ガジェット「5年に1度しかない」出来事
未発売ファミコンゲーム2本がeBayに出現。レア社製「パワーグローブ」デモも
米ビデオゲーム歴史保存協会の創設者Frank Cifaldi氏は、未発売のNES(北米向けファミコン)用ゲームをeBayに2本出品されていることを発見し、こんなことは「5年に1度しかない」と報告している。
これらはデジタル化(データ吸い出しによる保存)されていないため確保する意義が大きいものの、資金が足りないとして助けを募集している次第だ。
ひとつは『Battlefields of Napoleon』(ナポレオンの戦場)というゲームで、箱絵が完成するほど開発が進んでいたものの、小売店に出荷されることはなかったという。
もう1つは、さらに文字通り“レア”ゲームだ。あのレア社(『スーパードンキーコング』や『ゴールデンアイ 007』を開発、後にマイクロソフトにより買収)が開発したパワーグローブ用のデモゲームである。
ちなみにパワーグローブとは、1989年に米マテル社が発売したファミコン用の手袋型コントローラーだ。グローブの位置をテレビに取り付けた超音波センサーで捉えることで操作できる仕組みだが、実際には対応ソフトがほとんど出なかった(今回の1本や、発表されたが未発売分を含めて計5本とのこと)。
このうち『Battlefields of Napoleon』が出品されることは、Cifaldi氏は知っていたそうだ。実際にこの実物を鑑定サービスの一環として手に取ったことがあり、今回の出品にも自分の鑑定書が添えられているという。
そして『Battlefields of Napoleon』の所有者は本作の元開発者で、オークションへの出品を決めるまで何十年も持っていたそうだ。かたやパワーグローブ用ゲームは、ゲームデザイナーの奥さんが出品している。その本人はノバックという会社に勤めていた当時、マテル社と直接パワーグローブ製品に関して共同作業し、紙の上でデザインを行い、それをレア社に送ってゲームを開発してもらったそうだ。
パワーグローブ用ゲームは、たった1面のデモしかなく、おそらく展示会に持ち込み、小売店の反応次第で「完成させる価値があるかどうか」を確認したのではないかと推測されるが、発売が実現されることはなかった。
しかしパワーグローブ用の未発売ソフトは前例がなかっただけに、Cifaldi氏はオークションでも高額になる(5000〜1万ドル)と予想している。世界一のパワーグローブファンに競り勝ってデジタル保存できるよう寄付が募られているが、今までのところ反応は「とてもポジティブ」だそうである。
ビデオゲーム歴史保存協会にとって、未発売のゲームやデモの確保は時間との闘いでもある。正式に製品化され、密閉して保管されたROMカートリッジの場合はさほど心配はない。が、開発中の試作品の場合は書き換え可能なチップを使っており、いつ劣化が始まってもおかしくないからだ。
またCifaldi氏は、「このゲームはレアだ」と一般に知らせることにもリスクが伴うという。なぜなら希少なゲームであれば個人的なコレクションとして購入し、誰にもゲームデータにアクセスできないようにする人々が増えるかもしれないからだ。
とはいえ、保存協会の限りあるリソースを考えれば、SNSなどを通じて広く呼びかけ、寄附を募集する他ないのだろう。貴重なゲームの歴史を未来に残すためにも、Cifaldi氏らの努力を応援したいところだ。
Source: The Verge
これらはデジタル化(データ吸い出しによる保存)されていないため確保する意義が大きいものの、資金が足りないとして助けを募集している次第だ。
ひとつは『Battlefields of Napoleon』(ナポレオンの戦場)というゲームで、箱絵が完成するほど開発が進んでいたものの、小売店に出荷されることはなかったという。
もう1つは、さらに文字通り“レア”ゲームだ。あのレア社(『スーパードンキーコング』や『ゴールデンアイ 007』を開発、後にマイクロソフトにより買収)が開発したパワーグローブ用のデモゲームである。
ちなみにパワーグローブとは、1989年に米マテル社が発売したファミコン用の手袋型コントローラーだ。グローブの位置をテレビに取り付けた超音波センサーで捉えることで操作できる仕組みだが、実際には対応ソフトがほとんど出なかった(今回の1本や、発表されたが未発売分を含めて計5本とのこと)。
このうち『Battlefields of Napoleon』が出品されることは、Cifaldi氏は知っていたそうだ。実際にこの実物を鑑定サービスの一環として手に取ったことがあり、今回の出品にも自分の鑑定書が添えられているという。
そして『Battlefields of Napoleon』の所有者は本作の元開発者で、オークションへの出品を決めるまで何十年も持っていたそうだ。かたやパワーグローブ用ゲームは、ゲームデザイナーの奥さんが出品している。その本人はノバックという会社に勤めていた当時、マテル社と直接パワーグローブ製品に関して共同作業し、紙の上でデザインを行い、それをレア社に送ってゲームを開発してもらったそうだ。
パワーグローブ用ゲームは、たった1面のデモしかなく、おそらく展示会に持ち込み、小売店の反応次第で「完成させる価値があるかどうか」を確認したのではないかと推測されるが、発売が実現されることはなかった。
しかしパワーグローブ用の未発売ソフトは前例がなかっただけに、Cifaldi氏はオークションでも高額になる(5000〜1万ドル)と予想している。世界一のパワーグローブファンに競り勝ってデジタル保存できるよう寄付が募られているが、今までのところ反応は「とてもポジティブ」だそうである。
ビデオゲーム歴史保存協会にとって、未発売のゲームやデモの確保は時間との闘いでもある。正式に製品化され、密閉して保管されたROMカートリッジの場合はさほど心配はない。が、開発中の試作品の場合は書き換え可能なチップを使っており、いつ劣化が始まってもおかしくないからだ。
またCifaldi氏は、「このゲームはレアだ」と一般に知らせることにもリスクが伴うという。なぜなら希少なゲームであれば個人的なコレクションとして購入し、誰にもゲームデータにアクセスできないようにする人々が増えるかもしれないからだ。
とはいえ、保存協会の限りあるリソースを考えれば、SNSなどを通じて広く呼びかけ、寄附を募集する他ないのだろう。貴重なゲームの歴史を未来に残すためにも、Cifaldi氏らの努力を応援したいところだ。
Source: The Verge