ガジェットすぐには実現しないかも…?
“電気飛行機”も実現? 超高エネルギー密度の「凝縮型バッテリー」中国CATLが発表
中国CATLが、500Wh/kgという非常に高いエネルギー密度の「凝縮型バッテリー」を開発したことを発表した。同社はこのバッテリーで電気飛行機も実現可能だと主張している。
いま主流の二次電池であるリチウムイオンバッテリーは、その普及によってタッチスクリーン式のスマートフォンやドローンを実現し、2〜3時間がやっとだったノートPCの駆動時間を飛躍的に延ばすことにも貢献した。そして、最近では500km近い長距離走が可能な電気自動車も珍しくなくなりつつある。
しかしバッテリーの容量が大きくなれば、当然ながら重量が増し、それが不都合になることもある。特に航空機では、比エネルギー(1kgあたりに蓄えることができるエネルギー量)が重要な指標のひとつになる。これについてCATLは、新しいベンチマーク基準を設定する準備が整ったとした。
水曜日に開催された上海モーターショーでCATLが発表した凝縮型バッテリーは、リチウムをベースとして、「最大500Wh/kg」という超高エネルギー密度が特長としている。比較のために記せば、テスラがModel Yに高容量電池として搭載している4680型バッテリーは、測定値で約244Wh/kgとされている。
CATLは新しい凝縮型バッテリーについて、「超高エネルギー密度の正極材料、革新的な負極材料、セパレータ、製造プロセス」に革新的技術を投入したとしており「高導電性の生体模倣凝縮状態電解質を使用して、鎖間の相互作用力を調整できるミクロンレベルの自己適応ネット構造を構築し、性能、効率、安定性を改善」したと、呪文のように聞こえる説明で捕捉した。
ただ実際のところ、体積エネルギー密度や電力密度などの点で、具体的にどのような違いがあるのかは、ほとんど示されていない。あとは「優れた充放電性能と優れた安全性能を実現」した、ということぐらいだ。
とはいえ、その性能は本当に高いのか、すでにCATLは電気航空機メーカーと提携し、航空レベルの安全性と品質基準を満たす製品開発を進めているとのこと。このバッテリーが、航空機メーカーが要求するだけの十分なエネルギーを軽量なバッテリーで供給できるとすれば、飛行時間がまだまだ短い各社のeVTOLの連続運航を可能とし、固定翼式飛行機の電動化も見据えることが可能になっていきそうだ。
CATLは「ほどなくして凝縮型バッテリーの量産を開始できるだろう」としており、まずは年内にも、電気自動車向けの製品でその生産能力を示すことになるはずだ。
ちなみに、既存のリチウムイオンバッテリーでもっとも高エネルギー密度なもののひとつは、Amprius Tchnologiesが昨年出荷を開始した、450Wh/kgの製品だ。こちらは航空宇宙分野での活用を想定している。
また、最近の電気航空機に関する話題としては、今年1月に約10分間の飛行を完了したZeroAviaの水素電気航空機の事例がある。また、ロールス・ロイスは最近のテストにおいて、時速387マイルで全電動飛行機を飛ばしている。
Source: CATL
via: Engadget
いま主流の二次電池であるリチウムイオンバッテリーは、その普及によってタッチスクリーン式のスマートフォンやドローンを実現し、2〜3時間がやっとだったノートPCの駆動時間を飛躍的に延ばすことにも貢献した。そして、最近では500km近い長距離走が可能な電気自動車も珍しくなくなりつつある。
しかしバッテリーの容量が大きくなれば、当然ながら重量が増し、それが不都合になることもある。特に航空機では、比エネルギー(1kgあたりに蓄えることができるエネルギー量)が重要な指標のひとつになる。これについてCATLは、新しいベンチマーク基準を設定する準備が整ったとした。
水曜日に開催された上海モーターショーでCATLが発表した凝縮型バッテリーは、リチウムをベースとして、「最大500Wh/kg」という超高エネルギー密度が特長としている。比較のために記せば、テスラがModel Yに高容量電池として搭載している4680型バッテリーは、測定値で約244Wh/kgとされている。
CATLは新しい凝縮型バッテリーについて、「超高エネルギー密度の正極材料、革新的な負極材料、セパレータ、製造プロセス」に革新的技術を投入したとしており「高導電性の生体模倣凝縮状態電解質を使用して、鎖間の相互作用力を調整できるミクロンレベルの自己適応ネット構造を構築し、性能、効率、安定性を改善」したと、呪文のように聞こえる説明で捕捉した。
ただ実際のところ、体積エネルギー密度や電力密度などの点で、具体的にどのような違いがあるのかは、ほとんど示されていない。あとは「優れた充放電性能と優れた安全性能を実現」した、ということぐらいだ。
とはいえ、その性能は本当に高いのか、すでにCATLは電気航空機メーカーと提携し、航空レベルの安全性と品質基準を満たす製品開発を進めているとのこと。このバッテリーが、航空機メーカーが要求するだけの十分なエネルギーを軽量なバッテリーで供給できるとすれば、飛行時間がまだまだ短い各社のeVTOLの連続運航を可能とし、固定翼式飛行機の電動化も見据えることが可能になっていきそうだ。
CATLは「ほどなくして凝縮型バッテリーの量産を開始できるだろう」としており、まずは年内にも、電気自動車向けの製品でその生産能力を示すことになるはずだ。
ちなみに、既存のリチウムイオンバッテリーでもっとも高エネルギー密度なもののひとつは、Amprius Tchnologiesが昨年出荷を開始した、450Wh/kgの製品だ。こちらは航空宇宙分野での活用を想定している。
また、最近の電気航空機に関する話題としては、今年1月に約10分間の飛行を完了したZeroAviaの水素電気航空機の事例がある。また、ロールス・ロイスは最近のテストにおいて、時速387マイルで全電動飛行機を飛ばしている。
Source: CATL
via: Engadget