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AQUOSと聞くと、国内でシェアナンバーワンを独走する液晶テレビがあまりにも有名だが、AVファンにとっては「レコーダーのブランド」としての印象も強いはずだ。
AQUOSブルーレイの源流は、世界初となるHDD搭載の「BD-HD100」(2004年発売)で、HDD搭載による実用性の高さは、真のブルーレイ時代を予感させた。また同機は、ブルーレイに加えDVD-R/RWをも搭載したダブルトレイ、HDDを含めた3スピンドル構成が意欲的で、ブルーレイのマイルストーンとして記憶に残るプロダクトだ。
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シャープのハイビジョンレコーダーの系譜。世界初の快挙をいくつも成し遂げてきた |
2007年には、ブルーレイ単体のレコーダー「BD-AV1」「BD-AV10」を送り出した。「BD-HD100」とは180度異なるコンセプトに思えるが、地上アナログチューナーまでも排し、実勢価格で10万円を切る「手に届く価格」を実現した点で、本格的なブルーレイ録画の普及を予感させた。「世の中に無いものを作る」のが、シャープが創業以来受け継いでいるモノづくりのスピリットであり、時代に合わせた柔軟性が多くのヒット昨を生んできた。
シャープがブルーレイで先行を続けている理由はズバリ「垂直統合」のモノ作りにある。
ブルーレイの源泉となる、青色レーザー光を発生する半導体デバイス、ディスクに情報を書き込んだり読み出しに必要な光ピックアップ、それらを組み上げたドライブなど、基幹部分を自社で賄える懐の深さは、他に類を見ない希少なブランドと言える。
今回、AQUOSブルーレイがレコーダーとして初めて採用した新規格「BDXL」では、1枚のディスクに最大128GBものデータを記録できる。これに必要な精度は、まさにナノの世界だ。BDレコーダーで使われている技術の精度を、分かりやすく2,000倍のスケールで表現すると、地上60cmを時速800kmで飛行するジェット機から、2cm間隔で積層された各層に、0.1mmの精度でアクセスしてデータの書き込みや読み出しを行うことに相当する。
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BDレコーダーは非常に高精度な技術の集合体だが、中でもドライブのピックアップ部の精度の高さは注目に値する |
こういった超高精度な技術を先行して製品化することだけでも凄いが、もう一つ注目したいのは、シャープが各基幹部品の特性を知りぬいた上で、レコーダー全体の設計をまとめ上げているということだ。これは見えない部分の品質や信頼性の高さにもつながる。「垂直統合」は、「世の中に無いものを作る」ことにも重要な要素なのだ。
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AQUOSブルーレイには、単に「世の中に無いものを作る」だけでなく、哲学とも言える明確なビジョンがある。それは「家の中の放送局」という発想だ。
例えば番組を録画する際は、映像モードに関わりなく、番組連動データや5.1ch音声、2カ国語音声などもフルに記録する事ができる。つまり、録画した番組を見る際も、ライブで見ているのと同じように、思い通り操作できることになる。これがストレスを軽減することはお分かり頂けるだろう。AQUOSブルーレイでは、これを「高画質純録り」と呼んでいる。
もう一つ、ユーザーの違和感を軽減する取り組みが「マルチタスク」の高度化である。情報端末が普及する中、「マルチタスク」の重要さが語られる事が多くなってきたが、それは家電の世界でも同様だ。
一昔前は、番組録画中はディスクを再生できないのが当然で、ユーザーは我慢を強いられることが多かった。例えば、明日返却すべきレンタルソフトを急いで視聴している時に、録画予約の時間が来て中断されたなどという経験をお持ちの読者も多いだろう。
もちろん、価格と性能とのバランスや、ソフトウェアの検証の複雑さを考えたら、許される処理に限界があるのは当然だ。だが、「できる事」「できない事」をいちいち意識しなくてはならないのでは、不便であるだけでなく違和感やストレスが溜まっていく。
AQUOSブルーレイは、家電として「思い通りに操作できて当たり前」の視点で、いち早く真面目に、そしてコツコツとマルチタスク化を進めてきた。その姿勢は現在も業界を牽引している。
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そんな、ブルーレイ時代を牽引し、現在もなお国内シェアナンバーワンのAQUOSブルーレイが、またもや世界初で送り出すのが、新規格の大容量ブルーレイ「BDXL」対応の「BD-HDW700」と「BD-HDW70」である。
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<左>BD-HDW700 <右>BD-HDW70。基本機能はほぼ同様だが、上位機のHDW700は大型のインシュレーターを装備し、HDDも2TBと大容量となっている |
両者の機能的な違いはHDD容量のみ。BD-HDW700は2TB、BD-HDW70は1TBの大容量HDDを内蔵する。
両モデルは、2010年春に発売された、デジタルダブルチューナーでマルチタスク化が進化した「BD-HDW55」および「BD-HDW53」をベースに、BDXLへの対応だけでなく、Blu-ray 3Dの再生、さらに3D時代にふさわしい数々の機能を追加した、AQUOSブルーレイのフラッグシップモデルだ。
それに伴い、AV品質の向上に寄与するきめ細やかなアップグレードも見逃せない。ホームシアターファンには注目の機種となるだろう。今回は、BD-HDW700/70を実際に体験し、詳細をレポートする。
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