【PR】WARPシステムや「SkIS」技術を継承
イヤホンの壁を突破した新“空間表現”、Artioエントリーモデル「CR-S1」レビュー
現在でこそイヤホンやヘッドホンのサウンドはそれ独自のものとして確立され、認められている。しかし、その現在においても、理想のひとつとされ追い求められているのは「まるでスピーカーで聴いているような空間再生」だ。
その理想に独自技術「WARPシステム」をもって挑戦した新鋭ブランドArtioから、より手頃な価格帯とより快適な装着感を実現したエントリーモデル「CR-S1」が登場した。既存の上位機から削られた要素はもちろんあるが、中核的な要素はしっかり継承。要素が絞り込まれたことでむしろ、シリーズのコンセプトをより明快に示すモデルに仕上がっている。
最大の魅力は当然、WARPシステムによる自然な空間表現。
スピーカー再生とイヤホン再生で音の聴こえ方が異なる最大の理由は、スピーカー再生ではスピーカーから耳までの空間を介して左右チャンネルの音がある程度混じり合って左右の耳に届くのに対し、イヤホン再生ではそれが起きないこと。
人間の聴覚は左右からの音を両耳で捉え、その差分などから立体的な空間を認識する。イヤホンではその情報が抜け落ちてしまうため、いわゆる「頭内定位」になってしまうというわけだ。
そこでWARPシステム。基本の理屈は単純で「左chの音声信号を右chに、右chの音声信号を左chにミックス」するというもの。左chの音声信号も右側のイヤホンに届き、右chの音声信号も左側のイヤホンに届き、それぞれでミックスされた音がドライバーから再生される回路になっているわけだ。
しかし理屈は単純でも、単純に混ぜただけで自然な効果を得られるわけではない。音量、帯域、位相などを緻密に調整した上で左右をミックスするという、その「綿密な調整」こそが技術の鍵というわけだ。
そのほか、カナル型イヤホン特有の6kHz周辺での共振現象を抑制する特許技術「SkIS」も、上位機「CR-V1」「CR-M1」と同じく搭載。耳に嫌な刺さり方をする成分を目立たせない。ダイナミック型のドライバー口径も同じく10mmだ。
というようにブランドの中核技術は上位機と同じく搭載。では税込で4万円近いCR-V1、同じく1万5000円弱のCR-M1に対して、ぐっとお手頃な6000円弱というお値段はどのように実現されているのか?
特に大きいと思われるのは筐体素材。CR-V1はチタンとアルミのコンビネーション、CR-M1はアルミの筐体なのに対して、こちらCR-S1は樹脂筐体を採用し、コストダウン。だが装着感という点においては、この新筐体はむしろポジティブ要素だ。
小型化された新フォルムによって耳への収まりは相当によくなっている。実はこの筐体小型化のためにWARP回路やSkIS構造の小型化まで行われているとのことだから、単にコストダウンのためだけの新筐体とは言い難いかもしれない。
もうひとつ、こちらは明快なコストダウン施策であろうものは、リケーブル機能の省略。だがそもそもWARPシステム搭載機のリケーブルには同社がオプション提供する純正専用ケーブルしか使えないので、それが不可能になったからといって多くの楽しみが失われるわけでもないだろう。
ではサウンドチェック。悠木碧さん「レゼトワール」は、CR-V1およびCR-M1のチェック時にも聴いた楽曲。悠木碧さんの声だけで構築された楽曲をまずサラウンドミックスにして、それをサラウンドスピーカーシステムで再生したものをダミーヘッドマイクでバイノーラル収録してあるこの音源には、通常ではないほどの空間情報が収められている。
CR-S1で本楽曲を聴いての印象は、空間表現においては、CR-V1/M1で聴いた際のそれに迫るものだ。左右の広がりや移動感は当然、イヤホン再生での再現が特に難しい前後奥行の距離感、上下の配置までもが伝わってくる。さすがにスピーカー再生のそれと同じ感覚というわけではないが、イヤホン再生における立体空間表現としてひとつの壁を突破した感がある。
また筐体素材の違い、それを含めてのチューニングの違いからか、声の感触のナチュラルさにおいてはCR-V1/M1よりもこちらの方が上回るかもしれない。距離感まで伝える空間表現に、声のナチュラルさ。VRやASMRといったコンテンツとの相性を期待して購入するのも良策な予感!
早見沙織さん「yoso」やRobert Glasper「Better Than I Imagined」など、クラブ的な低音表現が特徴的なサウンドでは、ベースやバスドラムの音像は少し緩まって柔らかめ。といってもボワンと不明瞭に膨んでしまうわけではなく、ウォームで厚みのある描写に寄る感じだ。
シリーズ最上位でチタン+アルミ筐体のCR-V1は低域の制動が特に効いている印象、続くアルミ筐体のCR-M1はV1ほどかっちりせずに少しおおらか、そしてこのCR-S1はゆったりした鳴り方と、筐体の特性も生かしつつ個性の振り分けが行われている。
というようにこのCR-S1。前述のように装着感はシリーズ内で特に良好な上に、サウンド面でも「ナチュラル&ウォームが好みの方にはむしろこちらの方が嬉しいかも?」というような個性を備えている。そして税込6000円切りという価格! この価格なら例えば、他のお気に入りイヤホンとの併用を前提としつつVR&ASMR専用イヤホンとしての導入もありかも……。
ArtioのWARPイヤホンは元々すばらしいポテンシャルを備えていたが、それを生かせるコンテンツが充実してきたことでその魅力はさらにアップ! というタイミングでの優れたエントリーモデルの投入は、メーカーとして見事な、そしてユーザーにとっても嬉しい一手だ。
(協力:TTR株式会社)
その理想に独自技術「WARPシステム」をもって挑戦した新鋭ブランドArtioから、より手頃な価格帯とより快適な装着感を実現したエントリーモデル「CR-S1」が登場した。既存の上位機から削られた要素はもちろんあるが、中核的な要素はしっかり継承。要素が絞り込まれたことでむしろ、シリーズのコンセプトをより明快に示すモデルに仕上がっている。
最大の魅力は当然、WARPシステムによる自然な空間表現。
スピーカー再生とイヤホン再生で音の聴こえ方が異なる最大の理由は、スピーカー再生ではスピーカーから耳までの空間を介して左右チャンネルの音がある程度混じり合って左右の耳に届くのに対し、イヤホン再生ではそれが起きないこと。
人間の聴覚は左右からの音を両耳で捉え、その差分などから立体的な空間を認識する。イヤホンではその情報が抜け落ちてしまうため、いわゆる「頭内定位」になってしまうというわけだ。
そこでWARPシステム。基本の理屈は単純で「左chの音声信号を右chに、右chの音声信号を左chにミックス」するというもの。左chの音声信号も右側のイヤホンに届き、右chの音声信号も左側のイヤホンに届き、それぞれでミックスされた音がドライバーから再生される回路になっているわけだ。
しかし理屈は単純でも、単純に混ぜただけで自然な効果を得られるわけではない。音量、帯域、位相などを緻密に調整した上で左右をミックスするという、その「綿密な調整」こそが技術の鍵というわけだ。
そのほか、カナル型イヤホン特有の6kHz周辺での共振現象を抑制する特許技術「SkIS」も、上位機「CR-V1」「CR-M1」と同じく搭載。耳に嫌な刺さり方をする成分を目立たせない。ダイナミック型のドライバー口径も同じく10mmだ。
というようにブランドの中核技術は上位機と同じく搭載。では税込で4万円近いCR-V1、同じく1万5000円弱のCR-M1に対して、ぐっとお手頃な6000円弱というお値段はどのように実現されているのか?
特に大きいと思われるのは筐体素材。CR-V1はチタンとアルミのコンビネーション、CR-M1はアルミの筐体なのに対して、こちらCR-S1は樹脂筐体を採用し、コストダウン。だが装着感という点においては、この新筐体はむしろポジティブ要素だ。
小型化された新フォルムによって耳への収まりは相当によくなっている。実はこの筐体小型化のためにWARP回路やSkIS構造の小型化まで行われているとのことだから、単にコストダウンのためだけの新筐体とは言い難いかもしれない。
もうひとつ、こちらは明快なコストダウン施策であろうものは、リケーブル機能の省略。だがそもそもWARPシステム搭載機のリケーブルには同社がオプション提供する純正専用ケーブルしか使えないので、それが不可能になったからといって多くの楽しみが失われるわけでもないだろう。
ではサウンドチェック。悠木碧さん「レゼトワール」は、CR-V1およびCR-M1のチェック時にも聴いた楽曲。悠木碧さんの声だけで構築された楽曲をまずサラウンドミックスにして、それをサラウンドスピーカーシステムで再生したものをダミーヘッドマイクでバイノーラル収録してあるこの音源には、通常ではないほどの空間情報が収められている。
CR-S1で本楽曲を聴いての印象は、空間表現においては、CR-V1/M1で聴いた際のそれに迫るものだ。左右の広がりや移動感は当然、イヤホン再生での再現が特に難しい前後奥行の距離感、上下の配置までもが伝わってくる。さすがにスピーカー再生のそれと同じ感覚というわけではないが、イヤホン再生における立体空間表現としてひとつの壁を突破した感がある。
また筐体素材の違い、それを含めてのチューニングの違いからか、声の感触のナチュラルさにおいてはCR-V1/M1よりもこちらの方が上回るかもしれない。距離感まで伝える空間表現に、声のナチュラルさ。VRやASMRといったコンテンツとの相性を期待して購入するのも良策な予感!
早見沙織さん「yoso」やRobert Glasper「Better Than I Imagined」など、クラブ的な低音表現が特徴的なサウンドでは、ベースやバスドラムの音像は少し緩まって柔らかめ。といってもボワンと不明瞭に膨んでしまうわけではなく、ウォームで厚みのある描写に寄る感じだ。
シリーズ最上位でチタン+アルミ筐体のCR-V1は低域の制動が特に効いている印象、続くアルミ筐体のCR-M1はV1ほどかっちりせずに少しおおらか、そしてこのCR-S1はゆったりした鳴り方と、筐体の特性も生かしつつ個性の振り分けが行われている。
というようにこのCR-S1。前述のように装着感はシリーズ内で特に良好な上に、サウンド面でも「ナチュラル&ウォームが好みの方にはむしろこちらの方が嬉しいかも?」というような個性を備えている。そして税込6000円切りという価格! この価格なら例えば、他のお気に入りイヤホンとの併用を前提としつつVR&ASMR専用イヤホンとしての導入もありかも……。
ArtioのWARPイヤホンは元々すばらしいポテンシャルを備えていたが、それを生かせるコンテンツが充実してきたことでその魅力はさらにアップ! というタイミングでの優れたエントリーモデルの投入は、メーカーとして見事な、そしてユーザーにとっても嬉しい一手だ。
(協力:TTR株式会社)