<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
65型ではなく70型、この5インチが大きい! シャープ「AU1ライン」で “液晶の可能性” を実感
鴻海傘下で新たな歩みを進め、テレビ関連では世界初の8Kテレビ「AQUOS 8K」が大きなインパクトを与えているシャープ。そんなシャープがAQUOSの2018年春夏モデル上位機として登場させたのが、4K対応の“AU1ライン”「4T-C70AU1」だ。今回はその4T-C70AU1のレビューをお届けしよう。
■70型の新4K AQUOSをチェック
「4T-C70AU1」は、4Kパネルに直下型LED、そして画質エンジンに「AQUOS 4K Smart Engine」を搭載。独自の広色域技術「リッチカラーテクノロジープロ」に倍速液晶技術など、様々な高画質技術を備えた上位モデルだ。
まず視聴室にセットアップされた実機を観ると、「さすがに70型は大きいな…」と、素人じみた感想が漏れてしまった。一般的に大型モデルは65型程度が多いが、それと比べて5インチという差が、数値以上に大きさを感じさせる。テレビというより大型モニターやスクリーンのような感覚だ。
さて、本機のアドバンテージとしてまず気づくのが、消画時の画面が「とにかく黒い」こと。これはAQUOS独自の低反射「N-Blackパネル」がもたらしている。シアタールームのように調光設備が整っている場合だけでなく、リビングの照明下でもこの黒さは実感できるはずだ。
OSにはAndroidを採用し、映像配信サービスをはじめとしたスマートTV機能を内蔵。リモコンにはNetflix、YouTube、そしてAQUOSオリジナルの「COCORO VISION」「COCORO VIDEO」のダイレクトボタンを搭載している。もちろんGooglePlayも利用できるので、Amazon Prime VideoやDAZNなどのアプリをインストールして視聴することもできる。
なおリモコンのマイクからコンテンツを音声検索することもでき、番組表やYouTube動画、アプリを横断検索可能。ただしNetflixなど各種映像配信サービスのコンテンツまではヒットしなかった。
なお、文字表示の違いなど細かな部分から判断すると、すべてがAndroidベースで動いているわけではなく、「番組表」は従来のAQUOSのソフトウェアベースであるようだ。ただし、Android側の検索結果から番組表の該当番組にジャンプし、録画予約ができたりと、両者の橋渡しはきちんとできている。
■ハイエンド液晶テレビとして高画質・高音質にしっかりフォーカス
さて、注目の画質についてだが「さすがはAQUOSのハイエンド機」といったところ。地デジ番組も「4K-Master アップコンバート」によって、70型という大型画面でもそれなりにキレイに見せてくれる。映像モードは「標準」が地デジ放送に適しているはずだ。
AQUOSの以前からの特徴でもあるが、広色域であることを地デジ映像でもうまく使いこなしている。例えばワイドショーのテロップの、ピンクやグリーンの色が深い。一方、同じ画面内でも人肌や桜のピンクなどといった部分は誇張感が少なく、自然に描き出し、色表現をうまく使い分けているのだ。
なお、映像エンジンの癖なのか、インタビューのように被写体がはっきりしている映像だと精細感が高いのだが、カメラを引いたカットや屋外中継では、解像感が落ち気味になる。ただ、70型という大画面でも、もともとクオリティが高くない地デジ映像をしっかり表現できている。
一方、4K/HDRをはじめとする高画質ソースの表現力はなかなかなのもの。Ultra HD Blu-rayで『ラ・ラ・ランド』や『ダンケルク』を視聴したが、精細さはもちろん、HDRの暗部から高輝度部までの光の表現も、十分なクオリティだ。
暗部描写も、さすがに有機EL並みとまではいかないものの、液晶テレビとしてトップクラスの締まりの良さ。BT.2020映像での色バランスは、派手さはなくニュートラルなトーンだ。映画など高画質ソースの視聴に用いるのをオススメしたい。
最後にサウンド面にも触れておこう。左右に独立型スピーカーボックスと背面にサブウーハーユニットを対向配置した「AROUND SPEAKER SYSTEM」には、オンキヨーの技術力も活かされている。
その音は、テレビのスピーカーだからといって声の帯域ばかりに注力するのではなく、厚みのあるストレートなサウンド傾向。映画は低音の量感と音楽の立体感で鳴らす。音楽も満足いくレベルで楽しめた。テレビ用スピーカーとしてはかなり高音質だと言えよう。
「4T-C70AU1」を視聴して、ハイエンド液晶テレビとしてしっかり高画質・高音質にフォーカスしてきたな、という印象だ。世間的には「トップエンド=有機ELテレビ」というイメージも広がりつつあるが、決してそうではなく、液晶には液晶の優位性、魅力があることを再確認することができた。液晶テレビのハイエンドモデル購入候補の一つとして、覚えておいた方が良いだろう。
■70型の新4K AQUOSをチェック
「4T-C70AU1」は、4Kパネルに直下型LED、そして画質エンジンに「AQUOS 4K Smart Engine」を搭載。独自の広色域技術「リッチカラーテクノロジープロ」に倍速液晶技術など、様々な高画質技術を備えた上位モデルだ。
まず視聴室にセットアップされた実機を観ると、「さすがに70型は大きいな…」と、素人じみた感想が漏れてしまった。一般的に大型モデルは65型程度が多いが、それと比べて5インチという差が、数値以上に大きさを感じさせる。テレビというより大型モニターやスクリーンのような感覚だ。
さて、本機のアドバンテージとしてまず気づくのが、消画時の画面が「とにかく黒い」こと。これはAQUOS独自の低反射「N-Blackパネル」がもたらしている。シアタールームのように調光設備が整っている場合だけでなく、リビングの照明下でもこの黒さは実感できるはずだ。
OSにはAndroidを採用し、映像配信サービスをはじめとしたスマートTV機能を内蔵。リモコンにはNetflix、YouTube、そしてAQUOSオリジナルの「COCORO VISION」「COCORO VIDEO」のダイレクトボタンを搭載している。もちろんGooglePlayも利用できるので、Amazon Prime VideoやDAZNなどのアプリをインストールして視聴することもできる。
なおリモコンのマイクからコンテンツを音声検索することもでき、番組表やYouTube動画、アプリを横断検索可能。ただしNetflixなど各種映像配信サービスのコンテンツまではヒットしなかった。
なお、文字表示の違いなど細かな部分から判断すると、すべてがAndroidベースで動いているわけではなく、「番組表」は従来のAQUOSのソフトウェアベースであるようだ。ただし、Android側の検索結果から番組表の該当番組にジャンプし、録画予約ができたりと、両者の橋渡しはきちんとできている。
■ハイエンド液晶テレビとして高画質・高音質にしっかりフォーカス
さて、注目の画質についてだが「さすがはAQUOSのハイエンド機」といったところ。地デジ番組も「4K-Master アップコンバート」によって、70型という大型画面でもそれなりにキレイに見せてくれる。映像モードは「標準」が地デジ放送に適しているはずだ。
AQUOSの以前からの特徴でもあるが、広色域であることを地デジ映像でもうまく使いこなしている。例えばワイドショーのテロップの、ピンクやグリーンの色が深い。一方、同じ画面内でも人肌や桜のピンクなどといった部分は誇張感が少なく、自然に描き出し、色表現をうまく使い分けているのだ。
なお、映像エンジンの癖なのか、インタビューのように被写体がはっきりしている映像だと精細感が高いのだが、カメラを引いたカットや屋外中継では、解像感が落ち気味になる。ただ、70型という大画面でも、もともとクオリティが高くない地デジ映像をしっかり表現できている。
一方、4K/HDRをはじめとする高画質ソースの表現力はなかなかなのもの。Ultra HD Blu-rayで『ラ・ラ・ランド』や『ダンケルク』を視聴したが、精細さはもちろん、HDRの暗部から高輝度部までの光の表現も、十分なクオリティだ。
暗部描写も、さすがに有機EL並みとまではいかないものの、液晶テレビとしてトップクラスの締まりの良さ。BT.2020映像での色バランスは、派手さはなくニュートラルなトーンだ。映画など高画質ソースの視聴に用いるのをオススメしたい。
最後にサウンド面にも触れておこう。左右に独立型スピーカーボックスと背面にサブウーハーユニットを対向配置した「AROUND SPEAKER SYSTEM」には、オンキヨーの技術力も活かされている。
その音は、テレビのスピーカーだからといって声の帯域ばかりに注力するのではなく、厚みのあるストレートなサウンド傾向。映画は低音の量感と音楽の立体感で鳴らす。音楽も満足いくレベルで楽しめた。テレビ用スピーカーとしてはかなり高音質だと言えよう。
「4T-C70AU1」を視聴して、ハイエンド液晶テレビとしてしっかり高画質・高音質にフォーカスしてきたな、という印象だ。世間的には「トップエンド=有機ELテレビ」というイメージも広がりつつあるが、決してそうではなく、液晶には液晶の優位性、魅力があることを再確認することができた。液晶テレビのハイエンドモデル購入候補の一つとして、覚えておいた方が良いだろう。