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AV評論家の林正儀先生と映画ライターの本山由樹子さんに発売されたばかりの3DソフトをDTSサラウンドで視聴していただきました。テレビだけの再生時とサラウンドシステムを繋げた時ではどのような違いが感じられたのか、お二人がそれぞれの感想を語り合います。 | |||||||||||||||
●登場人物紹介 | |||||||||||||||
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本山氏(以下 敬称略):3Dの映画を初めてテレビで見ましたが、映画館で見るよりもさらに飛び出してくる感じがありますね。最近の3D映像は“奥行き感”の表現が大事とよく言われますが、“飛び出してくる”感じもリアルに体験できますし、モンスターハウスと人の大きさの違いがとても自然に伝わります。主人公たちがモンスターハウスと戦うシーンは、3Dだと緊張感が増して、本当に自分に襲ってくるかのような恐怖感があります。 林氏(以下 敬称略):平面的な映像だと遠近感は確かにありますが、前後の奥行き情報はそこまでないですからね。映像が3Dになって、遠景と近景で膨張感が表現されるようになりました。
本山:3D映像に加えて、さらに音がサラウンドであることによって、お化けの家に入ってしまうところや、パトカーが家に持ち上げられてしまうところなど、アトラクション感がより高まる感じも受けました。 林:そうですね。確かに遊園地のアトラクションも、自分が体感しないとその楽しさがわからないですよね。 本山:サウンドがより高音質になったことで、自分が実際に映画の舞台にいるような感覚がより強く味わえました。これは今回、はじめにテレビのスピーカーだけで見たときには発見することができなかった、「モンスターハウス」の音の世界が伝わったのだと思います。サラウンドの音が加わったことで、実際に自分が体感しているような実感がより高まりました。 林:テレビのスピーカーだけで聴いているとわからなかった世界観が、5.1ch のサラウンドになってハッキリと見えてきましたよね。
本山:わくわく感が増してきますね。本作ではモンスターハウスが抱える悲しい感情を「ウオー!」と叫ぶ声や、家の軋む音で表現しているのですが、そういった細かな音を通した表現もサラウンドではよりリアルに感情までが伝わります。キャラクターたちのセリフを聴いても、それぞれの感情がよりわかりやすくなる印象があります。
林:今回視聴したオンキヨーのホームシアターシステム「BASE-V30HDX」は、元々プレーンの状態では2.1chのパッケージですので、アンプに搭載されている“バーチャルサラウンド”と呼ばれる機能を使って、疑似的なサラウンドサウンドを楽しむことができます。この製品の良いところは、通常のセットに、今回後ろに配置したリアスピーカーやセンタースピーカーを追加して“リアル・5.1ch”環境にもできるところです。やはりホンモノのサラウンドを楽しみたいなら、スピーカーも5.1chにした方が圧倒的にリアルですし、音もテレビの画面に張り付いたような状態から、一気に後ろまで広がって立体的になります。音場も広大になって、不思議と低音も力強さを増してきて、自宅で観賞しながら、まるで劇場で映画を楽しむような臨場感が味わえます。もしご自宅の大画面テレビシアターに2.1chのホームシアターシステムを導入する計画があるならば、将来的にリアル5.1chに発展させることができるかを調べておくと良いかもしれませんね。 |
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本山:キャラクターが空を見上げるとハンバーガーが降ってくるシーンでは、特に3D映像の効果が高いと感じました。ハンバーガーの雨の中にまるで自分が立っているようにリアルですね。また、テレビのスピーカーだけで聴いていた時には気が付かなかったのですが、サラウンドで視聴すると「ドスッ、ドスッ」、というハンバーガーが地面に落ちてくる音が後ろのスピーカーからも聴こえてきて、主人公の位置関係がさらによくわかりました。音の情報量が全然違いました。
林:本山さんはご自宅ではいつも、どんな環境で映画をご覧になっていますか。 本山:32薄型の液晶テレビだけで見ています。 林:では今回もテレビのスピーカーだけで聴かれた時には、ご自宅とそんなに感触は変わらなかったのではないでしょうか。 本山:そうですね、確かに自宅とそれほど変わりはありませんでした。 林:無理もないですね。これだけ画面が薄型になると、いくら画面のサイズが大きくなっても、内蔵スピーカーのサイズやパワーはほとんど変わらないはずです。
本山:スパゲティの竜巻が襲ってくるシーンでも、テレビ単体で聴くよりも色々な音を見つけられました。竜巻の轟音も聴こえながら、逃げ惑う人々の声も埋もれてしまわずにちゃんと聴き取れます。同じシーンを家で見た時にはほとんど竜巻の音しか聴こえないのですが、サラウンドだと色々な音が伝わってきます。例えばゼリーのシーンでは、ゼリーのぷるぷるとした質感が3Dの映像とサラウンドが組み合わさって、より一層楽しめると思います。 |
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本山:この作品について、映像が3Dになったメリットは、空を飛び回るシーンなどの立体感、クラーケンなどの怪物キャラクターたちの巨大なサイズ感が伝わってくることですね。メデューサと戦うシーンでは、まだ敵の姿が主人公たちに見えず、正体がわからない段階で聞こえてくる、地面をズルズルと這うような音や、敵の高笑いが不気味に響く「音の演出」が聴きどころだと思います。
林:メデューサーがどこにいるかわからないのに、主人公を取り囲んであちこちから笑い声が聴こえてくる。しかも結構高い位置からも響いてきて、緊張感が高まりましたね。 本山:そうですね。 林:この作品は2Dでもご覧になりましたか。 本山:はい。最初に2Dでタイタンを見たときよりも、今回の方がVFXの凄さをより感じられました。たぶん、サラウンド音の威力が大きいのだと思います。全然違う感覚を味わいました。
林:メデューサに石にされるシーンの音などはいかがでしたか。 本山:「ピリピリピリ」という音ですよね。 林:そうです。石化されて亀裂が入るような音です。 本山:モンスターハウスのときも家のガラスに亀裂が入るシーンがありましたが、サラウンドで聴くと効果音の凄みがさらに増しますね。 林:そうですね。いきなりピリピリッと来るのではなく、最初に少しミシミシという、「これから何かが起こるぞ」という予兆の音があって、それがだんだんと音が迫力を増しながら広がっていって、最後に「パリーン」とくる。非常にリアリティがありますね。 本山:こういう音はサラウンドで楽しまないと、作品の本当の魅力が伝わってこないですよね。 林:そうですね。元々2chのトラックにも音そのものは入っているんですが、ただ、サラウンドで再生してあげないと、空間に表現される細かい音が出てこない。2chで性能のいいスピーカーでもそれなりに音の素材としては出てくるのですが、やはりサラウンドスピーカーを配置したことで、立体的に配置された音が持つ本当の魅力を楽しめるのだと思います。 今回視聴したオンキヨーの「BASE-V30HDX」は、パワー、解像感も非常に良かったと思います。2.1chのシステムが構築できる「BASE-V30HDX」のパケージ本体で、実売の価格が75,000円前後という手軽さも魅力的です。薄型大画面テレビを購入する際には、ぜひ購入時にもらえるポイントなどを活用して、ハイクオリティなサラウンド環境の導入にもチャレンジしてみてほしいですね。 |
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●DTSサラウンドでの視聴を終えて(本山由樹子)
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