ガジェットほんのわずかながら、本物のUFOが絡む可能性も
NASA、UAP(UFO)目撃情報800件は「大半が説明可能」。ただし未解明の謎も確かにある
NASAの科学者は、日本時間6月1日未明に配信された未確認空中現象(UAP)に関する公開会議で、約800件の謎の物体に関する報告を調査したが、本当に説明がつかない例はごくわずかだと述べた。
UAPとは、「科学的見地から航空機や既知の自然現象であると特定できない」情報のことで、要するにUFOではないかと言われるような目撃情報全般を指す新しい言葉だ。
今回の会議では、800もの謎の物体の目撃情報は、その大半が説明可能なものだと報告された。しかし、いくつかはまだ謎のまま解明されない現象が残っているとも述べられている。米国防総省が設置している全領域異常対策室(All-domain Anomaly Resolution Office:AARO)のショーン・カークパトリック室長は「毎月50〜100件ほどの新しい報告がある」が、「本当に確認できない現象は全体の2〜5%ほど」だとした。
たとえば、米国西部の上空で海軍機が遭遇した、夜空を移動する一連の光点の映像が会議で示されたが、これは、単に近隣の空港に向かう民間機だったことが判明している。一方で2004年以降、2021年の報告書までに軍のパイロットから挙げられた情報のうち144件は、1件を除いてすべて謎のままであるとも報告された。当局は、謎である以上、あくまで可能性のひとつとして、それが地球外生命か何かによるものである可能性も排除していないという。
現状においては、こうした目撃情報を詳しく調べようにも、プライバシーに絡む問題に阻まれ、調査が制限されるケースがあるという。カークパトリック室長は「われわれは最も大きな情報収集装置を、全世界の好きなところに向けることができる」としつつ「我々が持っている情報の多くはアメリカ大陸周辺からもの」であり「ほとんどの人は、我々の装置で自宅の裏庭を調べられたいとは思っていない」と述べた。
一方、NASAのUAP研究チームのリーダーであるデヴィッド・スパーゲル氏は、オーストラリアの研究者が観測した謎の電波について報告した。スパーゲル氏によると「その電波は実に奇妙な構造をしており、いったい何が起こっているのかを理解できなかった」としつつ「その電波の発生がお昼時に集中していることに気づいた」と述べた。
要するに、その電波は昼食を温める電子レンジから漏れ出たマイクロ波を拾っていた、ということだ。電子レンジはマイクロ波が外部に漏れない用に設計されているが、研究者が使用する機械は非常に高感度であるため、このような誤解が生じたのだという。
元宇宙飛行士で数十年のパイロット経験を持つスコット・ケリー氏は、自信の目撃談を紹介した。ケリー氏は航空機によるフライト中に「副操縦士がUFOの近くを飛んだと真剣に言いだした」「私はそれを見ていなかったが、引き返して確認してみたところ、それはバート・シンプソン(アニメ『シンプソンズ』のキャラクター)のバルーンだった」と述べた。細かい状況はわからないが、副操縦士は何らかの見間違いや錯覚でそれをUFOだと感じたようだ。
このようなこともあるため、パイロットらはフライト中にUFOに遭遇しても気のせいだと思い込むか、報告したあとで別の何かと判明したときに間抜けだと思われるのを嫌って、目撃情報を報告しない傾向があるのだそうだ。
UAP/UFOを研究する科学者のなかには、オンラインで嫌がらせをされることもあるという。NASA科学ミッション局のニコラ・フォックス氏は、嫌がらせはUAP調査の分野の人々を貶めるだけでなく、科学的分析プロセスを著しく妨害すると述べ、その結果、重要な謎の解明をしようとする人々の意欲を削ぐことにしかならないとした。
このような議論が公開の場で行われるようになったことは、NASAや米国政府が、長年UFOに関する情報を機密扱いとしてきたことを考えると画期的な出来事なのかも知れない。この会議の最後では一般からの質問を受け付ける機会も設けられたが、そのなかでは「NASAはどんなことを隠しているのですか」という大胆な質問も飛び出した。これに対し、NASAのダン・エバンス博士は、NASAは透明性を重視しているとし、だからこそ「今日のこの会議もライブ配信されている」と返答した。
NASAの「UFO研究グループ」、オンライン公開会議を6月1日に実施
Source: NASA Video
UAPとは、「科学的見地から航空機や既知の自然現象であると特定できない」情報のことで、要するにUFOではないかと言われるような目撃情報全般を指す新しい言葉だ。
今回の会議では、800もの謎の物体の目撃情報は、その大半が説明可能なものだと報告された。しかし、いくつかはまだ謎のまま解明されない現象が残っているとも述べられている。米国防総省が設置している全領域異常対策室(All-domain Anomaly Resolution Office:AARO)のショーン・カークパトリック室長は「毎月50〜100件ほどの新しい報告がある」が、「本当に確認できない現象は全体の2〜5%ほど」だとした。
たとえば、米国西部の上空で海軍機が遭遇した、夜空を移動する一連の光点の映像が会議で示されたが、これは、単に近隣の空港に向かう民間機だったことが判明している。一方で2004年以降、2021年の報告書までに軍のパイロットから挙げられた情報のうち144件は、1件を除いてすべて謎のままであるとも報告された。当局は、謎である以上、あくまで可能性のひとつとして、それが地球外生命か何かによるものである可能性も排除していないという。
現状においては、こうした目撃情報を詳しく調べようにも、プライバシーに絡む問題に阻まれ、調査が制限されるケースがあるという。カークパトリック室長は「われわれは最も大きな情報収集装置を、全世界の好きなところに向けることができる」としつつ「我々が持っている情報の多くはアメリカ大陸周辺からもの」であり「ほとんどの人は、我々の装置で自宅の裏庭を調べられたいとは思っていない」と述べた。
一方、NASAのUAP研究チームのリーダーであるデヴィッド・スパーゲル氏は、オーストラリアの研究者が観測した謎の電波について報告した。スパーゲル氏によると「その電波は実に奇妙な構造をしており、いったい何が起こっているのかを理解できなかった」としつつ「その電波の発生がお昼時に集中していることに気づいた」と述べた。
要するに、その電波は昼食を温める電子レンジから漏れ出たマイクロ波を拾っていた、ということだ。電子レンジはマイクロ波が外部に漏れない用に設計されているが、研究者が使用する機械は非常に高感度であるため、このような誤解が生じたのだという。
元宇宙飛行士で数十年のパイロット経験を持つスコット・ケリー氏は、自信の目撃談を紹介した。ケリー氏は航空機によるフライト中に「副操縦士がUFOの近くを飛んだと真剣に言いだした」「私はそれを見ていなかったが、引き返して確認してみたところ、それはバート・シンプソン(アニメ『シンプソンズ』のキャラクター)のバルーンだった」と述べた。細かい状況はわからないが、副操縦士は何らかの見間違いや錯覚でそれをUFOだと感じたようだ。
このようなこともあるため、パイロットらはフライト中にUFOに遭遇しても気のせいだと思い込むか、報告したあとで別の何かと判明したときに間抜けだと思われるのを嫌って、目撃情報を報告しない傾向があるのだそうだ。
UAP/UFOを研究する科学者のなかには、オンラインで嫌がらせをされることもあるという。NASA科学ミッション局のニコラ・フォックス氏は、嫌がらせはUAP調査の分野の人々を貶めるだけでなく、科学的分析プロセスを著しく妨害すると述べ、その結果、重要な謎の解明をしようとする人々の意欲を削ぐことにしかならないとした。
このような議論が公開の場で行われるようになったことは、NASAや米国政府が、長年UFOに関する情報を機密扱いとしてきたことを考えると画期的な出来事なのかも知れない。この会議の最後では一般からの質問を受け付ける機会も設けられたが、そのなかでは「NASAはどんなことを隠しているのですか」という大胆な質問も飛び出した。これに対し、NASAのダン・エバンス博士は、NASAは透明性を重視しているとし、だからこそ「今日のこの会議もライブ配信されている」と返答した。
NASAの「UFO研究グループ」、オンライン公開会議を6月1日に実施
Source: NASA Video