キヤノン、プロ撮影に応えるフルサイズミラーレス一眼のフラグシップモデル「EOS R1」

公開日 2024/07/17 19:01 編集部：成藤正宣

キヤノンは、ミラーレス一眼カメラ “EOS Rシステム” から、フルサイズセンサー搭載のフラグシップモデル「EOS R1」を11月に発売する。価格はオープンだが、同社直販サイトキヤノンオンラインショップでは、ボディ単体を税込1,089,000円前後にて取り扱う。

EOS R1ボディ

2020年2月発売のデジタル一眼「EOS-1D X Mark III」の信頼性／耐久性を受け継ぎつつ、先端技術の導入によりプロのニーズに応える高い撮影性能を実現したとする最上位ミラーレスカメラ。今年5月に開発発表したモデルを、正式に披露した格好だ。

新開発の裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、有効画素数は約2420万画素。静止画撮影時の常用ISO感度は100 - 102400で屋外のスポーツ撮影から夜間の報道撮影まで幅広いシーンに対応でき、カメラ内アップスケーリング機能により最大約9600万画素の高精細画像を生成、トリミングすることも可能。同様に、カメラ内でRAWデータからノイズ低減画像を生成する「ニューラルネットワークノイズ低減」機能も内蔵した。

新開発の映像エンジンシステム「Accelerated Capture」を採用。既存の映像エンジン「DIGIC X」に加え、新たに開発した「DIGIC Accelerator」という2つ目の映像エンジンを搭載。DIGIC AcceleratorはAF／AE検出をはじめとする解析処理を専門に受け持つことで大量のデータをセンサーからキャプチャー可能となり、高速撮影や高速AF、さらには動画撮影中の静止画同時撮影なども実現している。

新開発の裏面照射型CMOSセンサーと、2つの映像エンジンを用いた新システムを備えた

AF性能も向上し、同社デュアルピクセルCMOS AF搭載機としては初めてクロスAFに対応。縞模様の被写体や小さな被写体を写す場合や、AFフレーム内にピントが近いものと遠いものが混在している場合、金網やネット越しの被写体を捉える場合なども、高精度かつ安定した合焦が行えるとする。

人物、動物、乗り物などAF追尾の対象となる被写体の種類も拡大。ほか、サッカーのシュートなど、スポーツの決定的瞬間を検知しピントを合わせる「アクション認識」、事前に登録した任意の人物にフォーカスを合わせ続ける「登録人物優先AF」などをサポート。

視線を検出してフォーカスを定める「視線入力AF」も、従来機「EOS R3」からさらにブラッシュアップした上で搭載。検出フレームレートを2倍に高めたことをはじめ、検出アルゴリズムの改善、センサーや光源LEDの性能向上などを行い、目の位置がずれた場合や眼鏡を着用している場合の検出精度を高めている。

電子シャッター撮影時において最大40コマ/秒の連射速度を実現した一方、ローリングシャッター歪みはEOS-1D X Mark IIIのメカシャッターと同等レベルまで抑制。同社カメラユーザーの声に声に応えるかたちで、連射速度を30コマ/秒、20コマ/秒など小刻みに設定することが可能となった。また、シャッターボタンを押したタイミングから最大約20コマ分さかのぼって記録できるプリ連続撮影機能を備える。

動画撮影においては、フルサイズ画角での6K/60p RAWのカメラ内記録や、4K/60p、フルHD/240p MP4の記録に対応。常用ISO感度は最大32000となり、ノイズリダクションのアルゴリズム改善により高感度撮影時のノイズをEOS R3よりも抑制しているという。また、前述のとおり動画撮影中でも最大約10コマ/秒での静止画同時撮影が可能となっているほか、動画撮影ボタンを押す3 - 5秒前までさかのぼって映像を記録する「プレ記録」機能を搭載した。

カメラ内には5軸手ブレ補正機構を備え、対応するRFレンズの装着時にはカメラ内／レンズ手ブレ補正それぞれ協調制御を行うことで、最高8.5段分の手ブレ補正効果が得られるとする。

本体外装には軽量／高剛性のマグネシウム合金を採用し、EOS-1D Xシリーズと同等の防塵防滴性能や、高温多湿環境でもEVFが曇りにくい防曇構造、撮影時間を伸ばす放熱構造を備える。操作性についても、縦持ち／横持ち両方に対応するグリップ形状や表面仕上げを検討したほか、動画撮影中を分かりやすく示すタリーランプ、既存モデル「EOS R6 mark II」と共通の新世代マルチコントローラーの搭載など、改良を重ねた。