音づくりに哲学を持つ老舗ブランドを!
【完全ワイヤレス特集 PART.6】ナチュラルな音で選ぶなら?
毎号300機種以上の取材を行っているヘッドホン専門誌のスタッフが、10個の切り口から推奨モデルを厳選。春夏シーズンを一緒に過ごす完全ワイヤレスイヤホンを見つけましょう。
原音に忠実な音を目安に
自宅でもライブ会場の雰囲気をそのままに楽しみたい! そんなニーズには過度な演出を加えず、録音された音をストレートに再生する「Hi-Fi」なサウンドを指標したモデルを選ぶのがお薦めです。こうしたナチュラルで自然な音の再生は、老舗のオーディオブランドや巨大グローバル企業が得意とするところです。
スピーカーブランドBowers&Wilkinsは一貫してTrue Soundを標榜。「Vivid&Spacious」のサウンドポリシーのもとHi-Fiサウンドを深化させるデノン。8K Soundを謳うfinalや、もはや老舗と呼べるHIFIMAN、カスタムIEMの知見を活かすNoble Audioなど、音に哲学を持ったブランドから選ぶのがお薦めです。
■BOWERS&WILKINS「Pi7 S2」¥OPEN(参考価格¥43,320前後)
英国スピーカーブランドの雄、Bowers&Wilkinsは、イヤホンでも変わらずTrue Soundの哲学を標榜としています。本機はBA型とダイナミック型のハイブリッドドライバーを採用し、スピーカーで鳴らすような広い音場、純度の高い瑞々しいサウンドを聴かせてくれます。
■DENON「PerL」¥OPEN(参考価格¥25,690前後)
独自パーソナライズ機能により装着方法や個人の聴こえに関わらず、高い解像度と空間再現性を両立した「Vivid&Spacious」なサウンドを楽しめるイヤホンです。上位モデルと比較して機能性はシンプルですが、Hi-Fiブランドらしいサウンドをストレートに楽しめる一台です。
■FINAL「ZE8000 MK2」¥OPEN(直販サイト価格¥36,800/税込)
驚くような高解像度サウンドゆえに「8K SOUND」を謳った「ZE8000」の第2世代です。イヤピの刷新やアルゴリズムの見直しでノイキャン効果を高める一方、AB級アンプの搭載など、こだわりの音響技術は継承して高解像度、フラットバランスを追求しています。
■HIFIMAN「Svanar Wireless」¥79,860(税込)
創業当時よりDAP開発を行ってきたHIFIMANが開発した独自のR-2R DAC「HYMALAYA DAC」をイヤホンに内蔵する意欲作です。同社の平面磁界駆動型ヘッドホンのような緻密で繊細な音を楽しめます。やや大柄ですが、人間工学に基づいた設計なので見た目より装着性も良いです。
■NOBLE AUDIO「Falcon Max」¥OPEN(直販サイト価格 ¥44,000/税込)
高音質かつ最先端を追求するFalconシリーズの新作。圧電素子に電圧をかけてシリコン振動板を動かすピエゾ方式のドライバー、「Cowell」MEMSドライバーを搭載。MEMSの特長のひとつ「低歪」の恩恵は素晴らしく、ダイナミック型とのハイブリッドとは思えないほど繋がりのよいピュアな音です。
※この記事は2024年春に刊行された「プレミアムヘッドホンガイド」VOL.31の内容をもとに加筆・修正をおこなったものです