PRDGPイメージングアワード2024金賞&受賞モデルを一挙に紹介!
個性際立つ実力派が揃い踏み!ASUS「ProArt Display」一斉レビュー
■ProArt Display PA169CDV
「ProArt Display PA169CDV」は、15.6型4K解像度のクリエイター向けポータブルモニター。ワコム社のEMRテクノロジーを採用した電池不要のProArtペン、静電容量方式10点マルチタッチに対応している点が大きな特徴だ。いわゆる“液タブ”だが、PCモニターとしての高い基本性能と業務にも使える本格的なペン入力、タッチ操作を両立したモデルだ。
やや異色の存在に見えるが、用途は実に広い。まず、高い表示性能を活かした高品位なポータブルモニターとしてノートPCと組み合わせることで、ロケやプレゼンなど出先で正確な色表示をしたいときに威力を発揮する。また、自宅や仕事場といった環境でも、ペン操作ができるサブモニターとして使うなど、多目的に使えるモデルに仕上がっている。
15.6型の画面サイズで解像度は4Kとやや高密度ではあるが、テキストやアプリの表示を200%クラスにすれば操作に困ることはない。むしろ、通常は拡大表示しなければ見えない画像データなどの細部を、拡大せずに見られることが多くなるため、細部の状況やミスを発見しやすいという大きなメリットもある。
カラースペースはsRGB、Rec.709カバー率100%としか公表されていないが、実測してみると、さらに広い色域まで表示する能力を持っており、Adobe RGBで約92%、DCI-P3で約88%までカバーしていた。もちろん工場出荷前にプレキャリブレーションされているので、購入後そのまま使用しても安心だ。
表示品質も良好だ。階調がとても滑らかで、ハイライト域の透明感もよく表現されている。画面内での表示均一度も十分。表面反射もよく抑えられており、黒の締まりも十分。これはモバイル用途には重要なポイントだ。もちろん、液タブとして信頼できる性能といえる。やや高価ではあるものの、十分それに値する実力と使い勝手を備えた、実に魅力的なモデルといえるだろう。
■ProArt Display PA34VCNV
「ProArt Display PA34VCNV」は、ProArt Display唯一となる、アスペクト比21対9の曲面型ウルトラワイドモニター。画面サイズは34.1型で解像度はUWQHD(3440×1440)。アスペクト比は16対9より遙かに横長だが、作業領域が広いため、画像編集/映像編集用ソフトとブラウザ、メーラーなどを一緒に開いておくこともできる。また、編集作業中は余白部分にツールパレットなどを余裕を持って置くことができ実用的だ。
曲率は3800Rと、ゲーミングモニターに多い1500Rから1800Rの曲率のモニターと比べ、曲率が控えめなので、画面中心部でも左右端部でも目からほぼ等距離となり、表示の違和感が少なく自然な印象だ。もちろん鑑賞時の没入感もある。
カラースペースはsRGBカバー率100%。本格的な映像制作向けモニターではないものの、出荷時キャリブレーションがされていることもあり、色味は安定している。映像作品を楽しむのであれば全画面表示でも実用レベルだ。
ただ、実用上は問題ないレベルではあるものの、一緒に試用した上位モデルと比べると、画面内の輝度や色のムラが若干見受けられた。今回の試用機の個体差かもしれないが、気になる場合は、映像を画面中央に表示することで回避できるだろう。
また、本機は96W給電に対応したUSB-Cに加え、HDMI、デイジーチェーン対応のDisplayPort、有線LAN端子(RJ45)に加え、USBハブ機能も搭載。ドッキングステーション的に使うことができ、ノートPCとUSB-Cケーブル1本で、有線LANを含めた周辺環境に簡単に接続できる点もとても便利で魅力的だ。手頃な価格も嬉しい、曲面型のゲーミングモニターとはひと味違う写真や映像制作用途としても威力を発揮するモデルだ。
ProArt Displayは、年々着実な進化を遂げている。今回紹介したDGPイメージングアワード2024受賞モデルはいずれも個性的であり、魅力的なスペックと高い表示品質を備えたハイレベルなモニターだ。それを比較的リーズナブルな価格で実現している点にも好感が持てる。
もちろんクリエイター向けの本格的なモニターは、上を見ればキリがなく、天井知らずという感さえある。だが、実際には性能とコストのバランスを考えてのセレクトになるのは必然。その点で、十二分な性能と現実的なコストを備えた、今回のProArt Display群は、とてもバランスの取れた高コストパフォーマンスで魅力に溢れた賢い選択といえるだろう。
(提供:ASUS JAPAN株式会社)