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イザベル・ファウストの日本企画盤SACD 5作品発売。監修の評論家・角田郁雄氏が語るその完成度
計15作を数える企画盤。その成り立ちを振り返る
世界屈指のヴァイオリニスト、イザベル・ファウストの5作品がこの度SACDシングルレイヤー盤で登場。彼女の日本限定企画盤は通算で15アルバムになるのだが、もはや「イザベル・ファウストの芸術」シリーズと言っても良いのではないか。
その原点となったのは、2009年11月録音のJ.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータのCDだ。この演奏と録音の良さに感動。11年の東北関東大震災の直後、銀座の王子ホールで行われた全曲演奏では、その素晴らしさに、すっかり魅了されてしまい、SACD化を輸入元に提案したという次第だ。そして、第一弾として13年にJ.S.バッハの無伴奏を日本限定企画のSACDシングルレイヤー盤として実現。以来私は、マスタリング技術監修役として加わることが叶った。
CDでは体験できない、DSDマスターの音作り
その音作りの特徴は、一般的なスタジオでは使用されない超高精度、超低近傍位相ノイズの10MHzマスタークロックや、色付けが少なく情報量の多いバランスケーブルなどを使用することでハイレゾマスターの音質を重視。アナログ的な質感を若干、加えていることだ。
具体的には、今回の5アルバムでは、ハイレゾマスターをサンプリングレート・フォーマット・コンバーターなどの機器を使わず、dCSのDAコンバーター「954」で一旦アナログ化し、これをADコンバーター「904」で2.8MHz DSD化している。この方が、経験上、電気的な圧縮感が薄く、広帯域かつ高解像度な音質が得られるからだ。しかもアナログ的なナチュラルな倍音も再現される。
なお、DSDマスタリングは、キング関口台スタジオにて、経験豊富な辻裕行さんをマスタリングエンジニアに据えて行われた。今回も、ラインケーブルとして、ノードストの「Valhalla 2」を用い、完全DSDプロセスでマスタリングが行えるデジタル・ワーク・ステーション、SADiE「DSD8」を駆使し、私とともに良好な音質を探った。その結果として、いずれもCDでは体験できない豊富な情報量や広いダイナミックレンジが実現できたように思う。
マスタリングに立ち会う、角田氏語る必聴ポイント
特にオーディオ・ファイルが注目するのは、「シェーンベルク:協奏曲」、「ドビュッシー:最後の3つのソナタ」、「メンデルスゾーン:協奏曲」ではないかと感じている。
「シェーンベルクの協奏曲」は、レンジが広く、終楽章の最終にドキっとするほどの壮大なフォルテシモが聴ける。音量に注意されたい。「ドビュッシー」は、響きの宝石箱と言いたいほどの繊細さ、色濃さ、力強さが堪能でき、まさに色彩鮮やか。ジャン=ギアン・ケラスによる、しなやか、かつ重厚なチェロ・ソナタも登場し、ピアニストの力感に溢れた打鍵も堪能できる。個人的には、現代録音では、特筆すべき演奏だと思っている。「メンデルスゾーンの協奏曲」では、ピリオド・オーケストラとの共演で、躍動感に溢れた独自の響きが堪能できる。同時収録の交響曲第5番「宗教改革」は、めったにコンサートでは体験できないピリオド・オケの濃密な響きが体験できる。
なお、今回は、特にスフォルツァートの最新10MHzクロック(プロトタイプ)の効果が絶大だったように思える。ぜひ、シューベルト、ウェーバーを含め、多くの愛好家に「イザベル・ファウストの芸術」を堪能して頂きたい。
(オーディオアクセサリー誌最新185号より転載)
(1)イザベル・ファウスト/メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(SACD-SingleLayer)SACD_HMSA-0044
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(2)イザベル・ファウスト/シェーンベルク:ヴァイオリン協奏曲(SACD-SingleLayer)SACD_HMSA-0045
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(3)イザベル・ファウスト/ドビュッシー:最後の3つのソナタ(SACD-SingleLayer)SACD_HMSA-0046
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(4)イザベル・ファウスト/ヴェーバー:ソナタ集(SACD-SingleLayer)SACD_HMSA-0047
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