ガジェットリスク回避を優先する環境に変化
Googleには「文化的な問題がある」。退職したAppSheet創業者が“非効率さ”暴露
ほとんどコードを記述することなくアプリを生成できるプラットフォーム「AppSheet」を2014年に開発し、Googleに買収された後もソフトウェアエンジニアとして「Google AppSheet」の開発に携わってきたPraveen Seshadri氏が、最近このIT巨人のもとを離れた。Seshadri氏にとって、3年にわたったGoogleでの仕事環境は問題の山だったようだ。
同氏による電子出版プラットフォームMediumへの投稿では、Googleでの仕事の煩雑さにどれだけ手を焼いたかが辛辣につづらられている。本人いわく、ソフトウェア開発においてGoogleは「初期承認、プロジェクト立ち上げ、法的審査、業績審査、役員審査といった官僚的なプロセスの迷路状態で四半期ごと、年ごとにそれらが繰り返されるため、本質的な仕事がほとんどできない」とのことだ。
そしてGoogleには、「使命感の欠如」「緊張感のなさ」「妄想的な例外主義」「ずさんな管理」という、4つの根幹的な文化の問題があり、それは「あらゆる不都合を覆い隠し、毎年毎年成長し続ける『広告』という金を生み出す機械を動かし続けることによる当然の帰結だ」と記した。
Seshadri氏はAppSheet以前、マイクロソフトでソフトウェアエンジニアとして長く勤めていた。そのため「帝国と言われるまでになった企業が、徐々に衰退し始めるのを見るのは初めてのことではない」としつつ、Googleの従業員も「かつてのように顧客やユーザーにサービスを提供することを考える人はいまやほとんどおらず、内輪のためだけに働く閉鎖的な世界」になりつつあると説明。また「リスク回避がすべてに優先」する環境になっており、このような「麻痺した官僚主義」を作りあげた張本人が、CEOのスンダー・ピチャイ氏だと過去に主張していた。
たしかに、企業は組織が大きくなるにつれ小回りが利かなくなり、従業員が本来の仕事をする時間が雑用に奪われていくのはよくある話だ。そして次第に消費者目線で物事を考えられなくなり、コンパクトな組織で迅速な仕事を好む人は、変わってゆく職場の環境を窮屈に感じ始めるものだ。
地図ナビゲーションアプリWazeの買収とともにGoogleに来たNoam Bardin氏も、2021年にGoogleを去った。こちらの場合も、GoogleではWaze製品を良いものにしようと団結していた従業員たちが次第に、製品開発を自らのキャリアアップのためとしか考えない従業員に置き換わっていったことがブログに書かれている。また彼らにとって「製品は情熱や使命、経済的な変革をもたらすものではなくなった」と述べ、単に個人の収入アップのための踏み台になったことも指摘していた。
しかし、Googleの中のすべてがそのような状況に陥っているわけではないようだ。たとえばGoogleのある部署からAndroid開発部門に異動したSteve Yegge氏は、その文化の違いにカルチャーショックに近い驚きを感じたと述べている。Yagge氏は「彼らは互いに足を引っ張りあったりせず」、それぞれが「多かれ少なかれ自律的に仕事に取り組んでいる」とし、それがAndroid部門はGoogleのなかで最も安定し生産的だと感じる理由かもしれないと述べていた。
なおSeshadri氏は、マイクロソフトで見た衰退とは異なり、Googleには「エゴや縄張り争いがなく、内政を重視する環境がある。そのうえ会社のコアバリューか確固たるものだ」「まあそこで働く友人たちには希望がある」とした。しかし、それにはなんらかの「介入が必要」であり、再び本来の使命にコミットし、障害となっている「組織階層の深さ」を減らすことを提案している。
Source: Medium
via: Ars Technica, CNBC
同氏による電子出版プラットフォームMediumへの投稿では、Googleでの仕事の煩雑さにどれだけ手を焼いたかが辛辣につづらられている。本人いわく、ソフトウェア開発においてGoogleは「初期承認、プロジェクト立ち上げ、法的審査、業績審査、役員審査といった官僚的なプロセスの迷路状態で四半期ごと、年ごとにそれらが繰り返されるため、本質的な仕事がほとんどできない」とのことだ。
そしてGoogleには、「使命感の欠如」「緊張感のなさ」「妄想的な例外主義」「ずさんな管理」という、4つの根幹的な文化の問題があり、それは「あらゆる不都合を覆い隠し、毎年毎年成長し続ける『広告』という金を生み出す機械を動かし続けることによる当然の帰結だ」と記した。
Seshadri氏はAppSheet以前、マイクロソフトでソフトウェアエンジニアとして長く勤めていた。そのため「帝国と言われるまでになった企業が、徐々に衰退し始めるのを見るのは初めてのことではない」としつつ、Googleの従業員も「かつてのように顧客やユーザーにサービスを提供することを考える人はいまやほとんどおらず、内輪のためだけに働く閉鎖的な世界」になりつつあると説明。また「リスク回避がすべてに優先」する環境になっており、このような「麻痺した官僚主義」を作りあげた張本人が、CEOのスンダー・ピチャイ氏だと過去に主張していた。
たしかに、企業は組織が大きくなるにつれ小回りが利かなくなり、従業員が本来の仕事をする時間が雑用に奪われていくのはよくある話だ。そして次第に消費者目線で物事を考えられなくなり、コンパクトな組織で迅速な仕事を好む人は、変わってゆく職場の環境を窮屈に感じ始めるものだ。
地図ナビゲーションアプリWazeの買収とともにGoogleに来たNoam Bardin氏も、2021年にGoogleを去った。こちらの場合も、GoogleではWaze製品を良いものにしようと団結していた従業員たちが次第に、製品開発を自らのキャリアアップのためとしか考えない従業員に置き換わっていったことがブログに書かれている。また彼らにとって「製品は情熱や使命、経済的な変革をもたらすものではなくなった」と述べ、単に個人の収入アップのための踏み台になったことも指摘していた。
しかし、Googleの中のすべてがそのような状況に陥っているわけではないようだ。たとえばGoogleのある部署からAndroid開発部門に異動したSteve Yegge氏は、その文化の違いにカルチャーショックに近い驚きを感じたと述べている。Yagge氏は「彼らは互いに足を引っ張りあったりせず」、それぞれが「多かれ少なかれ自律的に仕事に取り組んでいる」とし、それがAndroid部門はGoogleのなかで最も安定し生産的だと感じる理由かもしれないと述べていた。
なおSeshadri氏は、マイクロソフトで見た衰退とは異なり、Googleには「エゴや縄張り争いがなく、内政を重視する環境がある。そのうえ会社のコアバリューか確固たるものだ」「まあそこで働く友人たちには希望がある」とした。しかし、それにはなんらかの「介入が必要」であり、再び本来の使命にコミットし、障害となっている「組織階層の深さ」を減らすことを提案している。
Source: Medium
via: Ars Technica, CNBC