【金賞受賞モデル紹介】
ACCUPHASE 本機は音量調整回路において従来からの発想をみごとに転換していることが最大の注目点である。AAVAは「アキュフェーズ・アナログ・ヴァリアブル・アンプリファイアー」の頭文字で、可変抵抗器を一切使用しないため、(1)回路のインピーダンスが変化しない。(2)熱抵抗雑音が最小。(3)左右独立した電子回路で構成されクロストークが最小。(4)ボリュームノブなど機械的要素と要因による音質変化がないなど数多くの特徴を持っている。 ユニットアンプは、AAVAは増幅系と一体化されているから当然だが左右2個に集約されている。内部基板はテフロンで、パターンの金メッキは当たり前。電源部は左右独立のR-トロイドコア型でこれは新開発。ブロックコンデンサーは片chあたり6個使いが2個使いに変更されている。まったくのモノコンストラクション。そして内部配線材はほとんど皆無に等しい。機能面は例によって多様。合計11系統の入力端子と6系統の出力端子を装備。入力モードはディスプレイ表示される。また今回は本格的ヘッドホンアンプを備え、メインボリュームで出力調整も可能。さらに「EXT PRE」機能で接続変更をすることなく他のプリメインアンプを活用可能で、例えばホームシアターなどの場合に外部プロセッサーのフロントL/Rの出力を接続しておけば、本機をパスして直接パワーアンプへ入力することができる。 試聴して驚いたのは微小レベルのクリアさだ。これは取りも直さずSN比が群を抜いている結果としての効果だが、素晴らしいレベルに達している。音質、音調上で過剰な色付けが無いのも大きな魅力である。本機はまさに国産高級プリアンプの最高峰であり、久しぶりに感動の世界が広がった。 (文/藤岡 誠) |