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DVDとHDDという2種類のデジタル記録メディアを内蔵する本機の最大の強みは、画質劣化のない相互高速録画機能を実現していることだ。画質劣化が起きないのは、デジタルデータをそのままコピーするから。そして、高速録画ができるのは、DVD−RAMが22Mbpsという高い転送レートを確保しているためだ。なお、DVD−Rへの記録は等倍速のみで、高速録画は利用できない。

デジタルダビングの利用頻度が一番高いのは、ハードディスクに記録したプログラムのなかから、保存したい番組だけをDVDにコピーする用途だろう。その際、プレイリスト機能を利用すれば、HDD上でCMなど不要な部分をカットしたり、番組の順番を入れ替えてからダビングすることもできる。

ダビング時、録画モードを選択できる点はなかなかマニアックだ。画質の観点からはオリジナルの録画モードでダビングするのが基本だが、1枚のディスクにできるだけたくさんのプログラムを記録したい場合は、あえて低レートのモードに変更してダビングすることも可能だ。また、DVDの容量に合わせて平均転送レートを調整し、ディスクの残量をフルに使い切るFRモードも利用できる。例えば、2時間半の映画をDVD−RAMにダビングする場合など、既存の録画モードではディスクの容量をフルに使い切ることができない。そんなときにFRモードを指定すれば、SPモードとLPモードの間で適切なVBRの平均転送レートをレコーダーが算出し、ディスク容量をフルに活用して、全編を均一なクオリティでコピーすることができる。FRモードの設定値はEPモードからXPモードの間で無段階に自動設定される。

 


ダビング時にも録画モードを設定することができる。これにより、ダビングの楽しさがさらに広がる。ディスクの空き容量からビットレートを自動に算出し、ディスク容量をフル活用するFRモードも使用可能(クリックで拡大)

DVD−RAMへのダビング時の速度は、別表のように、録画モードによって変化する。使用頻度の高いSPモードでも4倍速で、1時間の番組を15分でダビングすることができる。もちろん、いくら高速でダビングしても、画質の劣化は起こらない。録画済み番組を実際にDVD−RAMにダビングして確認したが、画質の変化はまったく見られなかった。