接続も簡単。使いやすさへの配慮が細部に宿る

サラウンドを2本のスピーカーで実現することによって、コストとスペースという問題は大幅に低減された。もうひとつわかりやすさということが残っているが、この点でも3・2・1は画期的だ。メディアセンターと各スピーカーを3本のケーブルでつなぐ。作業はそれだけだ。しかも間違って接続することのないよう端子の形も変えてある。あとはソースを再生するだけ。AVアンプにつきもののレベルや距離の調整も必要ない。簡単といえばこれ以上簡単なシステムはあり得ない。映画の再生で特に感じるのは、セリフの重厚な再現性だ。センターにぴったりと決まるだけでなく、いかにも人の声らしい落ち着いた明瞭さがある。クリアで腰の落ちた映画らしい質感だ。室内の反射音や身近な効果音なども明快に描かれている。音ににじみがない。

■配線 3本のケーブルを図の様につなぐだけと、簡単だ

■背面端子 スピーカーとベースモジュールは右側の専用端子で接続する

セリフも含めてこれまでのファントム・モードや他の方式との質的な違いを感じるのである。また爆発などの衝撃音も軽快でスピード感が高く、後方まではっきりと回ってサラウンド効果をしっかりと演出する。 映画はできれば大音量で聴く方が効果がわかりやすい。しかし深夜など音量を上げられないときのためにDRCというコンプレッション・モードが用意されているのも便利だ。小音量でも厚みが失われず、エネルギー感をしっかり備えている。あるいは映画館の音響に近づけるためのフィルムEQも効果的である。

■メニュー画面 モノラル音声をマルチチャンネル音声にデコードする「モノデコーディング」はオン/オフの切替が可能

こうした切り替えはオンスクリーンで操作が可能。リモコンの使い勝手も快適だ。わかりやすく使いやすいというコンセプトは、こういうところにも生きているようである。