新製品批評
Phile-web >> 製品批評 >> ESOTERIC DV-50 >> 銘機登場の背景


 いまやポケットマネーでDVDプレーヤーが買える時代になったが、その一方で本物を求める映画ファン、音楽ファンがグレードの高い製品を選ぶ傾向も根強い。プレーヤーは再生システムの入り口に相当し、画質・音質を大きく左右するコンポーネントだけに、ディスクに刻まれた情報を漏らさず100%再現する製品を、時間をかけてじっくり選びたいものだ。

 DVDプレーヤーを選ぶポイントは、画質、音質、操作性の3つに集約できる。そのなかで画質や操作性にこだわるケースは多いが、音の良さに重点を置いて選ぶ人は意外と少ないようだ。デジタル音声信号のデコードをAVアンプ側が受け持つ場合が多いこともあって、プレーヤー側の音質に関心が集まりにくいのかもしれない。DVDビデオで映画を楽しむ場合、映像のクオリティにこだわるのは当然だが、音の良否はアンプとスピーカーで決まる。そう考えている映画ファンが少なくないのだ。


ESOTERICから登場、ハイエンドファンのための
ユニバーサルプレーヤー「DV-50
(写真はクリックで拡大)


本機の背面端子部



本機は音元出版の視聴室にてテストを行った。
【視聴テストレファレンス機器】
●AVアンプ DENON AVC-A1SR
●パワーアンプ ACCUPHASE PX-600
●スピーカーシステム DYNAUDIO CONTOUR2.0

アルミボティと本皮革で仕上げられたリモコン。プレーヤーと同様に、堅牢かつ高級な質感となめらかな操作性が魅力だ

 実際には、プレーヤーによって音は大きく変わる。アナログ接続でCDを聴くときはもちろん、デジタル接続の場合でもプレーヤーによる音の違いはけっして無視できない。画質で最新スペックを誇る中高級機でも、音については疑問を感じる製品も存在する。DVDプレーヤーを持っているが、音楽を聴くときはCDプレーヤーを使うという音楽ファンが多いのは、既存のDVDプレーヤーの音に不満を感じているからではないだろうか。

 だが、ここにきて、音の良いDVDプレーヤーも次第に登場し始めている。特に、次世代CDとして脚光を浴びているDVDオーディオ、SACDの再生に対応した製品は、従来のDVDプレーヤーとは一線を画す音を目指して吟味を重ねた力作が目立つ。なかでも、ハイエンドのオーディオ機器メーカーがじっくり取り組んだ製品には、注目すべきものがある。

 エソテリックは、音響機器メーカーのティアックが擁するブランドのひとつで、特にCDトランスポート/DAコンバーターを核にしたデジタルプレーヤーの分野では、名実ともにハイエンドオーディオを代表する製品を数多く送り出している。そのエソテリックが満を持して用意したDVDプレーヤーのフラグシップ機が、このたび登場したDV−50である。