PRU5000円イヤホンに新星現る
“フルスイング”の重低音を驚きプライスで!SOULの完全ワイヤレス入門機「S-LIVE 30」「S-MICRO 10」徹底レビュー
お求めやすい価格、最先端のスペック、小さなボディ、そして「ズンズン響く重低音サウンド」。アメリカ生まれのブランド「SOUL」から、サウンドとスタイルで個性を主張するコストパフォーマンスに優れた完全ワイヤレスイヤホン「S-LIVE 30」「S-MICRO 10」が誕生、その特徴に迫る。
完全ワイヤレスの進化を実感させてくれるのは、ハイエンドモデルばかりではない。最新のエントリークラスに目を向けても、「今ってこんなお手頃価格のモデルもこんなハイスペックなの?!」と驚かされる。
SOULの「S-LIVE 30」「S-MICRO 10」もそういった驚きを与えてくれる製品だ。メーカー希望小売価格はそれぞれ3,980円と2,980円! 安価な製品は世の中にたくさんあるが、「SOULの完全ワイヤレスがこの価格」となれば話は別だ。
現在まで続くイヤホンブームの初期から現在まで、「パワフルで深みのある低音と明快な中高域」というサウンドシグネチャーを崩すことなく継続してきたSOULは「現代低音ホン」を代表するブランド。その完全ワイヤレスが、まさにそのサウンドと最先端のスペックを備えた上で低価格。そこにこそ価値がある。
まず注目してほしいのは、スティック型の新作「S-LIVE 30」だ。SOULらしいサウンドを特に意識したモデルとのこと。丸っこく膨らんだフォルムも、ハウジング容積を確保して低音を響かせる狙いからか、その丸みの絶妙さのおかげで装着性もいい。搭載ドライバーは10mm径ダイナミック型だ。それにも関わらず、イヤホン単体約4gと軽量なのもいい。
スペックや機能には、本当に隙がない。
@イヤホン単体8時間+ケース22時間の計30時間の再生時間
A通話時に周囲の雑音を抑え込む環境ノイズキャンセリング
B音声遅延を60msにまで抑え込むエンターテイメントモード
C日常においては十分なIPX4防水仕様
このうち、@〜Bの実現に大きく貢献しているのは最新世代チップセットだ。従来チップ比40%の省電力化を達成しており、本機の長時間再生はその恩恵だ。このようなエントリー向けチップの性能向上こそ、冒頭で述べた「最新エントリーモデル驚きの進化!」の理由だろう。
そして本機の価値を決定づけるのが、これぞSOUL! という低音重視のサウンドチューニングだ。上質な低音? 全体のバランス? そんなものは甘えに過ぎない! と断じるかのような、フルスイングの重低音だ。
たとえば、米津玄師『KICK BACK』のイントロから続くベースのリフを聴いてみてほしい。スラップ奏法によるフレーズは、一般には、バキッというアタックやバシッとしたキレなど高域側の存在感が際立ちやすい。しかしS-LIVE 30で聴くと、低音のボフッ! というぶっとく巨大な響きが他の何よりも強い存在感で叩きつけられてくる。ベースアンプの巨大スピーカーが空気を動かす、音圧というかもはや風圧。それを思い起こさせる感触だ。「LIVE」の名の通りにライブハウス感覚な低音ともいえる。
しかもそれでいて、下手な低音ホンで聴くとベースが量感過多になって破綻しやすいRobert Glasper Experiment『Human』聴いても、このイヤホンがそんな失態を犯すことはない。低音プッシュの限界点ジャストまで攻めつつ、限界を超えてしまったりはしないのだ。イヤホンブームを生き残り、積み重ねてきた低音チューニングの経験値が違うのだ!
振り切った音作りなので好みはわかれるだろう。だからこそハマったら、他ブランドの音に満足できなくなってしまうかもしれない。ちなみに、兄弟機「S-MICRO 10」はさらに低価格だが、それだけではなく、ならではの個性も与えられているモデルだ。その個性とは一目瞭然の小ささ! 特に充電ケースが思い切って小型化されており、携帯性は完全ワイヤレス全体で見てもトップクラスだ。
しかし充電ケースを小型化すれば、必然的にケースのバッテリー容量が小さくなる。ということは、使用時間は短め? いやいや、ここでも最新チップによる省電力性能が効いてくる。こちらのモデルも、この小型さにしてイヤホン8時間+ケース17時間の計25時間の再生時間を確保してあるのだ。
もちろん環境ノイキャンとエンタメモードも搭載。防水仕様も同じくIPX4。ドライバー口径が6mmと小さめなこともあってか、S-LIVE 30と比べると低音の重心は少し上がる。すると相対的に中高域の見え方も変わり、前述のアタックやキレの存在感も少し強まる。つまりS-LIVE 30ほど振り切った低音ホンではないわけだが、それはあくまでもSOUL内での「当社比」の話。一般的にいえばこちらも十分すぎるほど強力な低音。携帯性とパワフルさを併せ持つモデルだ。
◇◇◇
SOULらしい低音を叩き出してくれる、完全ワイヤレス入門機たち。この価格帯でも、メーカー側で全個体の製造日や製造ロットを追跡しての品質管理、日本向けの専用マニュアルの添付など、万全の製造・販売・サポート体制に変わりはない。
5,000円未満の価格で個性派SOULサウンドを、変わらぬ安心感で手にできる。改めて驚きのエントリー機だ。
【SPEC】
・「S-LIVE 30」
●通信方式:Bluetooth 5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC
●ドライバー口径:10mm ●連続再生時間:最大8時間(ケース込み30時間)
●質量:約4g(イヤホン片側) ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、充電ケーブル
・「S-MICRO10」
●通信方式:Bluetooth 5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC
●ドライバー口径:6mm ●連続再生時間:最大8時間(ケース込み25時間)
●質量:4g ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、充電ケーブル
(協力:SOULNATION)
※本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.29 2023 SPRING」所収記事を転載したものです
■「フルスイングの重低音」を浴びるべし!
完全ワイヤレスの進化を実感させてくれるのは、ハイエンドモデルばかりではない。最新のエントリークラスに目を向けても、「今ってこんなお手頃価格のモデルもこんなハイスペックなの?!」と驚かされる。
SOULの「S-LIVE 30」「S-MICRO 10」もそういった驚きを与えてくれる製品だ。メーカー希望小売価格はそれぞれ3,980円と2,980円! 安価な製品は世の中にたくさんあるが、「SOULの完全ワイヤレスがこの価格」となれば話は別だ。
現在まで続くイヤホンブームの初期から現在まで、「パワフルで深みのある低音と明快な中高域」というサウンドシグネチャーを崩すことなく継続してきたSOULは「現代低音ホン」を代表するブランド。その完全ワイヤレスが、まさにそのサウンドと最先端のスペックを備えた上で低価格。そこにこそ価値がある。
まず注目してほしいのは、スティック型の新作「S-LIVE 30」だ。SOULらしいサウンドを特に意識したモデルとのこと。丸っこく膨らんだフォルムも、ハウジング容積を確保して低音を響かせる狙いからか、その丸みの絶妙さのおかげで装着性もいい。搭載ドライバーは10mm径ダイナミック型だ。それにも関わらず、イヤホン単体約4gと軽量なのもいい。
スペックや機能には、本当に隙がない。
@イヤホン単体8時間+ケース22時間の計30時間の再生時間
A通話時に周囲の雑音を抑え込む環境ノイズキャンセリング
B音声遅延を60msにまで抑え込むエンターテイメントモード
C日常においては十分なIPX4防水仕様
このうち、@〜Bの実現に大きく貢献しているのは最新世代チップセットだ。従来チップ比40%の省電力化を達成しており、本機の長時間再生はその恩恵だ。このようなエントリー向けチップの性能向上こそ、冒頭で述べた「最新エントリーモデル驚きの進化!」の理由だろう。
そして本機の価値を決定づけるのが、これぞSOUL! という低音重視のサウンドチューニングだ。上質な低音? 全体のバランス? そんなものは甘えに過ぎない! と断じるかのような、フルスイングの重低音だ。
たとえば、米津玄師『KICK BACK』のイントロから続くベースのリフを聴いてみてほしい。スラップ奏法によるフレーズは、一般には、バキッというアタックやバシッとしたキレなど高域側の存在感が際立ちやすい。しかしS-LIVE 30で聴くと、低音のボフッ! というぶっとく巨大な響きが他の何よりも強い存在感で叩きつけられてくる。ベースアンプの巨大スピーカーが空気を動かす、音圧というかもはや風圧。それを思い起こさせる感触だ。「LIVE」の名の通りにライブハウス感覚な低音ともいえる。
しかもそれでいて、下手な低音ホンで聴くとベースが量感過多になって破綻しやすいRobert Glasper Experiment『Human』聴いても、このイヤホンがそんな失態を犯すことはない。低音プッシュの限界点ジャストまで攻めつつ、限界を超えてしまったりはしないのだ。イヤホンブームを生き残り、積み重ねてきた低音チューニングの経験値が違うのだ!
■「一目瞭然の小ささ」を驚きのプライスで!
振り切った音作りなので好みはわかれるだろう。だからこそハマったら、他ブランドの音に満足できなくなってしまうかもしれない。ちなみに、兄弟機「S-MICRO 10」はさらに低価格だが、それだけではなく、ならではの個性も与えられているモデルだ。その個性とは一目瞭然の小ささ! 特に充電ケースが思い切って小型化されており、携帯性は完全ワイヤレス全体で見てもトップクラスだ。
しかし充電ケースを小型化すれば、必然的にケースのバッテリー容量が小さくなる。ということは、使用時間は短め? いやいや、ここでも最新チップによる省電力性能が効いてくる。こちらのモデルも、この小型さにしてイヤホン8時間+ケース17時間の計25時間の再生時間を確保してあるのだ。
もちろん環境ノイキャンとエンタメモードも搭載。防水仕様も同じくIPX4。ドライバー口径が6mmと小さめなこともあってか、S-LIVE 30と比べると低音の重心は少し上がる。すると相対的に中高域の見え方も変わり、前述のアタックやキレの存在感も少し強まる。つまりS-LIVE 30ほど振り切った低音ホンではないわけだが、それはあくまでもSOUL内での「当社比」の話。一般的にいえばこちらも十分すぎるほど強力な低音。携帯性とパワフルさを併せ持つモデルだ。
SOULらしい低音を叩き出してくれる、完全ワイヤレス入門機たち。この価格帯でも、メーカー側で全個体の製造日や製造ロットを追跡しての品質管理、日本向けの専用マニュアルの添付など、万全の製造・販売・サポート体制に変わりはない。
5,000円未満の価格で個性派SOULサウンドを、変わらぬ安心感で手にできる。改めて驚きのエントリー機だ。
【SPEC】
・「S-LIVE 30」
●通信方式:Bluetooth 5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC
●ドライバー口径:10mm ●連続再生時間:最大8時間(ケース込み30時間)
●質量:約4g(イヤホン片側) ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、充電ケーブル
・「S-MICRO10」
●通信方式:Bluetooth 5.3 ●対応コーデック:SBC、AAC
●ドライバー口径:6mm ●連続再生時間:最大8時間(ケース込み25時間)
●質量:4g ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、充電ケーブル
(協力:SOULNATION)
※本記事は「プレミアムヘッドホンガイド Vol.29 2023 SPRING」所収記事を転載したものです