーズを、「世界で最も人気のストリーミングメディアプレーヤーである」と強調した。
日本国内では2015年に販売を開始。Stickシリーズ、Cubeシリーズと拡張を続け、「今では日本のユーザーにも人気のデバイスとなった」と述べ、コロナ以降も販売台数、月間利用者数とも順調に伸び続けている。
同シリーズの各モデルの位置づけについても解説。通常モデルにあたる「Fire TV Stick」は、基本性能を全て搭載したHD対応モデル。5,000円以下という買い求めやすい価格帯で、「初めてのストリーミング視聴にも最適なエントリーモデル」と位置づけた。
Fire TV Cubeは、ハンズフリー操作に特化した点を最大の特長として挙げ、ボタン操作なしに、Alexaを通じて声のみでテレビのオン/オフや音量調整、チャンネル変更やスマートホーム機器の操作が手軽に行える。スペック面でも「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」を上回り、拡張機能も備えることから、「シリーズ内でより滑らかな映像体験ができるのはCube」と説明した。
スマートテレビでは、テレビ番組とネット動画を同時に表示させることが可能となり、テレビ/ネットの区別なしにコンテンツを俯瞰して選択することができる。これまでストリーミングメディア開発で培ってきた様々なユーザーインターフェースや使い勝手を常にアップデートしているとアピールした。
さらに、今回4K対応モデルを2種ラインナップするに至った背景についても言及。「FIre TV Stick 4K MAX(第1世代)」を購入したユーザーの声も参考にしたとのことで、「テレビを4Kモデルに買い替えたのでFIre TV Stick 4K MAXを購入した」「テレビを大型化したので映像の粗が気になり4K対応に買い替えた」といった声が多く寄せられているという。
2023年1月〜8月における4Kテレビと2Kテレビの販売台数比率は、4Kテレビが60%を占めている。「昨今4Kテレビではすでにスマート機能を搭載したテレビが増えているが、それに対してFire TV Stickを使用することでより反応が良くなるなど、スマート機能のみをアップグレードしたいという需要も出てきている」とニーズの高まりを指摘した。
説明会終了後、Fire TV Stick 4K Max(第2世代)を中心にアンビエントディスプレイ機能やホームシアターシステムの実演デモが実施された。
4K MAXは上述した通り、2.0GHzクアッドコアプロセッサ搭載による操作速度の向上が特長のひとつ。実際にコンテンツ切り替えや検索などの操作を試してみると、非常に反応がスムーズで操作感はとても快適。動画の読み込みも再生ボタンを押してから約1〜2秒で再生されるのが確認できた。ただ、前世代モデルから十分すぎる操作速度は備わっていたので、ぱっと操作した限りにおいては“大きな変化”を感じるものではなかったことを述べておきたい。
刷新された新しいリモコン「Enhanced(エンハンスド)」には、Prime Videoライブチャンネル用のチャンネルボタンと「最近のアイテム」ボタンが追加されている。ボタンが追加されたことで少しサイズが大きくなっているが、重さを負担に感じることはないので特に気にせず使用できるだろう。
「最近のアイテム」ボタンでは、クリックひとつで最近使用したコンテツやチャンネルを直接表示させることができる。コンテンツの続きを視聴する際などに重宝しそうな便利機能だ。
また、4K MAXの大きな特長であるアンビエントディスプレイ機能は、リモコンのAlexaボタンを軽押し、ホームボタンを長押しなどでモードを表示させることできる。Alexaで「アンビエントディスプレイを見せて」と呼びかけて表示できることも確認できた。
アート画像を表示させながら方向ボタン上を押すことで、その上にウィジェットを表示させることも可能。画像表示は未操作が約14分続くと自動で非表示になるとのことだが、担当者によれば、この時間制限は新世代モデルをすでに使用している海外ユーザーから様々な要望が寄せられていて、改善を検討しているとのこと。アートの追加は現時点では予定されていない。
画像を表示させた状態で、「ベートヴェン交響曲第5番を聴かせて」などと好みの音楽を呼びかければ、自動で音楽も併せて流してくれる。右上のメニューボタンを押すことで、ウィジェットやアンビエントディスプレイの背景変更も行えた。本機能がこれまでにはなかったテレビの新たな役割を問うきっかけとなりそうだ。
なお、今回の新世代モデルの海外発表時には、合わせて生成AIを活用したFire TVの新機能も発表されていたが、本イベントではそれらに関する新情報や詳細について公開されることはなかった。今後の続報に期待したい。
■4K MaxはFire TV Stickシリーズ初のWi-Fi 6Eに対応
メディア向け製品発表会では、アマゾンジャパン合同会社 Amazonデバイス Fire TV事業部 事業部長の西端明彦氏が登壇し、昨今のストリーミングメディアプレーヤーの市場動向を受けて進化した各モデルの新機能や特長について解説した。
「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」は、2.0GHzクアッドコアプロセッサを搭載するFire TV Stickシリーズの最上位モデル。前世代機と比較してアプリの起動や切り替え、コンテンツの検索など操作速度が向上した。
Fire TV Stickシリーズとしては初となるWi-Fi 6Eに対応。2.4GHz/5GHz帯に加えて6GHz帯にも対応し、複数のデバイスが同じルーターに接続している際にも、4K映像コンテンツを滑らかに再生するという。
ストレージ容量は前世代機から2倍となる16GBに増加し、より多くのアプリやゲームをデバイスに保存できる。Alexaに対応した同梱リモコンは新型「Enhanced(エンハンスド)」となり、Prime Videoライブチャンネル用のチャンネルボタン、最近使用したアプリやチャンネルにワンクリックで直接アクセスできる「最近のアイテム」ボタンを備えている。
大きな特長として、Fire TVシリーズでは国内初となる「アンビエントディスプレイ機能」を搭載する。ストリーミングコンテンツを視聴していない時に、美しいアートを選んで大画面で楽しむことができるというもので、2,000点以上のアート画像を内蔵。パリのオルセー美術館やマドリードのプラド美術館の作品を選択して、テレビ未視聴時のリビングをより豊かな空間に演出できる。
元から搭載されている2,000点以上のアートに加えて、Amazon Photoに取り込んだ自身のプライベート写真や画像の表示にも対応。焚き火の炎が揺れるモーション画像なども表示することが可能だ。
今回、4K MAXのみにこのアンビエントディスプレイ機能が搭載された理由について西端氏は「新たな機能として今回は最上位モデルのみに実装する形となった。他モデルへの対応については今後ユーザーからのフィードバックを踏まえて考えていきたい」とユーザーニーズを見極めていく。
ほか、Alexaのウィジェット機能も選択可能で、カレンダーや天気などの情報確認、スマートデバイスの操作などが行える。
「Fire TV Stick 4K(第2世代)」は、1.7GHzのクアッドコアプロセッサを搭載し、前世代より約25%パワフルになったとアピールする。メモリは2GBを内蔵。新たにWi-Fi 6に対応し、2.4GHz帯と5GHz帯をサポートする。本モデルのスペックを「最新の4Kコンテンツを楽しむのに十分な性能が備わっている」と強調した。
両モデルともに、4K Ultra HD、Dolby Vision、HDR、HDR10+に対応し、音声はDolby Atmosをサポート。「まるで映画館のような4K体験が味わえる」と訴えた。
サウンド面では、別売の「Echo Studio」などのEchoデバイスとペアリングすることでステレオ再生が可能となり、自宅でホームシアターを構築することもできる。eARC対応テレビであれば、Fire TVからのコンテンツだけでなく、地上波放送などTVからの音も出力することができる。
そのほか、今年Fire TVシリーズに追加された「無料/追加料金なしタブ」も搭載している。これは、ユーザーから「有料 or 無料コンテンツの違いを知りたい」という要望を受けて導入されたもので、メニューワードの下の無料/追加料金なしタブをクリック、もしくはAlexaに話しかけることで、配信コンテンツの中から無料で視聴できる(広告付きなど)コンテンツを瞬時に確認することができる。
■テレビの4K化、大型化、スマート化の加速が追い風に
新世代モデルを投入するにあたり、Fire TVシリーズの現在の販売実績や昨今のストリーミング端末市場について説明が行われた。
外付けの「Fire TV Cube」やスマートテレビを含む全世界でのシリーズ累計販売台数は2023年9月時点で2億台以上を突破、現在世界85ヶ国以上で販売するというFire TVシリーズを、「世界で最も人気のストリーミングメディアプレーヤーである」と強調した。
日本国内では2015年に販売を開始。Stickシリーズ、Cubeシリーズと拡張を続け、「今では日本のユーザーにも人気のデバイスとなった」と述べ、コロナ以降も販売台数、月間利用者数とも順調に伸び続けている。
同シリーズの各モデルの位置づけについても解説。通常モデルにあたる「Fire TV Stick」は、基本性能を全て搭載したHD対応モデル。5,000円以下という買い求めやすい価格帯で、「初めてのストリーミング視聴にも最適なエントリーモデル」と位置づけた。
Fire TV Cubeは、ハンズフリー操作に特化した点を最大の特長として挙げ、ボタン操作なしに、Alexaを通じて声のみでテレビのオン/オフや音量調整、チャンネル変更やスマートホーム機器の操作が手軽に行える。スペック面でも「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」を上回り、拡張機能も備えることから、「シリーズ内でより滑らかな映像体験ができるのはCube」と説明した。
スマートテレビでは、テレビ番組とネット動画を同時に表示させることが可能となり、テレビ/ネットの区別なしにコンテンツを俯瞰して選択することができる。これまでストリーミングメディア開発で培ってきた様々なユーザーインターフェースや使い勝手を常にアップデートしているとアピールした。
さらに、今回4K対応モデルを2種ラインナップするに至った背景についても言及。「FIre TV Stick 4K MAX(第1世代)」を購入したユーザーの声も参考にしたとのことで、「テレビを4Kモデルに買い替えたのでFIre TV Stick 4K MAXを購入した」「テレビを大型化したので映像の粗が気になり4K対応に買い替えた」といった声が多く寄せられているという。
2023年1月〜8月における4Kテレビと2Kテレビの販売台数比率は、4Kテレビが60%を占めている。「昨今4Kテレビではすでにスマート機能を搭載したテレビが増えているが、それに対してFire TV Stickを使用することでより反応が良くなるなど、スマート機能のみをアップグレードしたいという需要も出てきている」とニーズの高まりを指摘した。
■テレビの新たな可能性を提案するアンビエントディスプレイ機能
説明会終了後、Fire TV Stick 4K Max(第2世代)を中心にアンビエントディスプレイ機能やホームシアターシステムの実演デモが実施された。
4K MAXは上述した通り、2.0GHzクアッドコアプロセッサ搭載による操作速度の向上が特長のひとつ。実際にコンテンツ切り替えや検索などの操作を試してみると、非常に反応がスムーズで操作感はとても快適。動画の読み込みも再生ボタンを押してから約1〜2秒で再生されるのが確認できた。ただ、前世代モデルから十分すぎる操作速度は備わっていたので、ぱっと操作した限りにおいては“大きな変化”を感じるものではなかったことを述べておきたい。
刷新された新しいリモコン「Enhanced(エンハンスド)」には、Prime Videoライブチャンネル用のチャンネルボタンと「最近のアイテム」ボタンが追加されている。ボタンが追加されたことで少しサイズが大きくなっているが、重さを負担に感じることはないので特に気にせず使用できるだろう。
「最近のアイテム」ボタンでは、クリックひとつで最近使用したコンテツやチャンネルを直接表示させることができる。コンテンツの続きを視聴する際などに重宝しそうな便利機能だ。
また、4K MAXの大きな特長であるアンビエントディスプレイ機能は、リモコンのAlexaボタンを軽押し、ホームボタンを長押しなどでモードを表示させることできる。Alexaで「アンビエントディスプレイを見せて」と呼びかけて表示できることも確認できた。
アート画像を表示させながら方向ボタン上を押すことで、その上にウィジェットを表示させることも可能。画像表示は未操作が約14分続くと自動で非表示になるとのことだが、担当者によれば、この時間制限は新世代モデルをすでに使用している海外ユーザーから様々な要望が寄せられていて、改善を検討しているとのこと。アートの追加は現時点では予定されていない。
画像を表示させた状態で、「ベートヴェン交響曲第5番を聴かせて」などと好みの音楽を呼びかければ、自動で音楽も併せて流してくれる。右上のメニューボタンを押すことで、ウィジェットやアンビエントディスプレイの背景変更も行えた。本機能がこれまでにはなかったテレビの新たな役割を問うきっかけとなりそうだ。
なお、今回の新世代モデルの海外発表時には、合わせて生成AIを活用したFire TVの新機能も発表されていたが、本イベントではそれらに関する新情報や詳細について公開されることはなかった。今後の続報に期待したい。